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病み上がりの体力回復|理学療法士が教える寝込んだ後の戻し方

2026.09.17

健康について

病み上がりの体力回復|理学療法士が教える寝込んだ後の戻し方

病み上がりに体がだるく、思うように動けないと感じたことはありませんか。

実は、数日の安静でも筋力は驚くほど落ちます1。理学療法士として、回復を支える現場を見てきました。焦って無理をする方の多さを、いつも感じています。この記事では、インフルエンザなどで寝込んだ後に、体力を安全に戻すコツをお伝えします。

💡 この記事について:本記事は一般的な健康情報です。病気の治療そのものは、必ず医療機関にご相談ください。

目次

  • 寝込んだ後に体がだるいのはなぜ?
  • 数日の安静で体はどれだけ落ちる?
  • 高齢の方はとくに注意したい理由
  • 焦らず体力を戻す3つのステップ
  • 病み上がりに避けたい過ごし方
  • 流行する病に備えるふだんの体づくり
  • 家族ができるサポート
  • よくある質問(FAQ)
  • まとめ

寝込んだ後に体がだるいのはなぜ?

熱が下がっても、しばらく体が重い経験は多くの方にあります。これは、気のせいではありません。寝込んでいる間に、体力そのものが落ちているのです。

インフルエンザは、高熱や関節痛、強い倦怠感を伴います3。数日間、横になって過ごす方も少なくありません。この安静の時間が、体力低下の大きな原因になります。

食欲が落ちて、栄養が足りないことも影響します。体を動かさず、食べる量も減ると回復が遅れます。だるさには、こうした複数の要因が重なっています。

水分不足も、だるさを強める一因になります。発熱で汗をかくと、体の水分は失われます。回復期は、水分をこまめにとることも大切です。

「病気は治ったのに、なぜか元気が出ない」と感じる方は多いものです。その正体の一つが、体力の低下です。まずは、体で何が起きているかを知りましょう。

体を横にしている間、筋肉はほとんど使われません。使わない筋肉は、少しずつやせていきます。だるさは、その変化からの回復途中のサインでもあります。

数日の安静で体はどれだけ落ちる?

