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正座のしびれ、犯人は血流じゃない?体の不思議を理学療法士が解説

2026.06.06

健康について

正座のしびれ、犯人は血流じゃない?体の不思議を理学療法士が解説

正座のあと、足がジンジン……あのしびれ、なぜ起こるか知っていますか。

「血が止まるから」と思われがちですが、実は話はそう単純ではありません。

理学療法士として、しびれは毎日のように向き合うテーマです。

この記事では、身近なしびれの正体を、科学の視点で楽しくひもときます。

知っていると、ちょっと人に話したくなる小ネタもありますよ。

💡 この記事について:本記事は一般的な健康情報の読み物です。正座と関係なく続くしびれは、後半で触れる注意サインの可能性があります。

目次

  • そもそも「しびれ」とは何が起きている状態?
  • 正座のしびれの犯人は「血流」ではなかった?
  • 京都大学も研究した「しびれの謎」
  • 肘のファニーボーン、ビリッとくるしびれの正体
  • しびれが戻るとき、なぜジンジンするの?
  • 放っておけないしびれもある|こんな時は要注意
  • 正座のしびれのよくある質問(FAQ)
  • まとめ|身近なしびれと、気をつけたいしびれ

そもそも「しびれ」とは何が起きている状態?

しびれは、感覚を伝える神経の働きが乱れたときに起こります。

神経を、脳と手足をつなぐ「電話線」だと想像してみてください。

この線のどこかで信号がうまく流れないと、しびれが生まれます。

健康な神経は、ふだんスムーズに信号を伝えています。

ところが圧迫や酸素不足が起きると、その流れが乱れてしまいます。

このとき脳は、実際とは違う信号を受け取ってしまうのです。

「ジンジン」「ピリピリ」という感覚は、いわば回線の乱れた音なのです。

一時的なしびれの多くは、神経への一時的な負担で起こります。

原因が取り除かれれば、ふつうは自然におさまっていきます。

つまり、多くのしびれは体の自然な反応でもあるのです。

感覚のしくみについては、五感と感覚の役割を解説した記事もあわせてどうぞ。

正座のしびれの犯人は「血流」ではなかった?

