術前リハビリ(プレハビリ)で術後は変わる?理学療法士が解説
2026.08.27
リハビリ
術前リハビリという言葉を、聞いたことはありますか。
実は手術前の準備が、術後の回復を左右します1。理学療法士として、手術前後の方を支えてきました。その中で感じるのは「準備した人ほど回復が滑らか」ということです。この記事では、術前リハビリの意味と効果を解説します。
💡 この記事について
本記事は2026年7月時点の一般的な健康情報です。個別の診断や治療の代わりになるものではありません。効果や進め方には、手術の種類や体調で個人差があります。必ず主治医や担当の理学療法士の指示を優先してください。
目次
- 術前リハビリ(プレハビリテーション)とは?
- なぜ手術前のリハビリが大切なのか
- 術前リハビリで期待できる効果
- 術前リハビリで行うこと
- どんな人に効果が出やすい?始め方
- 手術後のリハビリへつなげる
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
術前リハビリ(プレハビリテーション)とは?
術前リハビリは、手術の前から体を整える取り組みです1。英語では、プレハビリテーションと呼ばれます5。もともとは、整形外科の領域で始まった考え方です5。近年は、がんの手術などにも広がっています5。
手術後のリハビリは、よく知られています6。一方で、手術前の準備はまだ知られていません1。この「前もっての準備」が、術前リハビリです1。

なぜ手術前のリハビリが大切なのか
手術を受けると、体の機能は一時的に低下します3。その後、少しずつ回復していくのが一般的です3。スタート地点の体力が高いほど、回復も有利になります5。
体力の低い状態はリスクになる
術前に体力が落ちていると、合併症が増える傾向があります3。筋力の低下は、術後の回復を遅らせることがあります3。だからこそ、手術前の体づくりが注目されています5。手術を待つ期間は、貴重な準備の時間になります1。
術前リハビリで期待できる効果
研究では、さまざまな効果が報告されています1。あくまで報告であり、すべての人に当てはまるとは限りません2。
合併症を減らす可能性
術前の運動や栄養管理が、合併症の減少と関わると報告されています1。術前の持久力や筋力の改善も、報告されています5。これらが、術後の早い回復につながると考えられています5。
入院期間や痛みへの影響
入院期間の短縮と関わるという報告もあります1。術後の痛みが和らいだという報告も見られます4。患者さんの満足度が高まったとの報告もあります4。効果の程度には個人差があると、理解しておきましょう2。
術前リハビリで行うこと
術前リハビリは、複数の要素を組み合わせます1。運動だけでなく、栄養や心の準備も含まれます1。
運動療法
筋力トレーニングで、体を支える力を高めます4。有酸素運動で、持久力を保つことも大切です4。呼吸の練習を取り入れることもあります4。無理のない範囲で、続けることが基本です2。
栄養と生活の管理
栄養状態を整えることも、大切な要素です3。筋肉のもとになる、たんぱく質も意識しましょう3。禁煙は、手術に向けて望ましい準備のひとつです。睡眠や生活リズムを整えることも役立ちます。
心の準備
手術後の生活を、あらかじめイメージしておきます4。家族や医療チームと、計画を共有しておきましょう4。見通しを持つことで、不安が和らぐこともあります4。心の準備も、大切なリハビリの一部です4。
どんな人に効果が出やすい?始め方

術前リハビリは、だれにでも同じ効果が出るとは限りません2。特に、体力が落ちている方で効果が出やすいとされます2。
始めるときの注意
まずは、主治医に相談してから始めましょう2。持病がある方は、運動の可否を確認します2。自己流で無理をすると、かえって逆効果になります。専門家と相談しながら進めると、安心です4。
手術までの時間を活かす
手術までの期間は、人によってさまざまです。短い期間でも、できる準備はあります1。待つ時間を、前向きな準備の時間に変えましょう1。「何もせず待つ」より、体を整えて臨むほうが安心です5。
手術後のリハビリへつなげる
術前リハビリは、術後の回復への橋渡しです5。前もって体を動かす習慣が、術後にも活きてきます6。術後は、生活動作を取り戻す練習が中心になります6。立つ・歩く・トイレ・入浴などの動作を練習します6。術前から動作を意識すると、術後の流れがスムーズです4。
入院中の体力低下も防ぐ
入院中は、動く機会が減って体力が落ちがちです2。ベッドの上でできる運動も、役に立ちます2。寝たきりの時間を減らすことが、回復を助けます。術前に学んだ運動が、入院中にも活きてきます2。
術前リハビリのよくある誤解
術前リハビリには、いくつかの誤解があります。正しく理解することが、取り組みの第一歩です。
「安静にするほどよい」という誤解
手術前は安静にすべき、と思う方もいます。しかし、動かなすぎると体力は落ちていきます3。医師の許可のもと、適度に動くことが大切です2。痛みが強い部位は、無理に動かさないようにします。動かせる部分を保つことが、回復を助けます5。
「短期間では意味がない」という誤解
期間が短いと意味がない、と思う方もいます。けれども、短い期間でもできる準備はあります1。呼吸の練習や軽い運動から始められます4。少しの積み重ねが、体を整える助けになります1。
「運動だけすればよい」という誤解
運動さえすればよい、と考える方もいます。実際は、栄養や心の準備も大切な要素です1。特に栄養は、筋肉づくりの土台になります3。バランスよく組み合わせることが基本です1。

