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大腿骨頸部骨折の手術後、また歩ける?理学療法士が解説

2026.10.04

リハビリ

大腿骨頸部骨折の手術後、また歩ける?理学療法士が解説

大腿骨頸部骨折の手術後、また歩けるのか不安になりますよね。

実はこの骨折は、日本で年間約15万例と報告されています4。理学療法士として、多くの高齢の方の回復を支えてきました。その中で強く感じるのは「歩けるか」への不安の大きさです。この記事では、手術後の回復とリハビリの見通しを解説します。

💡 この記事について

本記事は2026年7月時点の一般的な健康情報です。個別の診断や治療の代わりになるものではありません。回復のペースには、年齢や状態による大きな個人差があります。必ず主治医や担当の理学療法士の指示を優先してください。

目次

  • 大腿骨頸部骨折とはどんな骨折か
  • なぜ早い手術とリハビリが大切なのか
  • 手術方法によってリハビリの進め方が違う
  • 大腿骨頸部骨折の手術後、歩けるまでの目安
  • 退院後の生活と再骨折の予防
  • 保険リハビリが終わったあとの選択肢
  • よくある質問(FAQ)
  • まとめ

大腿骨頸部骨折とはどんな骨折か

大腿骨頸部骨折とは、太ももの付け根が折れる骨折です。この骨折は、大きく2つの部位に分けられます。

関節に近い部分が折れるのが「頸部骨折」です。その少し下が折れるのが「転子部骨折」です。折れた場所によって、治療の選び方が変わります。

高齢者に非常に多く、その多くは転倒がきっかけです2。背景には、骨粗鬆症で骨がもろくなっていることがあります2。そのため、女性に多く、男性より頻度が高いとされます2。

発生率は年齢とともに増え、70歳を過ぎると急に高まります4。折れると強い痛みで立てなくなることがほとんどです2。軽く転んだだけでも、骨折してしまうことがあります2。

なぜ早い手術とリハビリが大切なのか

この骨折は、寝たきりのきっかけになりやすいとされます2。動けない時間が続くと、肺炎などの合併症も起きやすくなります3。そのため、多くは早めに手術し、早く起きることを目指します2。

早期の手術と離床は、生命予後にも関わると報告されています3。手術が遅れると、その後の死亡率が高まるという報告もあります3。

ガイドラインでも、早期のリハビリ医療が重視されています1。手術翌日からリハビリが始まることも多いです5。手術とリハビリの進歩で、以前より回復が期待できます5。

手術方法によってリハビリの進め方が違う

手術は大きく2つの方法に分かれます5。

一つは、折れた骨を金具で固定する「骨接合術」です5。もう一つは、人工の骨頭に入れ替える「人工骨頭置換術」です5。

どちらを選ぶかは、骨折のずれ方や年齢で決まります5。手術方法によって、体重をかけてよい時期が異なります5。

人工骨頭置換術では脱臼への注意も必要

人工骨頭に入れ替えた場合、脱臼への注意が必要です6。深くしゃがむ、股関節を大きく捻る動作は控えます6。注意すべき動作は、手術方法によって異なります6。自分の場合の注意点は、必ず主治医に確認しましょう6。

大腿骨頸部骨折の手術後、歩けるまでの目安

「いつ歩けるのか」は、最も多い質問のひとつです。入院期間は、おおむね2〜6週間が目安とされています5。

段階的に進む歩行訓練

リハビリは、起き上がりや立つ練習から始まります5。次に、平行棒や歩行器で少しずつ体重をかけます5。その後、杖歩行へと段階的に進めていきます。

目標は、骨折前の歩行に少しでも近づけることです5。手術で骨が治っても、歩く力は落ちていることが多いです5。だからこそ、退院後のリハビリの継続が大切になります6。

焦らないことも回復の一部

回復のペースには、大きな個人差があります5。痛みや体力の低下で、停滞することもあります。そんなときは、我慢せず担当者に伝えることが大切です。

痛みを我慢して動くのも、動かなすぎるのも回復を遅らせます。その人に合ったペースで、少しずつ進めることが近道です。

手術後、入院中はどのように過ごす?

