見逃さないで!脳卒中・ヘルニア・変形性関節症・糖尿病の初期症状を理学療法士が解説【2026年版】
2026.03.16
健康について
💡 この記事について
本記事は脳卒中・ヘルニア・変形性関節症・糖尿病の初期症状に関する健康情報を提供するものです。個別の診断・治療の代わりとなるものではありません。不安がある場合は必ず医療機関を受診してください。
「最近、なんとなく身体がおかしい気がする」

そう感じながらも、忙しさや不安から受診を先延ばしにしていませんか。
実は、多くの深刻な病気は初期にこそサインを出しています。そのサインを見逃さなければ、重症化予防につながる可能性があります。
この記事では、理学療法士の視点から4つの疾患の初期症状を解説します。
対象疾患は脳卒中・椎間板ヘルニア・変形性関節症(OA)・糖尿病(DM)の4つです。
「これって大丈夫?」と感じたときの判断材料にしてください。
目次
- なぜ「初期症状」に気づくことが大切なのか
- 脳卒中の初期症状|突然起こる「体の異変」を見逃さない
- 椎間板ヘルニアの初期症状|「腰の重だるさ」を甘く見ない
- 変形性関節症(OA)の初期症状|「動き始めの痛み」は早めのサイン
- 糖尿病(DM)の初期症状|「無症状」だからこそ怖い
- 理学療法士が見る「動作の変化」という視点
- こんな症状が出たら、迷わず受診を
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
- 免責事項
- 参考文献
なぜ「初期症状」に気づくことが大切なのか

「大したことない」「様子を見よう」——そう思っているうちに、病気が静かに進んでいることがあります。
特に脳卒中や糖尿病は、自覚症状が現れにくいまま進行しやすい疾患です。
ヘルニアや変形性関節症は安静で症状が和らぐため、受診のきっかけを失いやすい傾向があります。
理学療法士の立場から言えば、「動作が変わった」と感じた時点が大切なタイミングだと考えています。
それでは、各疾患の初期症状を見ていきましょう。
脳卒中の初期症状|突然起こる「体の異変」を見逃さない
脳卒中とは
脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血・くも膜下出血)する疾患の総称です。これらにより脳細胞にダメージが生じます。
日本では現在約188万4,000人が脳血管疾患で治療を受けています。
要介護の原因の約2割を占める、深刻な疾患です。
注目すべきは若年層のリスクです。40〜64歳で介護が必要になる原因の51.1%が脳卒中とされています。高齢者だけの問題ではありません。
FASTチェック|この4項目は今すぐ確認を
脳卒中の初期症状は「FAST」という頭文字で覚えることができます。
| 頭文字 | 意味 | 具体的なサイン |
|---|---|---|
| F | Face(顔) | 顔の片側が下がる、口角が歪む |
| A | Arm(腕) | 片腕が上がらない、力が入らない |
| S | Speech(言葉) | ろれつが回らない、言葉が出ない |
| T | Time(時間) | すぐに救急車を呼ぶ |
一過性脳虚血発作(TIA)を見逃さない

脳卒中の前兆として特に重要なのが、TIA(一過性脳虚血発作)です。
脳卒中と同じ症状が一時的に起こり、多くは1時間以内に自然に消えます。「症状が治ったから大丈夫」と判断するのは非常に危険です。
TIA後は48時間以内に脳梗塞を起こすリスクがあります。
TIAが疑われる症状の例:
- 食事中に箸がうまく持てなくなり、数分で元に戻った
- 会話中に突然ろれつが回らなくなり、すぐに改善した
- 片目が一時的にぼやけて見えた
これらの症状が「一時的に消えた」としても、必ず当日中に医療機関を受診してください。
理学療法士が気づく脳卒中のサイン