術前リハビリを無理なく続けるコツ
続けるには、生活の中に運動を取り入れます。決まった時間に行うと、習慣になりやすいです。少しずつでも、毎日続けることが大切です2。記録をつけると、変化が見えて励みになります。
体調が悪い日は、無理をせず休みます2。痛みが出たら、専門家に相談しましょう。目標を小さく区切ると、達成感が得られます。楽しみながら続けることが、長続きの秘訣です。
家族ができるサポート
術前リハビリは、家族の支えも力になります。一緒に取り組むことで、続けやすくなります。
一緒に準備する
運動に付き添うと、安心して続けられます。食事の準備で、栄養面を支えられます3。術後の生活を、一緒にイメージしておきましょう4。不安な気持ちに、寄り添うことも大切です。
環境を整える
退院後の生活を見据え、自宅を確認します。手すりや段差など、気になる点を整理します。必要なら、専門家に相談しておきましょう。事前の準備が、退院後の安心につながります。
見守る姿勢
頑張りすぎていないか、様子を見守ります。体調の変化に気づいたら、医療者に伝えます。焦らせず、本人のペースを尊重しましょう。家族の理解が、本人の大きな支えになります。
手術前後を専門家と支える選択肢
術前リハビリは、まだ広く普及していません5。「自分でも準備したい」と考える方もいます。
そうした準備を支える手段のひとつが、自費リハビリです。
期間や回数の制限を受けにくい仕組みです。手術に向けて、体力づくりや動作の練習ができます。術後の生活動作も、あらかじめ想定して練習します。
完全マンツーマンで、人目を気にせず取り組めます。一回ごとに利用でき、無理のないペースで続けられます。
詳しくは自費リハビリと保険リハビリの違いもご覧ください。
大切なのは、自分のペースで納得して準備することです。不安も、動作を見ながら一緒に整理できます。特別な機器よりも、隣で支えてくれる存在が力になります。術前から動作を練習しておくと、術後が楽になります。
一人では続けにくい運動も、伴走があれば続きます。小さな積み重ねが、当日への自信になります。体調に合わせて、無理のない準備を進めます。できることを増やして、手術に備えましょう。
焦らず、一歩ずつ体を整えていきましょう。

よくある質問(FAQ)
Q. 術前リハビリ(プレハビリ)は本当に効果がある?
A. 研究では、合併症の減少や回復促進と関わると報告されています1。ただし効果には個人差があります2。過度な期待をせず、準備の一つとして取り組みましょう。
Q. 術前リハビリはいつから始めればいい?
A. 手術までの期間で、できる準備を始めます1。短い期間でも意味があります1。始める前に、必ず主治医に相談しましょう2。
Q. 術前リハビリでは何をするの?
A. 運動療法や栄養管理、心の準備を組み合わせます1。筋力や持久力を高める運動が中心です4。無理のない範囲で続けることが大切です2。
Q. 高齢でも術前リハビリの効果はある?
A. 体力が落ちている方ほど、効果が出やすいとされます2。年齢だけで判断せず、主治医に相談しましょう2。無理のない範囲で取り組むことが基本です。
Q. 術前リハビリは保険で受けられる?
A. 一部の病院では、入院前から取り組む仕組みがあります3。まだ広く普及していないのが現状です5。受けられるか、まず主治医に確認してみましょう。
まとめ|術前リハビリで手術に備えるために
術前リハビリは、手術の前から体を整える取り組みです1。合併症の減少や回復促進と関わると報告されています1。運動・栄養・心の準備を組み合わせて行います1。効果には個人差があるため、主治医と相談しましょう2。
待つ時間を、前向きな準備の時間に変えていきましょう。手術前後を専門家と一緒に整える意味は、ここにあります。焦らず一歩ずつ、手術に向けて体を整えていきましょう。
その準備が、術後の回復を確かに支えてくれます。
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免責事項
本記事は、術前リハビリ(プレハビリテーション)に関する一般的な健康情報を提供することを目的としています。理学療法士の専門的視点から、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説していますが、以下の点にご注意ください。
・個別診断の代替不可:本記事の情報は、あなた個人の症状や状態に対する診断・治療を提供するものではありません。
・医療行為ではない:記事内容は医療行為や医学的助言ではなく、一般的な情報提供です。運動の可否や効果は個人差が大きいため、必ず主治医の指示を優先してください。
・自己判断のリスク:本記事の情報のみに基づく自己判断や自己流の運動は、体調の悪化や健康被害につながる可能性があります。
以下の場合は、必ず医療機関を受診・相談してください。痛みや不調が続いている場合、症状が悪化している場合、日常生活に支障が出ている場合、持病や既往歴がある場合です。
本記事は2026年7月時点の最新情報に基づいて作成されており、信頼できる医学的根拠や公的情報を参照しています。医学・医療情報は常に更新されるため、将来的に内容が変更される可能性があります。
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参考文献
1. 尾川貴洋. 術前リハビリテーション医療のエビデンスと展望. 医学のあゆみ 294(1), 2025.
2. 茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター. プレハビリテーションパンフレット.
3. 日本外科代謝栄養学会. 周術期のリハビリテーション栄養. 外科と代謝・栄養 55(5), 2021.
4. 成尾整形外科病院. 脊椎手術の術前リハビリ(プレハビ)の効果とは.
5. 産業医科大学第1外科学. がん手術日までの過ごし方:術前から始める大切な準備.
6. 公益財団法人長寿科学振興財団. リハビリテーション(健康長寿ネット).
執筆者情報
リペアルポ編集部(理学療法士監修)。repair-repos.com|大阪の自費リハビリ専門センター。理学療法士の専門知識と最新のエビデンスに基づき、読者の健康に役立つ情報を発信しています。