正座のしびれと聞くと、多くの人が「血が止まるから」と考えます。

これは半分正解で、半分は説明が足りていません。

正座のしびれには、いくつかの要素が重なって関わっているのです。

主役は神経の圧迫

正座をすると、ひざの裏や足首で神経が強く押しつぶされます。

神経が圧迫されると、信号がうまく伝わらなくなります2

これがしびれの主な引き金だと考えられています2

圧迫がとければ、神経はまた正常に働き始めます。

血流の低下も重なる

同時に血管も押されて、血のめぐりが悪くなります。

神経に届く酸素が減ることで、しびれがさらに強まると考えられます。

足の感覚が遠のくような、独特の感じにつながるのです。

正座の足が「自分の足じゃないみたい」になるのも、このためです。

つまり、神経の圧迫と血流の低下が重なって起こる合わせ技なのです。

だからこそ、しびれは神経と血管の両面から考える必要があります。

ほかにもある、身近なしびれ

神経の圧迫で起こるしびれは、正座だけではありません。

足を長く組むと、足先がしびれてくることがあります。

腕枕で腕がしびれるのも、神経が押された結果です。

朝起きたら手がしびれていた、という経験もよくありますよね。

どれも神経が一時的に圧迫されて起こると考えられています2

どれも姿勢を変えれば、ふつうは自然におさまっていきます。

京都大学も研究した「しびれの謎」

ここで、ちょっと意外な事実をご紹介します。

正座のしびれは、子どもでも知っているほど身近な現象です。

ところが、その仕組みは科学的に難しいテーマでした。

これほど身近なしびれですが、詳しい仕組みは長く謎のままでした1

2016年、京都大学のグループがその一端を明らかにしました1

研究では、血流が一時的に途絶えて戻るときの変化に注目しました1

マウスを使って、しびれの状態を再現するモデルが作られました1

感覚神経にある痛みセンサ「TRPA1」が、低酸素で過敏になっていました1

TRPA1は、もともと刺激を感じ取る痛みセンサとして知られています1

これが、しびれに伴う痛みを生むと報告されています1

この発見は、糖尿病などのしびれ治療薬の開発につながると期待されています1

身近な現象の解明が、いつか病気の治療にも役立つかもしれません。

毎日の何気ない経験にも、こんな科学のドラマが隠れているのです。

正座のしびれも、見方を変えればちょっと面白く感じませんか。

身近すぎる正座のしびれが、最先端の研究テーマだったとは意外ですよね。

肘のファニーボーン、ビリッとくるしびれの正体

しびれの不思議は、足だけの話ではありません。

肘の内側をぶつけて、ビリッと電気が走った経験はありませんか。

あの場所を、英語では「ファニーボーン」と呼びます。

正体は骨ではなく、肘の内側を通る「尺骨神経」という神経です2

この神経は、骨のすぐ近くを浅く通っています。

そのため、ぶつかった刺激がダイレクトに伝わってしまうのです。

ぶつけた瞬間、小指側まで電気が走るのを感じた人も多いはずです。

痛いような、しびれるような、なんともいえない感覚ですよね。

ちなみに名前の由来には諸説あり、はっきりとは決まっていません。

英語では「おかしな骨」という意味で、語感の面白さも人気の理由です。

肘の内側のくぼみを通るため、外からの衝撃を受けやすい場所なのです。

軽くぶつけただけでも強く感じるのは、そのためなのです。

しびれが戻るとき、なぜジンジンするの?

正座のしびれは、足を崩すとジンジンしながら戻っていきます。

あの独特の感覚にも、ちゃんと理由があります。

足を崩した直後の、あのジワッとくる感じを思い出してみてください。

足を崩すと、押されていた神経と血管が解放されます。

休んでいた神経が、再び一斉に働き出すサインと考えられています。

回復の途中で信号が乱れ、あのジンジン感が生まれるとされます。

早く治そうと足を動かすと、かえってジンジンが強まることもあります。

あわてず、しびれが引くのを静かに待つのがおすすめです。

言いかえれば、しびれが戻る痛みは「回復のサイン」でもあるのです。

放っておけないしびれもある|こんな時は要注意

ここまでは、誰もが経験する一時的なしびれの話でした。

一方で、正座と関係なく続くしびれには注意が必要です。

姿勢を変えても消えないしびれは、体からのサインかもしれません。

放っておくと、症状が進んでしまうこともあるため注意しましょう。

早めに気づいて対処することが、何より大切です。

続く・繰り返すしびれの例

手のしびれが続く場合、手根管症候群などが関わることがあります3

手根管症候群では、装具や安静などの保存療法が行われることもあります6

足先から左右対称に進むしびれは、糖尿病が背景のこともあります4

体の片側が突然しびれたときは、脳卒中の可能性も考えられます5

足のしびれが続くときも、神経や血管の病気が背景のことがあります。

早めに相談したいサイン

突然の片側のしびれや、ろれつの回りにくさは急を要します5

力が入らない、しびれが日に日に広がるときも注意が必要です。

顔のゆがみや視野の異常を伴うときは、特に急を要します5

気になるしびれが続くときは、自己判断せず専門家に相談しましょう。

少しでも不安があれば、早めに相談してみることをおすすめします。

正座のしびれのよくある質問(FAQ)

Q. 正座のしびれはなぜ起こるのですか?

A. 正座のしびれは、ひざ裏や足首で神経が圧迫されることが主な原因と考えられています。同時に血管も押されて血流が低下し、しびれが強まります。神経の圧迫と血流の低下が重なって起こる現象です。長く正座するほど、しびれは出やすくなる傾向があります。

