秋の味覚狩りで腰と膝を痛めない|理学療法士が動作のコツを解説
2026.09.19
健康について
秋の味覚狩りに出かけて、翌日に腰や膝が痛んだ経験はありませんか。
実は、芋掘りや栗拾いには、体に負担の大きい動作が詰まっています。腰痛は日本人の自覚症状で男女とも上位を占めています3。理学療法士として、しゃがむ動作の負担を見てきました。楽しい行楽ほど、無理をしがちだと感じます。この記事では、味覚狩りで腰と膝を守る動作のコツをお伝えします。
💡 この記事について:本記事は一般的な健康情報です。痛みや持病がある方は、自己判断せず専門家にご相談ください。
目次
- 味覚狩りで腰や膝を痛めやすいのはなぜ?
- 芋掘り・栗拾いに潜む3つの負担
- しゃがむ動作が腰と膝にかける負担
- 腰を守るしゃがみ方の基本
- 膝を守る立ち座りの工夫
- 重い収穫物を持ち運ぶときの注意
- 味覚狩りの前後にできる準備
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
味覚狩りで腰や膝を痛めやすいのはなぜ?
味覚狩りは、しゃがむ・持つ・立つが繰り返される作業です。ふだん動かさない範囲まで、体を一気に使います。だからこそ、思わぬ痛みにつながりやすいのです。
芋掘りでは、低い姿勢を長く続けます。栗拾いでは、何度も体を折り曲げます。ぶどう狩りでは、腕を高く上げる動きも加わります。
腕を上げ続ける動きは、肩にも負担をかけます。高い位置のぶどうを取るときは、特に注意しましょう。踏み台を使い、体を近づけると楽になります。
楽しい時間ほど、夢中になって無理をしがちです。気づいたときには、腰や膝が悲鳴を上げています。翌朝になって、痛みに気づくことも少なくありません。
家族連れでは、子どもに合わせて低い姿勢が増えます。抱っこや持ち上げも重なり、負担が積み上がります。楽しみと負担は、隣り合わせなのです。
秋は気温が下がり、筋肉が硬くなりやすい季節です。冷えた体で急に動くと、痛めやすくなります。まずは、なぜ痛めるのかを知ることが第一歩です。
ふだん運動していない方は、特に注意が必要です。急に長時間しゃがむと、体が対応しきれません。慣れない動作の連続が、痛みを招くのです。

芋掘り・栗拾いに潜む3つの負担
長い中腰で腰に負担
芋掘りは、中腰の姿勢が長く続きます。中腰は、腰にとってつらい姿勢の代表です。厚生労働省の指針でも、中腰は負担要因とされています4。
前かがみのまま作業を続けると、腰の筋肉が疲れます。一回ずつは軽くても、積み重なると負担になります。気づかないうちに、疲労がたまっていくのです。
土を掘る動きも、腕と腰を同時に使います。力を入れて掘るほど、腰への負担は増します。夢中になるほど、無理をしやすい点に注意しましょう。
硬い土では、道具を使うと負担が減ります。無理に手で掘らず、スコップなどを活用しましょう。道具の力を借りることも、賢い工夫です。
くり返すしゃがみ込みで膝に負担
栗拾いは、しゃがんで立つを何度も繰り返します。深くしゃがむと、膝には大きな力が加わります。回数が増えるほど、膝への負担も積み重なります。
膝に不安のある方は、特に注意が必要です。膝の痛みは、多くの人が抱える身近な悩みです3。無理なしゃがみ込みは、痛みの引き金になります。
深くしゃがんだまま横に移動する動きも負担です。膝をひねりながらの移動は、避けたい動作です。移動するときは、一度立ってから動きましょう。
ひねりや持ち上げで負担が集中
収穫物をかごへ移すとき、体をひねる動きが出ます。持ち上げと同時のひねりは、腰に危険な動きです。負担が一点に集中しやすくなります。
持ち上げの研究でも、体から離れた位置ほど負担が増えるとされています2。重い収穫物ほど、扱いに注意が必要です。次の章で、その仕組みを見ていきます。
しゃがむ動作が腰と膝にかける負担
しゃがむ動作は、腰と膝の両方を大きく使います。深くしゃがむほど、膝の曲がりは大きくなります。同時に、前かがみで腰にも負担がかかります。
研究では、床に近い低い位置からの持ち上げも負担が大きいとされています2。深くかがんだ姿勢は、腰への力が増えやすいのです。だから、姿勢の工夫が欠かせません。
低い場所の作業は、姿勢を高くする工夫で楽になります。低い椅子に座る、片膝をつくなどが有効です。少し高さを変えるだけで、負担は大きく変わります。
膝を丸めてしゃがむと、立ち上がりもつらくなります。太ももの筋肉に、大きな力が求められます。筋力が落ちていると、なおさら負担が増します。
腰と膝は、しゃがむ動作で互いに影響し合います。片方をかばうと、もう片方に負担が移ります。両方をいたわる姿勢が、いちばん安全です。
腰痛が長引く場合や、脚のしびれを伴う場合は注意が必要です1。無理をせず、早めに専門家へ相談してください。腰痛全体の対処は、腰痛改善のステップの記事も参考になります。
急性腰痛は、発症から4週間未満の腰痛を指します1。多くは時間とともに和らいでいきます。ただ、強い痛みが続くときは受診を検討しましょう。

腰を守るしゃがみ方の基本
腰だけを曲げず、膝を使う
