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スポーツ別のエネルギー消費量と使用する筋肉の違い|理学療法士が解説

2026.03.06

健康について

スポーツ別のエネルギー消費量と使用する筋肉の違い|理学療法士が解説

「運動を始めたいけど、何を選べばいいの?」 「ジョギングと水泳、どっちがカロリー消費できる?」

こんな疑問、ありますよね。

実は、スポーツによってエネルギー消費量も使われる筋肉も全然違うんです。

本記事では、スポーツ別のエネルギー消費量と使用する筋肉の違いを、理学療法士がわかりやすく解説します。2026年1月現在の最新ガイドラインに基づいた情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

スポーツのエネルギー消費量を知る指標「メッツ」とは

メッツの基本

運動のエネルギー消費量を比較するとき、「メッツ(METs)」という単位が使われます。

メッツとは、安静時(静かに座っている状態)を1としたときに、その活動で何倍のエネルギーを消費するかを示す指標です。

例えば、3メッツの活動なら、安静時の3倍のエネルギーを消費していることになります。

消費カロリーの計算方法

メッツを使えば、実際の消費カロリーも簡単に計算できます。

計算式:消費カロリー(kcal)= メッツ × 体重(kg)× 時間(時間)

例えば、体重60kgの人が6メッツの運動を1時間行った場合:

6(メッツ)× 60(kg)× 1(時間)= 360kcal

このように、自分の体重と運動時間から消費カロリーが推定できます。

2024年版メッツ表の更新ポイント

2024年に公開された最新版のメッツ表では、300個近くの活動が新たに追加され、100個以上の活動でメッツ値が更新されています。

より正確に、より多様な活動のエネルギー消費量を知ることができるようになりました。

社会人が始めやすいスポーツ別エネルギー消費量

デスクワーク中心の社会人でも始めやすいスポーツを中心に、エネルギー消費量を見てみましょう。

主なスポーツのメッツ値一覧

スポーツメッツ値体重60kgで1時間の消費カロリー
ウォーキング(普通)3.0約180kcal
ジョギング(ゆっくり)6.0約360kcal
ランニング(時速8km)8.0約480kcal
水泳(ゆっくり)6.0約360kcal
水泳(クロール・普通)8.0約480kcal
サイクリング(平地)4.0約240kcal
テニス(シングルス)8.0約480kcal
バドミントン5.5約330kcal
サッカー・フットサル7.0約420kcal
バスケットボール6.0約360kcal
卓球4.0約240kcal

※2024年版メッツ表に基づく

週末から始めやすい運動

初心者におすすめ:ウォーキング・軽いジョギング

運動習慣がない方は、まずウォーキングから始めるのがおすすめです。

週末に30分〜1時間歩くだけでも、約90〜180kcalを消費できます。

慣れてきたら、軽いジョギングに移行すると、同じ時間でも2倍のカロリーを消費できるようになります。

仕事帰りに気軽に:プール・ジム

週に1〜2回、仕事帰りにプールやジムに立ち寄る習慣も効果的です。

水泳は全身運動で、関節への負担も少ないため、年齢を問わず続けやすいスポーツです。

週末のリフレッシュに:テニス・フットサル

仲間と楽しみながら運動したい方には、テニスやフットサルがおすすめです。

メッツ値が高く、1時間で400kcal以上を消費できます。

スポーツで使われる筋肉の違い

同じ運動でも、使われる筋肉は大きく異なります。

理学療法士の視点から、代表的なスポーツで使われる主な筋肉を解説します。

速筋と遅筋の違い

筋肉には大きく分けて「速筋」と「遅筋」の2種類があります。

速筋(白筋)

  • 瞬発力に優れる
  • 短時間で大きな力を発揮
  • 疲れやすい
  • 短距離走、ジャンプ、パワー系スポーツで活躍

遅筋(赤筋)

  • 持久力に優れる
  • 長時間の運動が可能
  • 疲れにくい
  • マラソン、水泳、サイクリングなどで活躍

スポーツによって、どちらの筋肉を主に使うかが異なります。

スポーツ別の主な使用筋肉

ランニング・ジョギング

主に使う筋肉:

  • 下半身:大腿四頭筋(太もも前)、ハムストリングス(太もも裏)、ふくらはぎ
  • 体幹:腹筋群、背筋群

遅筋を中心に鍛えられ、持久力が向上します。

全身の有酸素能力を高めたい方に適しています。

水泳

主に使う筋肉:

  • 上半身:三角筋(肩)、広背筋(背中)、大胸筋(胸)
  • 下半身:大腿四頭筋、ハムストリングス
  • 体幹:腹筋群、背筋群

全身をバランスよく使う運動です。

関節への負担が少なく、怪我のリスクも低いため、長く続けやすいスポーツです。

テニス

主に使う筋肉:

  • 下半身:大腿四頭筋、ハムストリングス、ふくらはぎ(瞬発的な移動)
  • 上半身:三角筋、上腕三頭筋、前腕筋(ラケット操作)
  • 体幹:腹斜筋(回旋動作)

速筋と遅筋の両方を使う全身運動です。

瞬発力と持久力の両方が求められます。

サッカー・フットサル

主に使う筋肉:

