夜中に足がつるのはなぜ?こむら返りの原因と予防を理学療法士が解説
2026.06.07
健康について
夜中、ふくらはぎが突然つって目が覚めた経験はありませんか。
あのこむら返り、なぜ起こるのか知っていますか。
実は、一般の方の約6割が経験するとも言われる身近な症状です2。
理学療法士として、足のつりやふくらはぎの悩みによく出会います。
この記事では、こむら返りの原因と予防を、わかりやすくお伝えします。
💡 この記事について:本記事は一般的な健康情報です。繰り返すこむら返りは、後半で触れる病気のサインのこともあります。
目次
- こむら返りとは?足がつる時に起きていること
- こむら返りの主な原因|なぜ足がつるの?
- 夜中や明け方に足がつりやすいのはなぜ?
- こむら返りが起きやすい人・隠れた病気
- こむら返りの応急処置と予防法
- こむら返りのよくある質問(FAQ)
- まとめ|足がつるサインと上手な付き合い方
こむら返りとは?足がつる時に起きていること
こむら返りは、医学的には「有痛性筋痙攣」と呼ばれます1。
筋肉が自分の意思とは関係なく、強く収縮してしまう状態です。
「こむら」とは、ふくらはぎを指す古い言葉です。
ふくらはぎの腓腹筋がつるのが代表的ですが、足の裏や太ももにも起こります1。
強い痛みを伴いますが、多くは数分でおさまるとされています。
痛みのあまり、その場で動けなくなることもあります。
「腓返り」とも書き、昔から知られた身近な症状です。
ふくらはぎは、立つ・歩く動作を支える大切な筋肉です。
筋肉を守る2つのセンサー
私たちの筋肉には、働きを調整する2つのセンサーがあります。
伸びすぎを防ぐのが筋紡錘、縮みすぎを防ぐのが腱紡錘です。
健康なときは、この2つが連携して筋肉を守っています。
このうち腱紡錘の働きが低下すると、筋肉が異常に収縮しやすくなります。
これがこむら返りの一因と考えられています。
ただし、その詳しい仕組みはまだ完全には解明されていません3。
こむら返りの主な原因|なぜ足がつるの?

足がつる背景には、いくつかの要因が重なっていると考えられます。
代表的なものを順に見ていきましょう。
一つの原因ではなく、複数が絡み合うことが多いのです。
ミネラルのバランスの乱れ
カルシウムやカリウムは、筋肉と神経の働きを支えるミネラルです1。
その調整役となるのがマグネシウムです1。
特にマグネシウムの不足は、足のつりに関わると考えられています3。
これらのミネラルは、汗や食事の偏りで不足しがちです。
バランスが崩れると、筋肉の収縮をうまく調整できなくなります。
脱水と血行不良
汗をかいて水分が不足すると、ミネラルのバランスも崩れやすくなります。
冷えによる血行不良も、こむら返りの誘因とされています1。
運動中や運動後に足がつりやすいのも、発汗と疲労が関係します。
特に夏場や運動時は、知らぬ間に水分を失っています。
加齢による筋肉の変化
年齢を重ねると、筋肉量が減り、血流も低下していきます1。
センサーの働きも衰え、こむら返りが起こりやすくなります1。
40代以降に足のつりが増えるのは、このためと考えられています1。
若い頃に比べ、同じ生活でも足がつりやすくなります。
夜中や明け方に足がつりやすいのはなぜ?
こむら返りは、夜中や明け方に多いことで知られています1。
なぜ眠っているときに起こりやすいのでしょうか。
眠っている間は、汗をかいて水分が不足しがちです。
体が冷えて、足の血行が悪くなりやすい時間帯でもあります。
さらに、寝ている姿勢ではつま先が伸びやすくなります。
ふくらはぎが縮んだ状態が続き、筋肉が収縮しやすくなるのです。
これらが重なって、夜のこむら返りが起こりやすいと考えられています。
日中の疲れが、夜になって出てくることもあります。
明け方に多いのも、体温が下がり血行が滞るためと考えられます。
こむら返りが起きやすい人・隠れた病気

こむら返りは、特定の状況で起こりやすくなります。
起こりやすい人
高齢の方や妊娠中の方は、こむら返りが多いとされています3。
妊娠中は、ミネラルが不足しやすく、足への負担も増えるためです3。
運動量の多いスポーツをする方にも、よく見られます。
立ち仕事や長時間の歩行のあとも、起こりやすくなります。
日頃から、足の状態に目を向けることが大切です。
背景に病気が隠れていることも
繰り返すこむら返りには、病気が関わっていることがあります2。
糖尿病による神経の障害は、足のつりと関わることがあります4。
腰部脊柱管狭窄症など、背骨の病気が背景のこともあります5。
そのほか、甲状腺や肝臓の病気、薬の影響も指摘されています2。
神経の障害が、しびれやつりとして現れることもあります6。
足のつりが片側だけ繰り返す場合も、注意したいサインです。
運動と関係なく夜に繰り返すときは、一度受診を考えましょう2。
こむら返りの応急処置と予防法

