病院の診療科を全解説|各科の専門領域と特徴を理学療法士が紹介
2026.05.29
健康について
病院に行こうと思っても、「どの診療科に行けばいいのか分からない」と迷った経験はありませんか。
診療科の数は多く、名前だけでは専門領域がわかりにくいことがあります1。理学療法士として、受診科に迷って受診が遅れるケースを見かけることがあります。この記事では、主要な診療科の専門領域と特徴を一覧でわかりやすく解説します。どの科が何を診るのかを知ることで、受診の迷いを減らすヒントになれば幸いです。
💡 この記事について
本記事は診療科の一般的な特徴を解説するものです。実際の受診先は症状の状態によって異なります。迷う場合は、かかりつけ医または各医療機関にご相談ください。
目次
- 診療科とは?日本の標榜制度の基本
- 内科系の診療科
- 外科系の診療科
- 整形外科・リハビリテーション科
- 脳神経系の診療科
- こころと精神の診療科
- 感覚器・皮膚の診療科
- 女性・小児の診療科
- その他の主要な診療科
- 診療科に関するよくある質問(FAQ)
- まとめ
診療科とは?日本の標榜制度の基本

診療科とは、病院やクリニックにおける医療の専門分野区分のことです。日本では、外部に広告できる診療科名は医療法によって定められています。これを「標榜診療科」と呼びます2。
2024年末時点の医師統計によると、主たる診療科が「内科」の医師が全体の約19%と最多です1。次いで整形外科・小児科と続きます。診療科の数は多く、病院によって設置されている科も異なります。
近年は「循環器センター」「生殖医療センター」など、臓器別・疾患別の名称を使う医療機関も増えています。受診先を探すときは、科の名前だけでなく、「何の症状・臓器を専門とするか」で考えると選びやすくなります。
内科系の診療科|体の内側から治療する
内科・総合内科
内科は、手術を行わず薬や生活指導で治療する診療科の総称です。全身を広く診ることができ、「原因がよくわからない体調不良」の最初の相談先として機能します。
総合内科(総合診療科)は、特定の臓器・疾患にしぼらず、全身を幅広く診る科です。「どの科に行けばよいか分からない」とき、最初に受診する選択肢のひとつです。
循環器内科
心臓や血管の病気を専門とする科です。動悸・息切れ・胸の痛み・高血圧・不整脈・心不全などを診ます。心臓リハビリテーションの処方もここで行われることが多くあります。
消化器内科
食道・胃・腸・肝臓・膵臓・胆嚢など、消化器全般を扱う科です。胃痛・下痢・便秘・胸焼け・腹部膨満感・血便などの症状で受診します。胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡検査もここで行われます。
呼吸器内科
肺・気管支・気道などの呼吸器系を専門とする科です。長引く咳・痰・息苦しさ・肺炎・喘息・COPD(慢性閉塞性肺疾患)などを診ます。
腎臓内科・内分泌科・糖尿病科
腎臓内科は慢性腎臓病・腎不全・透析管理などを専門とします。内分泌科・糖尿病科は、糖尿病・甲状腺疾患・ホルモン異常などを扱います。健診でHbA1cや血糖値の異常を指摘された場合の受診先です。
血液内科・膠原病科・リウマチ科
血液内科は白血病・貧血・血小板異常など血液疾患を専門とします。膠原病科・リウマチ科は、関節リウマチ・全身性エリテマトーデスなど、免疫が関わる疾患を扱います。

外科系の診療科|手術で治す専門家
外科(一般外科・消化器外科)
手術を主な治療手段とする診療科です。消化器外科は胃がん・大腸がん・虫垂炎・ヘルニアなどの手術を担います。緊急手術が必要な腹部疾患はここで対応されることが多くあります。
心臓血管外科
心臓・大動脈・血管の手術を専門とする科です。心臓弁の置換・冠動脈バイパス術・大動脈瘤の手術などを行います。循環器内科と連携して診療を進めることが一般的です。
呼吸器外科
肺・気管・胸壁などの手術を担う科です。肺がんの手術・気胸の治療などを行います。呼吸器内科との連携が重要な分野です。
整形外科・リハビリテーション科|運動器とリハビリの診療科