低い物を取るとき、腰だけを曲げないようにします。膝を曲げて、腰を落とすのが基本です。厚生労働省の指針でも、膝を使う方法が示されています4。
背中は、丸めずにまっすぐ保つ意識を持ちましょう。おへそに力を入れると、体幹が安定します。腰の一点に負担を集めないことが大切です。
息を止めず、ゆっくり吐きながら動くのもコツです。力むと、かえって腰に負担がかかります。呼吸を意識するだけで、動きが楽になります。
片膝をついて負担を分散する
長く低い姿勢を続けるなら、片膝をつくのも有効です。地面に膝をつけば、腰の負担が和らぎます。芋掘りのような作業では、特におすすめです。
両膝をついて、四つばいに近い姿勢も楽な場合があります。腰を反らさず、自然な形を保ちましょう。自分が楽な姿勢を、見つけることが大切です。
膝が汚れないよう、敷物や膝あてを使うと快適です。無理な中腰を避けるだけで、翌日の腰が変わります。少しの工夫が、大きな差を生みます。
片膝を左右で入れかえると、負担が偏りません。同じ側ばかりを使わないよう意識しましょう。バランスよく体を使うことが、疲れをためない工夫です。
低い椅子や園芸用の腰かけを使うのも良い方法です。座って作業できれば、腰の負担は大きく減ります。道具に頼ることは、決して手抜きではありません。
体を守る道具は、上手に使いたいものです。無理な姿勢を減らすことが、楽しむ時間を延ばします。快適に過ごせれば、行楽もより満喫できます。
膝を守る立ち座りの工夫
立ち座りを繰り返すときは、勢いに頼らないことが大切です。反動を使わず、太ももの力でゆっくり動きます。急な動きは、膝を痛める原因になります。
しゃがむときは、膝がつま先より前に出すぎないよう意識します。おしりを後ろに引くと、膝の負担が減ります。深くしゃがみすぎないことも大切です。
足の幅を少し広げると、姿勢が安定します。狭いと、ぐらついて余計な力が入ります。安定した足場が、膝と腰を守ります。
立ち上がるときは、近くの木や台に手を添えると楽です。手の支えがあれば、膝への負担を分けられます。無理に脚だけで立とうとしないでください。
立ち上がる前に、いったん動きを止めるのもコツです。ふらつきを防ぎ、安全に立てます。急がないことが、転倒予防にもつながります。
立ち座りの回数が多いと感じたら、まとめて拾う工夫も有効です。一度しゃがんだら、周囲の分もまとめて集めます。無駄な上下動を減らせます。
膝の慢性疾患でも、適度な運動はすすめられています5。ふだんから脚の筋力を保つことが、負担への備えになります。日常の立ち座りも、良い練習になります。
いすからの立ち座りは、太ももを鍛える手軽な運動です。反動を使わず、ゆっくり行うと効果が高まります。出かける前の日ごろから、続けておくと安心です。
重い収穫物を持ち運ぶときの注意

収穫した芋やぶどうは、思った以上に重くなります。重い物を、腰だけで持ち上げるのは危険です。膝を曲げ、体に近づけて持ち上げましょう4。
楽しくてつい、たくさん収穫してしまうこともあります。持ち帰る重さも、頭に入れておきましょう。無理のない量にとどめることも、腰を守る工夫です。
持ち上げと同時に体をひねる動きは避けます。方向を変えるときは、足を踏みかえて向き直ります。腰だけをねじると、痛める危険が高まります2。
持ち上げる前に、足の位置を決めておきましょう。運ぶ方向へ、あらかじめ体を向けておきます。準備をひと呼吸おくだけで、動きが安全になります。
一度に運ばず、中身を分けて軽くするのも有効です。重い一かごより、軽い二かごが安全です。カートや台車が使えるなら、遠慮なく活用しましょう。
荷物は、左右のバランスをとって持ちましょう。片側だけに重さがかかると、腰が傾きます。両手に分けて持つと、体が安定します。
リュックを使えば、両手が空いて安全です。背負うことで、重さを体の中心に近づけられます。持ち方ひとつで、腰の負担は変わります。
味覚狩りの前後にできる準備
出かける前に、少し体を動かして温めておきましょう。冷えたままでは、筋肉が硬く動きにくい状態です。腰や膝をゆっくり動かすだけでも違います。
朝は特に、体が硬くこわばっています。いきなりしゃがまず、まず全身を軽く動かしましょう。準備の数分が、痛みを防ぐ大きな一歩です。
作業の合間には、こまめに立ち上がって腰を伸ばします。同じ姿勢を続けないことが、負担を減らします。休憩を挟みながら、無理なく進めましょう。
「あと少し」と粘らず、区切りで休むのがコツです。疲れがたまる前に、体を休ませましょう。こまめな休憩が、翌日の体を守ります。
帰宅後も、軽く体をほぐしておくと安心です。湯船につかって温めるのも、疲れを残さない工夫です。日ごろの運動習慣も、負担に強い体をつくります6。
翌日に軽い筋肉痛が出る程度なら、心配はいりません。ただ、痛みが強い場合は無理をしないでください。体の声を聞きながら、回復を待ちましょう。
動きやすい服装と、足元の安定した靴を選びましょう。畑や山の地面は、滑りやすいこともあります。姿勢の習慣は、姿勢習慣と腰への負担の記事も参考になります。
手袋や軍手も、手を守るうえで役立ちます。しっかり握れると、余計な力みが減ります。装備を整えることも、体への思いやりです。

よくある質問(FAQ)