  • 下半身:大腿四頭筋、ハムストリングス、内転筋群
  • 体幹:腹筋群、背筋群(バランス維持)

長時間走り続ける持久力と、ダッシュやキックの瞬発力が必要です。

速筋と遅筋をバランスよく鍛えられます。

サイクリング

主に使う筋肉:

  • 下半身:大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋
  • 体幹:腹筋群、背筋群(姿勢維持)

遅筋を中心に使う持久系の運動です。

膝への負担が少なく、体重が重い方でも始めやすいスポーツです。

社会人の運動習慣づくりのポイント

「座りっぱなし」のリスク

2024年に公表された「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、初めて「座位行動(座りっぱなし)」に関する指針が導入されました。

座っている時間が長いほど、死亡や疾病発症のリスクが高いことが報告されています。

デスクワーク中心の方は、1時間に数分程度は立ち上がって体を動かすことが大切です。

無理なく続けるコツ

週60分の中強度活動を目標に

厚生労働省のガイドラインでは、成人は「歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上」が推奨されています。

毎日が難しい場合は、週末にまとめて運動するだけでも効果があります。

「少しきつい」が続けやすい

運動強度は「ややきつい」と感じる程度が理想的です。

会話ができるくらいの強度なら、無理なく続けられます。

複数のスポーツを組み合わせる

週末はジョギング、平日は通勤時に階段を使う、など複数の活動を組み合わせると、飽きずに続けやすくなります。

運動を始める前の注意点

持病のある方は医師に相談

持病がある方、運動制限がある方は、必ず医師に相談してから始めましょう。

特に、高血圧、糖尿病、心臓疾患のある方は注意が必要です。

急激な運動強度の上昇は避ける

運動習慣がない方が急に激しい運動を始めると、怪我のリスクが高まります。

まずは軽い運動から始めて、徐々に強度を上げていきましょう。

ウォーミングアップとクールダウン

運動前のウォーミングアップと、運動後のクールダウンは怪我予防に重要です。

5〜10分程度の軽いストレッチや体操を取り入れましょう。

よくあるご質問

Q1. 消費カロリーが多いスポーツは何ですか?

A. 体重60kgの方が1時間運動した場合、ランニング(約480kcal)、水泳のクロール(約480kcal)、テニス(約480kcal)などが高いカロリーを消費します。

ただし、続けやすさも大切なので、自分に合ったスポーツを選びましょう。

Q2. 週に何回運動すればいいですか?

A. 理想は週2〜3回ですが、週1回でも継続することで効果は現れます。

最初は無理のない頻度から始めて、徐々に増やしていくのがおすすめです。

Q3. ダイエット目的ならどのスポーツがいいですか?

A. 有酸素運動(ジョギング、水泳、サイクリング)が脂肪燃焼に効果的です。

週3回、1回30分以上を目安に続けると、体重減少の効果が期待できます。

Q4. 筋肉をつけたい場合は?

A. 筋肥大を目指すなら、週2〜3回の筋力トレーニングが必要です。

テニスやサッカーなどのスポーツに加えて、筋トレを取り入れると効果的です。

Q5. 初心者におすすめのスポーツは?

A. ウォーキング、軽いジョギング、水泳がおすすめです。

関節への負担が少なく、自分のペースで始められます。

まとめ

スポーツによるエネルギー消費量と使用筋肉の違いについてご紹介しました。

この記事のポイント

✓ メッツ値で運動の消費カロリーを比較できる ✓ 計算式:メッツ × 体重 × 時間 = 消費カロリー ✓ ランニング、水泳、テニスは高カロリー消費(約480kcal/時間) ✓ 速筋(瞬発力)と遅筋(持久力)でスポーツの特性が異なる ✓ 座りっぱなしは健康リスク、1時間に数分の活動が大切 ✓ 週60分の中強度活動が推奨される ✓ 無理なく続けることが最も重要

今日からできること

まずは、日常生活の中で少し体を動かすことから始めてみませんか。

エレベーターの代わりに階段を使う、一駅分歩いてみる、週末に30分散歩する。

小さなことから始めて、無理なく続けることが大切です。

専門家に相談するタイミング

もし運動中に痛みを感じたり、不安なことがあれば、理学療法士などの専門家に相談してみましょう。

一人ひとりの状態に合わせた適切なアドバイスを受けることができます。


📚 参考文献

  1. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023. 2024年1月.
  2. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書. 2024年10月.
  3. 国立健康・栄養研究所. 改訂第2版 身体活動のメッツ(METs)表 成人版. 2024年.
  4. 公益財団法人 長寿科学振興財団. 健康長寿ネット 運動強度とエネルギー消費量.
  5. スポーツ庁. Sport in Lifeプロジェクト Web広報マガジン「運動強度(METs)」解説記事.
  6. 笹川スポーツ財団. 活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査. 2024年.

執筆者情報

理学療法士

本記事は、2026年1月時点の最新の文献・ガイドラインに基づいて作成しています。


免責事項

本記事の情報は一般的な内容です。 個人の状態により適切な方法は異なります。

持病のある方、運動制限のある方は、医師にご相談ください。

症状が改善しない場合や悪化する場合は、速やかに医療機関を受診してください。

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