リハビリの現場では、以下のような「動作の変化」が脳卒中の前兆として現れることがあります。
- 歩行時に片側の足が引きずりやすくなった
- 手で物をつかむ力が左右で明らかに違う
- 書いた字のバランスが急に崩れた
「歳のせいかな」と思いがちですが、急に起きた場合は要注意です。
椎間板ヘルニアの初期症状|「腰の重だるさ」を甘く見ない

椎間板ヘルニアとは
背骨の椎骨と椎骨の間のクッション(椎間板)の中身が外に飛び出す疾患です。神経を圧迫し、痛みやしびれが主な症状として現れます。
腰(腰椎)に最も多く発生し、80%以上は腰に起こるとされています。20代でも発症することがあり、デスクワークや長時間の運転が多い方は注意が必要です。
初期に現れやすい症状
初期段階では自覚症状が軽く、見過ごしやすいのが特徴です。
初期の典型的なサイン:
- 朝起きたときに腰がこわばる感じ
- 長時間同じ姿勢(座位・立位)で腰が重だるくなる
- 前かがみになると腰やお尻に痛みが出る
- くしゃみや咳をすると腰に響く
注意が必要な進行サイン:
- お尻から足にかけての電気が走るような痛み(坐骨神経痛)
- 片側の足だけにしびれが出る
- つま先が上がりにくい、階段で足がもつれる
緊急受診が必要な症状
以下の症状は「馬尾症候群」の可能性があり、早急な受診が必要です。
⚠️ 排尿・排便に異常を感じる(頻尿・排尿困難・失禁など)
放置すると永続的な神経障害につながる可能性があるため、すぐに整形外科を受診してください。
変形性関節症(OA)の初期症状|「動き始めの痛み」は早めのサイン

変形性関節症(OA)とは
関節の軟骨が徐々にすり減り、痛みや変形が生じる疾患です。英語の”Osteoarthritis”から「OA」と略されます。
変形性膝関節症の潜在患者数は約3,000万人と推計されています。60歳以上の女性では60〜80%が発症しているとされ、非常に身近な疾患です。
初期のサイン|「動き始め」に注目
変形性関節症の初期症状は、動き始めのときに起こりやすいという特徴があります。
| 症状 | 具体的な場面 |
|---|---|
| 動き始めの痛み | 椅子から立ち上がる瞬間、歩き始めの一歩目 |
| 朝のこわばり | 起床後30分以内に関節が硬い感じがする |
| 階段での痛み | 降りるときに特に痛みが強い |
| 長時間歩くと痛む | 休むと和らぐが、歩き続けると再び痛む |
「休めば治る」という感覚から放置されやすいです。進行すると安静時にも痛みが出て、歩行困難になる可能性があります<。
関節から音がするのは要注意?
軟骨の表面に凹凸ができてくると、関節を動かしたとき「ギシギシ」「パキパキ」という音が出ることがあります。これは進行のサインである可能性があります。
また、膝に水がたまる(関節水腫)のも変形性関節症が進んでいるサインの一つです。
糖尿病(DM)の初期症状|「無症状」だからこそ怖い

糖尿病とは
血糖値が慢性的に高い状態が続く代謝疾患です。放置すると全身の血管・神経にダメージを与えます。深刻な合併症につながることもあります。
国内の糖尿病有病者・予備群は約2,000万人と推計されています。成人の約5人に1人が該当するとされています。
糖尿病の初期症状が気づかれにくい理由
糖尿病の最大の特徴は、初期には目立った自覚症状が出にくいことです。
血糖値がかなり高くなって初めて症状が現れることが多いです。気づいたときにはすでに合併症が始まっているケースもあります。
見逃しやすい初期のサイン
高血糖状態が続くと以下のような症状が現れてきます。
初期〜中期に現れるサイン(3多1少):
- 多飲:やたらと喉が渇いて水分を大量に摂る
- 多尿:トイレの回数が増える、夜中に何度も起きる
- 多食:食べても空腹感が続く
- 体重減少:食欲があるのに体重が落ちる
見逃しやすいサイン:
- 十分に休んでも疲労感・倦怠感が取れない
- 傷の治りが遅い、皮膚のかゆみが続く