Q. 正座でしびれにくくするコツはありますか?

A. 足首やかかとへの体重の集中を避けると、しびれにくいとされています。ときどき足を組みかえたり、姿勢を整えたりするのも一つの方法です。足の下にクッションを敷くのも役立ちます。長時間続けるときは、無理をせず休憩をはさみましょう。

Q. 肘をぶつけるとビリッとしびれるのはなぜですか?

A. 肘の内側には尺骨神経という神経が、骨のすぐ近くを浅く通っています。そのため、ぶつけた刺激が神経に直接伝わり、ビリッとした感覚が走ります。一時的なものは、ふつう自然におさまります。繰り返す場合は、神経への負担が続いているサインかもしれません。

Q. しびれが戻るときにジンジンするのはなぜですか?

A. 圧迫されていた神経が解放され、再び働き出すときに起こると考えられています。回復の途中で信号が乱れ、独特のジンジン感が生まれるとされます。これは神経が戻ってきたサインともいえます。多くは数分でおさまっていきます。

Q. 正座のしびれと病気のしびれはどう違いますか?

A. 正座のしびれは姿勢を崩せば自然におさまる一時的なものです。一方、姿勢と関係なく続くしびれや繰り返すしびれは、体のサインのことがあります。数日続くしびれは、一度受診の目安と考えるとよいでしょう。気になる場合は医療機関で相談すると安心です。

まとめ|身近なしびれと、気をつけたいしびれ

正座のしびれは、神経の圧迫と血流の低下が重なって起こります。

「血が止まるから」だけでは説明しきれない、奥の深い現象なのです。

たかがしびれ、されどしびれ、というわけです。

身近すぎて見落としがちですが、しびれは神経からのメッセージです。

姿勢を崩せば消える一時的なものなら、心配はいりません。

けれど、続くしびれや繰り返すしびれは、早めに目を向けたいサインです。

体は、しびれという形でいろいろなことを教えてくれます。

そのメッセージに気づくことが、健康への第一歩になると考えています。

次に足がしびれたら、体の中の小さなドラマを思い出してみてください。

体の不思議をもっと知りたい方は、関節の動きにくさを解説した記事もおすすめです。

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免責事項

記事の目的と性質

本記事は、しびれに関する一般的な健康情報を提供することを目的としています。理学療法士の専門的視点から、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説していますが、以下の点にご注意ください。

本記事の限界

・個別診断の代替不可:本記事の情報は、あなた個人の症状や状態に対する診断・治療を提供するものではありません。

・医療行為ではない:記事内容は医療行為や医学的助言ではなく、一般的な情報提供です。

・自己判断のリスク:本記事の情報のみに基づく自己判断や自己治療は、症状の悪化や健康被害につながる可能性があります。

医療機関受診の推奨

以下の場合は、必ず医療機関を受診してください:しびれや不調が続いている場合、症状が悪化している場合、日常生活に支障が出ている場合、持病や既往歴がある場合。

情報の正確性について

本記事は2026年6月時点の最新情報に基づいて作成されており、信頼できる医学的根拠や公的機関の情報を参照しています。医学・医療情報は常に更新されるため、将来的に内容が変更される可能性があります。

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参考文献

1. 京都大学. 「しびれ」による痛みのメカニズムを解明. 京都大学, 2016.

2. 国立長寿医療研究センター. しびれの原因は?. 国立長寿医療研究センター.

3. 日本整形外科学会. 手根管症候群. 日本整形外科学会.

4. 厚生労働省 e-ヘルスネット. 糖尿病神経障害. 厚生労働省.

5. 日本リハビリテーション医学会. 脳卒中のリハビリテーション. 日本リハビリテーション医学会.

6. 日本臨床整形外科学会. 手根管症候群. 日本臨床整形外科学会.


執筆者情報

本記事は、リペアルポ(大阪の自費リハビリ専門センター)の理学療法士監修のもと作成しています。脳卒中・神経疾患・身体の痛みのリハビリに携わる立場から、科学的根拠に基づいた情報をお届けしています。

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