整形外科
骨・関節・筋肉・腱・靭帯など、運動器全般を扱う科です。骨折・腰痛・膝痛・肩こり・椎間板ヘルニア・変形性関節症など、整形外科の対象疾患は幅広いです。
「体が痛い」「動きにくい」という症状では、まず整形外科を受診することが多くなります。診断後にリハビリが必要と判断された場合、理学療法士(PT)によるリハビリが開始されます。
リハビリテーション科
リハビリテーション科は、障害を持つ方の機能回復・生活能力の向上を目的とした診療科です。整形外科が診断と治療を担うのに対し、リハビリテーション科は「回復と生活の質の維持」に重点を置きます3。
PT・OT・STと連携しながら、運動療法・物理療法・日常動作の練習などを行います。
脳神経系の診療科|脳・神経の病気を診る
脳神経内科(神経内科)
脳・脊髄・末梢神経・筋肉の病気を、手術ではなく薬や内科的治療で診る科です4。頭痛・めまい・しびれ・歩きにくさ・ふるえ・物忘れなどが主な受診症状です。脳梗塞・パーキンソン病・認知症・てんかんなどを扱います。
「脳神経外科」と混同されやすいですが、脳神経内科は手術を行わない内科的専門科です。手術が必要な場合は脳神経外科に紹介されます。
脳神経外科
脳・脊髄・神経の病気を手術で治療する外科系の科です。脳腫瘍・脳動脈瘤・脳出血・頭部外傷などを対象とします。突然の激しい頭痛・意識障害・顔面や手足の麻痺などは、急いで受診が必要なサインです。
こころと精神の診療科
精神科
うつ病・統合失調症・双極性障害・不安障害など、精神疾患全般を扱う科です。「気分の落ち込みが続く」「眠れない日が続く」「強い不安や恐怖がある」という場合に受診を検討します。
心療内科

精神的なストレスが原因で体に症状が出る「心身症」を専門とする科です。ストレスによる胃痛・頭痛・倦怠感・過食や拒食など、体の症状として現れるこころの問題を扱います。精神科との違いは、「体の症状が前景にある」点です。
感覚器・皮膚の診療科
眼科
目の病気・視力低下・白内障・緑内障・網膜疾患などを専門とする科です。「かすむ」「まぶしい」「視野が欠ける」などの症状で受診します。糖尿病による眼底の変化もここで管理します。
耳鼻咽喉科
耳・鼻・喉・頸部を専門とする科です。難聴・耳鳴り・めまい・鼻詰まり・花粉症・扁桃炎などを扱います。めまいの原因が耳にある場合(良性発作性頭位めまい症など)はここで診断・治療されます。
皮膚科
皮膚・毛髪・爪の病気を専門とする科です。湿疹・アトピー性皮膚炎・じんましん・水虫・帯状疱疹などを扱います。