- 足のしびれ・感覚の鈍さ(末梢神経障害)
- 視力がかすむ(網膜症の初期)
理学療法士が気づく糖尿病のサイン
リハビリの中では、以下のような変化が糖尿病の合併症を疑わせることがあります。
- 足の感覚が左右で違う(末梢神経障害)
- バランスが悪くなった(感覚低下による転倒リスク上昇)
- 体重が短期間で著しく変動した
健康診断で「糖尿病の疑い」「血糖値が高め」と言われた方は注意が必要です。自覚症状がなくても定期的な受診をおすすめします。
理学療法士が見る「動作の変化」という視点
理学療法士は「身体の動き」の専門家です。診察室では気づきにくい、日常動作の小さな変化を見つけることが得意です。
4つの疾患に共通して言えるのは、「動作の異変は身体からのメッセージ」だということです。
| 日常動作の変化 | 考えられる疾患 |
|---|---|
| 箸がうまく使えない・字が書きにくい | 脳卒中(TIA含む) |
| 靴下を履くのが辛くなった | 椎間板ヘルニア、股関節OA |
| 立ち上がりに時間がかかる | 変形性関節症 |
| 最近つまずくことが増えた | 脳卒中、ヘルニア、糖尿病性末梢神経障害 |
| 歩幅が小さくなった | 脳卒中、パーキンソン病 |
「なんとなく動きが変わった」と感じたら、それは身体が発しているサインかもしれません。
こんな症状が出たら、迷わず受診を
以下の症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
⚠️ すぐに救急を呼ぶ(119番):
- 突然のひどい頭痛
- 顔・腕・足の麻痺や感覚異常(突然発症)
- ろれつが回らない、言葉が出ない
⚠️ 速やかに受診(当日〜翌日):
- 「一時的な麻痺やしびれ」が消えた場合(TIAの疑い)
- 排尿・排便の異常とともに腰・足の痛みがある
- 膝・股関節が腫れて熱を持っている
⚠️ 早めに受診(1週間以内):
- 腰・足のしびれが数日以上続く
- 膝・股関節の動き始めの痛みが続いている
- 喉の渇きや頻尿が2週間以上続いている
リペアルポでは脳卒中・整形疾患・糖尿病合併症に対応した自費リハビリをご提供しています。医療機関への受診とあわせてご検討ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 脳卒中の症状が一時的に消えました。受診は必要ですか?
A. 必要です。一時的な症状消失はTIA(一過性脳虚血発作)の可能性が高いです。TIA後は48時間以内に脳梗塞を起こすリスクがあります。
症状が消えていても、当日中に神経内科や救急外来を受診してください。
Q2. 腰の痛みはストレッチで改善できますか?
A. 軽度の筋肉疲労による腰痛であれば、適切なストレッチが役立つことがあります。
ただし、足のしびれや麻痺を伴う場合は要注意です。ヘルニアや脊柱管狭窄症の可能性があります。自己判断でのストレッチは悪化につながることがあります。まず整形外科を受診し、専門家の指導のもとで行ってください。
Q3. 膝の「ギシギシ音」は病気のサインですか?
A. 必ずしもすべてが病気とは言えません。しかし痛みや腫れを伴う場合は要注意です。変形性膝関節症が進行している可能性があります。音だけでも長期間続く場合は整形外科を受診してください。
Q4. 糖尿病は症状がなくてもわかりますか?
A. 血液検査(空腹時血糖値・HbA1c)で診断できます。初期は自覚症状がないことが多いです。年1回の血糖値チェックが早期発見につながります。
Q5. 変形性関節症は運動しないほうがいいですか?
A. 逆です。関節を動かさずにいると筋力が低下し、関節への負担がかえって増してしまいます。
痛みの程度に応じた適切な運動が、症状の改善や予防に効果があるとされています。適切な運動の種類は専門家に相談してください。
Q6. 4つの病気に共通する予防法はありますか?