手術後の入院中は、少しずつ体を動かしていきます。「安静にしすぎない」ことが、回復の大きなポイントです。

手術直後から数日の流れ

手術翌日から、ベッド上での運動が始まることが多いです5。まずは足首を動かし、脚の血流を促します。痛みの様子を見ながら、体を起こす練習を始めます。

早く起き上がることが、合併症の予防につながります3。寝ている時間が長いほど、体力は落ちやすくなります。

立つ・歩く練習へ

体調が整えば、立ち上がりの練習に進みます5。平行棒につかまり、少しずつ体重をかけていきます5。次に、歩行器を使った歩行練習に移ります。その後、杖歩行を目指して段階的に進めます。手術方法によって、体重をかける時期は異なります5。

入院中に生活動作も練習する

歩く練習だけが、リハビリではありません。トイレや着替えなど、生活動作も練習します。ベッドからの起き上がりも、繰り返し確認します。浴室の出入りは、転倒しやすい動作のひとつです。

退院後の生活を想定して、動作を練習します。自宅の状況に合わせるほど、動作は身につきやすくなります。

回復を支える「栄養」と「気持ち」

高齢の方の回復には、栄養の管理も欠かせません。食事が細くなると、筋肉がつきにくくなります。しっかり食べることも、リハビリの一部です。

ガイドラインでも、栄養状態の改善が取り上げられています1。また、気持ちの落ち込みが回復を妨げることもあります。痛みや不安があるときは、一人で抱えないでください。家族や専門職に伝えることで、対策が見つかります。

小さな「できた」の積み重ねが、自信につながります。

手術後、入院中はどのように過ごすのか

手術後の入院生活は、回復に向けた大切な時間です。痛みを抑えながら、少しずつ体を動かしていきます5。

手術直後に行うこと

手術直後は、痛みの管理と姿勢の調整が中心です6。同じ姿勢が続くと、床ずれが起きやすくなります6。そのため、こまめに姿勢を変える工夫を行います6。ベッドの上でも、足首を動かす運動から始められます。早くから動かすことが、合併症の予防につながります3。

離床から歩行へ

状態が落ち着いたら、車椅子への移動を練習します6。座る時間を増やすことも、立派なリハビリの一歩です。その後、平行棒や歩行器で立つ練習に進みます5。少しずつ体重をかけ、歩く距離を延ばしていきます5。手術方法により、体重をかけてよい時期は異なります5。

気持ちの落ち込みへの対応

骨折後は、気持ちが沈んでしまう方も少なくありません。痛みや不自由さから、意欲が下がることもあります。

そんなときは、無理をせず周りに気持ちを伝えましょう。小さな「できた」を重ねることが、回復の支えになります。家族の励ましも、大きな力になります。

大腿骨頸部骨折の予後を左右するもの

回復の程度は、いくつかの要素に左右されます3。受傷前にどれだけ歩けていたかが、大きく影響します3。年齢や、もともとの持病も関係します3。認知症がある場合、リハビリに工夫が必要になります3。

だからこそ、その人に合わせた関わりが欠かせません。数字だけで結果を決めつけず、可能性を大切にします。

受傷前の生活に近づけるために

目標は、受傷前の生活にできるだけ近づけることです5。歩行だけでなく、トイレや入浴などの動作も練習します。これらの動作は、毎日の暮らしを支える土台です。

自宅での過ごし方を想定して練習すると、身につきやすいです。手すりの位置や段差も、事前に確認しておくと安心です6。専門家が横で見ながら、一つずつ動作を確認していきます。

退院後の生活と再骨折の予防

退院後に最も気をつけたいのが、再び転ぶことです6。一度骨折した方は、反対側も骨折しやすいとされます6。そのため、自宅の環境を整えることが予防になります6。

  • 玄関や廊下、トイレ、浴室に手すりをつける
  • 足元が暗くならないよう照明を調整する
  • 床に物を置かず、つまずきを防ぐ
  • 杖や歩行器を、体に合ったものにする

こうした工夫は、一人ひとりの動きに合わせることが大切です6。また、骨粗鬆症の治療を続けることも再骨折の予防になります。トイレや浴室の動作も、退院前に練習しておくと安心です。

退院後によくある不安と向き合う

退院後は「また転ぶのでは」という不安を感じがちです。不安から動かなくなると、かえって筋力が落ちます。適度に動くことが、回復と自信につながります。無理のない範囲で、外出の機会をつくりましょう。

散歩など、楽しめる活動だと続けやすくなります。適度な運動は、骨や筋肉を保つ助けになります。日光を浴びることも、骨の健康に役立ちます。心配なことは、遠慮なく専門職に相談してください。

家族の見守りも、大きな安心につながります。一人で抱え込まず、周囲を頼ることが大切です。

保険リハビリが終わったあとの選択肢

骨折後のリハビリには、保険で受けられる期間の目安があります。「まだ歩行が不安なのに終わってしまった」と感じる方もいます。回復のペースには、大きな個人差があるためです。