Q. 芋掘りで腰を痛めないコツは何ですか?
A. 腰だけを曲げず、膝を曲げて腰を落とすのが基本です。長い作業では片膝をつくと、腰の負担が和らぎます。同じ姿勢を続けず、こまめに立って腰を伸ばすことも大切とされています。
Q. 栗拾いで膝を痛めないためには?
A. 立ち座りは反動を使わず、太ももの力でゆっくり行うことが大切です。深くしゃがみすぎず、木や台に手を添えると負担が減ります。膝に不安がある方は、無理のない範囲で楽しみましょう。
Q. 重い収穫物の持ち運びで注意することは?
A. 膝を曲げ、体に近づけて持ち上げるのが基本です。持ち上げと同時に体をひねらないよう注意します。中身を分けて軽くしたり、カートを使ったりすると負担を減らせます。
Q. 味覚狩りの前にしておくと良いことは?
A. 体を軽く動かして温めておくと、筋肉が動きやすくなります。動きやすい服装と、足元の安定した靴を選びましょう。作業中はこまめに休憩を取ることもおすすめです。
Q. 味覚狩りの後に腰や膝が痛むときは?
A. まずは無理をせず、体を休めることが大切です。温めて安静にしても改善せず、痛みが強い場合や続く場合は受診をおすすめします。脚のしびれを伴うときは、早めに医療機関へ相談してください。
まとめ
秋の味覚狩りは、しゃがむ・持つ・立つが繰り返される作業です。腰だけを曲げず膝を使うことが、腰と膝を守る基本になります。片膝をつく、こまめに休むといった工夫も大きな助けになります。
大切なのは、特別な運動ではなく日常の動作を見直すことです。しゃがむ、立つ、持ち上げるといった動きは、練習で整えられます。専門家と一対一で、自分の暮らしに合わせて動作を確かめ直すと安心です。無理のないペースで、秋の実りを楽しんでいきたいですね。
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免責事項
本記事は、味覚狩りの動作と腰・膝の負担に関する一般的な健康情報を提供することを目的としています。理学療法士の専門的視点から、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説していますが、以下の点にご注意ください。
本記事の情報は、あなた個人の症状や状態に対する診断・治療を提供するものではありません。記事内容は医療行為や医学的助言ではなく、一般的な情報提供です。本記事の情報のみに基づく自己判断は、症状の悪化につながる可能性があります。
痛みや不調が続く場合、症状が悪化している場合、脚のしびれがある場合、持病や既往歴がある場合は、必ず医療機関を受診してください。
本記事は2026年8月時点の情報に基づいて作成されており、公的ガイドライン等を参照しています。医療情報は更新されるため、将来的に内容が変わる可能性があります。情報の完全性・正確性・有用性について保証するものではなく、利用により生じた損害について当施設は責任を負いかねます。
参考文献
1. 日本整形外科学会・日本腰痛学会. 腰痛診療ガイドライン2019. Minds, 2019.
2. 労働安全衛生総合研究所. 重量物持ち上げガイドライン. JNIOSH, 2024.
3. 厚生労働省. 令和4年国民生活基礎調査 有訴者の状況. e-Stat, 2023.
4. 厚生労働省. 職場における腰痛予防対策指針. 厚生労働省.
5. 日本整形外科学会. 変形性膝関節症診療ガイドライン2023. 日本整形外科学会, 2023.
6. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023. e-ヘルスネット, 2024.
執筆者情報
本記事は、理学療法士をはじめとする国家資格者が監修するリペアルポ編集部が作成しました。姿勢と動作の視点から、暮らしに役立つ健康情報をお届けしています。