A. 適度な運動・食事管理・禁煙・肥満解消は、脳卒中・変形性関節症・糖尿病の予防に有効とされています。椎間板ヘルニアも、姿勢改善と体幹筋力の維持が予防につながります。日常生活の小さな見直しから始めてみてください。
Q7. リペアルポでは初期症状の相談はできますか?
A. はい、ご相談いただけます。診断後のリハビリはもちろん、「最近動きが変わった気がする」といったご相談にも対応しています。
詳しくは関節の痛みのリハビリまたは脳卒中のリハビリをご覧ください。
まとめ
この記事では、4疾患の初期症状について解説しました。脳卒中・椎間板ヘルニア・変形性関節症(OA)・糖尿病(DM)です。
要点をまとめると:
- 脳卒中:FAST(顔・腕・言葉・時間)を覚え、一時的な症状でも必ず受診する
- 椎間板ヘルニア:朝のこわばりや前かがみ時の痛みを見逃さない
- 変形性関節症:動き始めの痛みや朝のこわばりが初期のサイン
- 糖尿病:初期は無症状が多い。年1回の血糖値チェックが鍵
共通しているのは、「なんとなく変」という感覚を大切にすることです。
日常の動作や身体の感覚は、病気が送る最初のメッセージです。早期に気づき、適切な対処をすることが長く健康でいる第一歩になります。
気になる症状がある場合は、自己判断せず、まずは医療機関に相談してください。
免責事項
記事の目的と性質
本記事は脳卒中・ヘルニア・変形性関節症・糖尿病の初期症状に関する健康情報を提供するものです。理学療法士の視点から科学的根拠に基づき解説していますが、以下の点にご注意ください。
本記事の限界
- 個別診断の代替不可:本記事は個人の症状・状態に対する診断や治療を提供するものではありません
- 医療行為ではない:記事内容は一般的な情報提供であり、医療行為や医学的助言ではありません
- 自己判断のリスク:本記事の情報のみに基づく自己判断・自己治療は、症状悪化につながる可能性があります
医療機関受診の推奨
以下の場合は、必ず医療機関を受診してください。
- 痛みや不調が続いている場合
- 症状が急に現れた、または悪化している場合
- 日常生活に支障が出ている場合
- 持病や既往歴がある場合
- 高齢者や妊娠中の方
医師・理学療法士などの専門家による診断と治療を受けることが最も重要です。
情報の正確性について
本記事は2026年3月時点の情報に基づいて作成されています。信頼できる公的ガイドラインを参照していますが、医療情報は常に更新されており、内容が変更される可能性があります。
運営者の責任範囲
当施設は本記事の情報をできる限り正確かつ有用なものとするよう努めています。しかし情報の完全性・正確性・適時性を保証するものではありません。
本記事の情報を利用して生じた損害について、当施設は一切の責任を負いかねます。
参考文献
- 厚生労働省. 令和5年(2023)患者調査の概況. 2025.
- 厚生労働省. 令和4年度介護保険事業状況報告(年報). 2023.
- 日本脳卒中学会. 脳卒中診療ガイドライン2021(改訂2025). J-STAGE, 2026.
- 東京逓信病院. 一過性脳虚血発作(TIA)について.
- 日本整形外科学会. 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021改訂第3版. 南江堂, 2021.
- MSDマニュアル家庭版. 一過性脳虚血発作(TIA). 2026.
- 日本整形外科学会. 変形性膝関節症.
- MSDマニュアル家庭版. 変形性関節症. 2026.
- 東京都健康長寿医療センター. 変形性膝関節症.
- 厚生労働省 e-ヘルスネット. 糖尿病.
- 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター. 糖尿病の症状.
執筆者情報
本記事は理学療法士の専門的視点から作成しました。脳神経疾患・整形疾患・生活習慣病に関するリハビリの知見をもとに情報提供を心がけています。
リペアルポは大阪市福島区の自費リハビリ専門施設です。各疾患のリハビリについてはお気軽にご相談ください。