女性・小児の診療科
産婦人科(産科・婦人科)
産科は妊娠・出産・産後を専門とし、婦人科は子宮・卵巣など女性特有の病気を扱います。生理不順・月経痛・更年期症状・子宮がん検診などもここで対応します。
小児科
15歳未満(施設によって18歳未満まで)の子どもの病気全般を診る科です。発熱・咳・下痢・発疹など日常的な疾患から、先天性疾患・発達の問題まで幅広く対応します。
その他の主要な診療科
泌尿器科
腎臓・尿管・膀胱・前立腺などの泌尿器系を専門とする科です。頻尿・排尿困難・血尿・前立腺肥大症・尿路結石などを扱います。
形成外科
皮膚・軟部組織・顔面の変形・傷の修復を専門とする科です。やけど・傷跡・乳房再建・口唇裂などを扱います。美容外科と混同されますが、形成外科は保険診療が基本です。
麻酔科・ペインクリニック
麻酔科は手術の際の全身管理・麻酔を専門とします。ペインクリニックは、慢性的な痛みを専門的に管理する外来です。神経ブロックなどの処置で、長引く痛みに対応します。
救急科
生命に関わる緊急症状を診る科です。突然の意識消失・激しい胸痛・大量出血・重傷などに対応します。救急科は専門科への橋渡し役も担っています。
診療科に関するよくある質問(FAQ)
整形外科とリハビリテーション科の違いは何ですか?
整形外科は骨・関節・筋肉の「診断と治療(手術・薬物療法)」を主に担います。リハビリテーション科は機能の「回復と生活の質向上」に重点を置きます。整形外科でリハビリが必要と判断された後、理学療法士による訓練が始まることが多くあります。
脳神経内科と脳神経外科の違いを教えてください
脳神経内科は薬や内科的治療で脳・神経の病気を診る科です。脳神経外科は手術が必要な病気を扱います。頭痛・しびれ・物忘れなどの症状はまず脳神経内科へ。突然の激しい頭痛や麻痺など緊急性がある場合は脳神経外科または救急科が対応します。
精神科と心療内科の違いは何ですか?
精神科はうつ病・統合失調症など精神疾患そのものを専門とします。心療内科はストレスが原因で体の症状が出る「心身症」を専門とします。精神的な不調で体の症状(胃痛・頭痛など)が続く場合はまず心療内科が目安になります。
何科に行けばよいか分からないときはどうすればいいですか?
原因が分からない全身症状で受診科に迷うときは、総合内科・総合診療科への相談が有効です。適切な専門科への紹介につながることがあります。症状別の受診科の選び方については、姉妹記事「症状別・何科に行けばいい?受診科の選び方」もご参照ください。
病院の診療科は全国どこでも同じですか?
設置されている診療科は医療機関の規模や地域によって異なります。大学病院・総合病院では多くの専門科が揃っています。クリニックは内科・整形外科など、限られた科を設置していることが多いです。受診前に医療機関のウェブサイトで確認することをお勧めします。
「内科・外科」と書いてある病院はどんな病気を診てもらえますか?
「内科・外科」を標榜するクリニックは、一般的な症状への対応と軽度の外科処置を行う場合が多くあります。風邪・発熱・腹痛などが主な対象です。専門的な検査・治療が必要な場合は、大きな病院への紹介状を書いてもらえることがあります。
まとめ|診療科を知ることが、受診の第一歩になる
病院の診療科は内科系・外科系・神経系・精神系など、多岐にわたります。それぞれの専門領域を知ることで、受診先の見当がつきやすくなります。
PT視点からも、受診が遅れることで症状が悪化するケースを見かけることがあります。「どの診療科に行けばよいか」が分かると、早めの受診につながりやすくなります。
具体的な症状別の受診科の選び方は、姉妹記事「症状別・何科に行けばいい?受診科の選び方」で詳しく解説しています。気になる症状がある場合は、ひとりで悩まず医療機関への相談をお勧めします。
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免責事項
記事の目的と性質
本記事は、診療科の役割に関する一般的な健康情報を提供することを目的としています。理学療法士の専門的視点から、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説していますが、以下の点にご注意ください。
本記事の限界
・個別診断の代替不可:本記事の情報は、あなた個人の症状や状態に対する診断・治療を提供するものではありません。
・医療行為ではない:記事内容は医療行為や医学的助言ではなく、一般的な情報提供です。
・自己判断のリスク:本記事の情報のみに基づく自己判断や自己治療は、症状の悪化や健康被害につながる可能性があります。
医療機関受診の推奨
以下の場合は、必ず医療機関を受診してください。
- 痛みや不調が続いている場合
- 症状が悪化している場合
- 日常生活に支障が出ている場合
- 持病や既往歴がある場合
情報の正確性について
本記事は2026年5月時点の最新情報に基づいて作成されており、信頼できる医学的根拠や公的ガイドラインを参照しています。医学・医療情報は常に更新されるため、将来的に内容が変更される可能性があります。
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参考文献
1. 厚生労働省. 令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況. 厚生労働省, 2025.
2. 日本医師会. 診療科名の標榜方法. 日本医師会, 2023.
3. 医療機器情報ナビ. リハビリテーション科とは?整形外科との違いについて. 2024.
4. 公益社団法人日本神経学会. 脳神経内科について. 日本神経学会, 2024.
5. 厚生労働省. 令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計報道発表. 厚生労働省, 2025.
6. CareNet. 医師数統計公表、増えた診療科・減った診療科. CareNet, 2024.
執筆者情報
リペアルポ編集部(理学療法士監修)
repair-repos.com|大阪の自費リハビリ専門センター
理学療法士の専門知識と最新のエビデンスに基づき、読者の健康に役立つ情報を発信しています。