続ける手段のひとつが、自費リハビリです。

自費リハビリは、期間や回数の制限を受けにくい仕組みです。時間をかけて、歩行や生活動作を練習し直せます。トイレや入浴の動作も、落ち着いて練習できます。詳しくは自費リハビリと保険リハビリの違いもご覧ください。

大切なのは、無理のないペースで納得いくまで取り組むことです。特別な機器よりも、隣で見てくれる存在が支えになります。

よくある質問(FAQ)

Q. 大腿骨頸部骨折の手術後、歩けるまでどのくらいかかる?

A. 入院期間はおおむね2〜6週間が目安です5。起き上がりから歩行器、杖へと段階的に進めます。回復のペースは個人差が大きいため、焦らず取り組むことが大切です。

Q. 大腿骨頸部骨折の手術は、なぜ早いほうがよい?

A. 早い手術と離床は、寝たきりや合併症の予防につながります2。手術が遅れると、その後の死亡率が高まるという報告もあります3。全身状態を見ながら判断されます。

Q. 大腿骨頸部骨折は手術後、元通りに歩けるようになる?

A. 骨が治っても、歩く力は落ちていることが多いです5。ただし適切なリハビリで、骨折前の歩行に近づけることを目指せます5。回復には時間がかかるため、継続が大切です。

Q. 大腿骨頸部骨折の後、再骨折を防ぐには?

A. 最も大切なのは、転倒の予防です6。手すりの設置や照明の調整など、住環境を整えましょう6。骨粗鬆症の治療を続けることも予防につながります。

Q. 高齢の家族が大腿骨頸部骨折をしたら、家族は何をすべき?

A. まずは主治医やリハビリスタッフと目標を共有しましょう。退院後の生活を見据え、住環境の準備を一緒に進めると安心です。介護保険の手続きを早めに始める方も多くいます。

まとめ|大腿骨頸部骨折の手術後を支えるために

大腿骨頸部骨折は、早い手術と早期のリハビリが大切です3。

骨が治っても歩く力は落ちるため、継続が回復のかぎです5。

手術方法により、注意点や進め方が異なります5。

退院後は、転倒予防と住環境の工夫が重要になります6。

焦らず、その人のペースで生活動作を取り戻していきましょう。

歩行や動作を専門家と一対一で練習し直す意味はここにあります。

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免責事項

本記事は、大腿骨頸部骨折の手術後に関する一般的な健康情報を提供することを目的としています。理学療法士の専門的視点から、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説していますが、以下の点にご注意ください。

・個別診断の代替不可:本記事の情報は、あなた個人の症状や状態に対する診断・治療を提供するものではありません。

・医療行為ではない:記事内容は医療行為や医学的助言ではなく、一般的な情報提供です。回復の見通しや動作の注意点は個人差が大きいため、必ず主治医の指示を優先してください。

・自己判断のリスク:本記事の情報のみに基づく自己判断や自己治療は、症状の悪化や健康被害につながる可能性があります。

以下の場合は、必ず医療機関を受診してください。痛みや不調が続いている場合、症状が悪化している場合、日常生活に支障が出ている場合、持病や既往歴がある場合です。

本記事は2026年7月時点の最新情報に基づいて作成されており、信頼できる医学的根拠や公的ガイドラインを参照しています。医学・医療情報は常に更新されるため、将来的に内容が変更される可能性があります。

当施設は本記事の情報をできる限り正確かつ有用なものとするよう努めていますが、情報の完全性・正確性・有用性・適時性について保証するものではありません。本記事の情報を利用したことにより生じた損害について、当施設は一切の責任を負いかねます。

参考文献

1. 日本整形外科学会・日本骨折治療学会. 大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン2021. 南江堂, 2021.

2. 西脇市立西脇病院. 大腿骨近位部骨折の治療について.

3. 千葉市立海浜病院. 大腿骨頸部骨折の治療とリハビリ. 2026.

4. 徳洲会グループ. 大腿骨頚部・転子部骨折.

5. 足立慶友整形外科. 大腿骨頸部骨折の術後の経過. 2026.

6. みどり病院. 大腿骨頸部骨折について〜術後から退院後の生活〜. 2024.

執筆者情報

リペアルポ編集部(理学療法士監修)。repair-repos.com|大阪の自費リハビリ専門センター。理学療法士の専門知識と最新のエビデンスに基づき、読者の健康に役立つ情報を発信しています。

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