足がつってしまったときと、予防のための工夫を紹介します。
つってしまったときの対処
あわてず、つった筋肉をゆっくり伸ばすのが基本です。
無理に立ち上がろうとせず、まず筋肉を伸ばしましょう。
ふくらはぎがつったら、つま先を手前にゆっくり引き寄せます。
急に強く引っぱると、筋肉を傷めることがあるため注意します。
痛みが強いときは、息を吐きながら伸ばすと力が抜けやすくなります。
おさまったあとは、軽くマッサージをして温めると良いとされます3。
こむら返りの予防法
予防には、ふくらはぎのストレッチが役立つとされています3。
就寝前に、ふくらはぎを20秒ほど伸ばす習慣がおすすめです。
こまめな水分・塩分の補給も、予防に大切とされています3。
足を冷やさないよう、靴下や入浴で温めるのも一つの方法です。
アキレス腱を伸ばすような姿勢が、ふくらはぎに効果的です。
続けることで、つりにくい体づくりにつながると考えられます。
理学療法士として、無理のないストレッチを続けることをおすすめします。
日々の小さな習慣が、こむら返りの予防につながります。
歩く習慣については、1日の理想的な歩数を解説した記事も参考になります。
こむら返りのよくある質問(FAQ)
Q. こむら返りはなぜ夜中に起こりやすいのですか?
A. 睡眠中は発汗で水分が不足し、体が冷えて血行も悪くなりがちです。寝ている姿勢でつま先が伸び、ふくらはぎが縮みやすいことも関係します。これらが重なって、夜中や明け方に足がつりやすくなると考えられています。就寝前の軽いストレッチが、夜の予防に役立つとされます。
Q. 足がつるのを予防するにはどうすればよいですか?
A. 就寝前のふくらはぎのストレッチが役立つとされています。こまめな水分・塩分の補給や、足を冷やさない工夫も大切です。日中に軽く体を動かし、血行を保つことも予防につながると考えられています。冷えやすい方は、レッグウォーマーを使うのも良いでしょう。
Q. こむら返りにマグネシウムは効果がありますか?
A. マグネシウムは筋肉や神経の働きを支えるミネラルで、不足が足のつりに関わると考えられています。食事からの摂取が基本ですが、サプリや薬の利用は自己判断を避けましょう。海藻やナッツ、大豆製品にマグネシウムが多く含まれます。持病のある方は、医師に相談することがすすめられます。
Q. こむら返りが続くときは病気のサインですか?
A. 一度だけのこむら返りは、心配ないことがほとんどです。ただ、運動と関係なく夜に繰り返す場合は注意が必要です。糖尿病や背骨の病気などが背景のこともあるため、続くときは医療機関で相談すると安心です。特に片側だけ繰り返す場合は、早めの相談がすすめられます。
Q. こむら返りはどのくらいの人が経験しますか?
A. ある調査では、一般の方の約6割が有痛性筋痙攣を経験したと報告されています。特に高齢の方や妊娠中の方に多いとされます。年齢を重ねるほど、経験する人の割合は高くなる傾向があります。頻繁な場合は原因を確かめると安心です。
まとめ|足がつるサインと上手な付き合い方
こむら返りは、筋肉が異常に収縮して起こる身近な症状です。
ミネラル不足や脱水、冷え、加齢などが重なって起こります。
夜中に多いのは、水分不足や冷え、姿勢が関わるためです。
予防には、ストレッチと水分補給、冷え対策が役立ちます。
繰り返す足のつりは、体からのサインかもしれません。
気になるときは、自己判断せず専門家に相談してみてください。
正しく知って備えれば、こむら返りは過度に恐れる症状ではありません。
足は毎日、体を支えてくれる大切なパートナーです。
いたわる気持ちで、上手に付き合っていきましょう。
体の不思議をもっと知りたい方は、関節の動きにくさを解説した記事もおすすめです。
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免責事項
記事の目的と性質
本記事は、こむら返りに関する一般的な健康情報を提供することを目的としています。理学療法士の専門的視点から、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説していますが、以下の点にご注意ください。
本記事の限界
・個別診断の代替不可:本記事の情報は、あなた個人の症状や状態に対する診断・治療を提供するものではありません。
・医療行為ではない:記事内容は医療行為や医学的助言ではなく、一般的な情報提供です。
・自己判断のリスク:本記事の情報のみに基づく自己判断や自己対処は、症状の悪化や健康被害につながる可能性があります。
医療機関受診の推奨
以下の場合は、必ず医療機関を受診してください:こむら返りが続いている場合、症状が悪化している場合、日常生活に支障が出ている場合、持病や既往歴がある場合。
情報の正確性について
本記事は2026年6月時点の最新情報に基づいて作成されており、信頼できる医学的根拠や公的機関の情報を参照しています。医学・医療情報は常に更新されるため、将来的に内容が変更される可能性があります。
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参考文献
1. 運動器の健康・日本協会. 40代以降に増えるこむら返りの予防法. 運動器の健康・日本協会, 2025.
2. 鳥取県医師会. 夜間および早朝の下肢有痛性筋痙攣. 鳥取県医師会.
3. 日本医事新報社. 筋クランプ(こむら返り)の治療. 日本医事新報, 2021.
4. 厚生労働省 e-ヘルスネット. 糖尿病神経障害. 厚生労働省.
5. 聖路加国際病院. 腰部脊柱管狭窄症の診断と治療. 聖路加国際病院.
6. 国立長寿医療研究センター. しびれの原因は?. 国立長寿医療研究センター.
執筆者情報
本記事は、リペアルポ(大阪の自費リハビリ専門センター)の理学療法士監修のもと作成しています。脳卒中・神経疾患・身体の痛みのリハビリに携わる立場から、科学的根拠に基づいた情報をお届けしています。