1週間の安静で筋力は1〜2割落ちる

安静を続けると、筋力は思った以上に早く落ちます。ある報告では、1週間の安静で1〜2割ほど低下するとされています1。わずか数日でも、体は確実に変化しているのです。

落ちた筋力は、寝込んだ日数だけでは戻りません。取り戻すには、それ以上の時間がかかることもあります。だからこそ、回復期の過ごし方が大切になります。

「たった数日」と思っても、体は正直に反応します。若い方でも、寝込めば体力は落ちます。年齢を問わず、意識しておきたいポイントです。

落ちるのは早く、戻すのはゆっくりというのが体の特徴です。だから、落とさない工夫も大切になります。寝込む期間を、必要以上に延ばさないことが第一です。

体を支える筋肉から先に弱る

安静で弱りやすいのは、体を支える筋肉です。太ももやお尻、ふくらはぎが代表的です。これらは、立つ・歩く動作を支える大切な筋肉です。

これらの筋肉が弱ると、立ち上がりがつらくなります。ふらつきが増え、転びやすくもなります。病み上がりの動きにくさは、ここが関係しています。

転倒は、病み上がりに気をつけたい出来事です。骨折などにつながると、回復はさらに遠のきます。動き始めは、足元に十分注意しましょう。

重力に逆らって働く筋肉ほど、影響を受けやすいのです。だから、まず脚から弱っていきます。回復では、この脚の筋肉が鍵になります。

動かないと悪循環に入りやすい

だるいからと動かないと、さらに体力が落ちます。動けないからまた休む、という悪循環に陥ります1。この流れを、早めに断ち切ることが大切です。

とはいえ、熱がある間の無理は禁物です。まずは体調の回復を最優先にしてください。動き出す目安は、次の章でお伝えします。

悪循環は、気づかないうちに進むのが怖いところです。一日一日の差は、小さく見えます。しかし積み重なると、大きな差になっていきます。

大切なのは、体調の回復と離床のバランスです。無理は禁物ですが、動かなさすぎも問題です。この見きわめが、回復の分かれ道になります。

高齢の方はとくに注意したい理由

高齢の方は、安静の影響をより強く受けます。2週間の安静で、脚の筋肉が2割ほど縮むとの報告もあります1。若い頃より、回復にも時間がかかりやすくなります。

筋肉が減った状態は、サルコペニアとも関わります。予防と改善には、運動と栄養の両方が役立つとされています2。寝込んだ後の一歩が、その後の生活を左右します6

インフルエンザは、高齢の方で重症化しやすい点にも注意が必要です3。体調を大きくくずすと、回復にも時間がかかります。だからこそ、日ごろの備えが生きてきます。

一度寝たきりに近づくと、元に戻すのは大変です。だからこそ、早めの離床が大切になります。少しの動きが、大きな差につながります。

高齢の方は、食欲の低下も起こりやすくなります。栄養が不足すると、筋肉はさらに戻りにくくなります。少量でも食べる工夫が、回復を支えます。

焦らず体力を戻す3つのステップ

ステップ1:まず起きて座る時間をつくる

体調が落ち着いてきたら、まず起きて座りましょう。ベッドで過ごす時間を、少しずつ減らしていきます。座るだけでも、体を起こす力を使います。

横になったままの生活は、体力の回復を遠ざけます。起きて座る姿勢は、体を目覚めさせる第一歩です。まずはこの一歩から、始めてみましょう。

食事のときは、できるだけ椅子に座ってとりましょう。テレビを見る時間も、座って過ごすと違います。小さな離床の積み重ねが、回復の土台になります。

起き上がるのがつらいときは、ゆっくりで構いません。横向きになってから、手をついて起きましょう。反動を使わず、体を守りながら動きます。

座る時間は、はじめは短くても構いません。少しずつ、座っていられる時間を延ばします。無理のない範囲で、体を起こす習慣をつくりましょう。

ステップ2:家の中を少しずつ歩く

座れるようになったら、家の中を歩いてみます。トイレや台所まで、無理のない範囲で動きましょう。短い距離を、こまめに繰り返すのがコツです。

ふらつきがある間は、壁や手すりを使ってください。立ち座りがつらい方は、床からの立ち上がりの記事も参考になります。物足りないくらいから始めると、安心して続けられます。

歩く前に、その場で足踏みをするのも良い準備です。座ったまま、足首を動かすだけでも違います。できることから、少しずつ始めましょう。

歩く時間は、少しずつ延ばしていきましょう。今日は昨日より一往復多く、で十分です。焦らず積み重ねることが、確実な回復につながります。

疲れを感じたら、無理をせず休みましょう。息が上がるほどの運動は、この段階では必要ありません。体調と相談しながら、量を調整することが大切です。

ステップ3:栄養も一緒に整える

体力を戻すには、運動と栄養の両輪が欠かせません2。筋肉の材料となるたんぱく質を、食事で欠かさないようにします。水分補給も、あわせて意識しましょう。

食欲が戻らないときは、無理に量を増やさなくて大丈夫です。少量でも、回数を分けてとると負担が減ります。持病がある方は、主治医に相談しながら進めてください。

肉や魚、卵、豆腐などは、たんぱく質を含む身近な食品です。主食だけに偏らず、おかずも一緒にとりましょう。バランスのよい食事が、回復を後押しします。

運動と栄養は、片方だけでは効果が高まりにくいものです。動いて、食べて、休むという流れが大切です。この三つを、無理なく回していきましょう。

病み上がりに避けたい過ごし方

回復期には、やりがちな落とし穴があります。知っておくと、遠回りを防げます。良かれと思った行動が、逆効果のこともあるのです。

まず、元気になったからと急に頑張りすぎないことです。いきなり長時間の外出や運動は、体に負担です。回復は、階段を上るように少しずつ進めます。

反対に、動けるのに横になり続けるのもよくありません。必要以上の安静は、体力低下を長引かせます1。体調に合わせて、少しずつ動くことが大切です。

食事を抜いたままにするのも、避けたい過ごし方です。栄養が足りないと、筋肉は戻りにくくなります。少しずつでも、口にする習慣を保ちましょう。

体力を過信して、いきなり重い物を持つのも危険です。弱った筋肉には、思わぬ負担になります。回復の途中は、力仕事を控えめにしましょう。

流行する病に備えるふだんの体づくり

寝込んでからの回復は、元の体力に大きく左右されます。ふだんから動く習慣があると、落ち込みも小さくすみます。国のガイドでは、成人で1日約8000歩が目安とされています4

あわせて、筋力トレーニングも週2〜3回すすめられています5。立ち座りやかかと上げなど、手軽な運動で十分です。体調をくずしたときの体の働きは、風邪と体の記事もご覧ください。

人は一生のうちに何度も病気や怪我をするものです4。備えておくことが、そのたびの回復を助けます。ふだんの一歩が、いざというときの力になります。

睡眠や休養を十分にとることも、大切な備えです。疲れをためない生活が、体調をくずしにくくします。日々の積み重ねが、流行の季節を支えます。

手洗いやうがいなど、基本の感染対策も忘れないでください。寝込む機会を減らすことが、体力を守ります。予防と体づくりは、両輪で考えたいですね。

家族ができるサポート

高齢の家族が寝込んだときは、周りの支えが大切です。回復期は、見守りと後押しの両方が役立ちます。無理のない範囲で、そっと支えましょう。

まず、起きて座る時間を一緒につくってあげましょう。食事は、椅子に座ってとるよう促します。声をかけるだけでも、離床のきっかけになります。

あせらせず、本人のペースを尊重することも大切です。「頑張って」より「少しずつでいい」と伝えましょう。安心できる声かけが、前向きな回復を支えます。

歩くときは、ふらつきに備えてそばで見守ります。手すりのある動線を、整えておくと安心です。転倒を防ぐ環境づくりも、大切なサポートです。

食事は、食べやすい形にする工夫が役立ちます。少量ずつ、回数を分けて出すのも良い方法です。心配なときは、専門家に相談しながら進めましょう。

回復の様子は、家族がいちばん気づきやすいものです。「昨日より動けているか」を、そっと見守りましょう。変化に気づくことが、適切な支えにつながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 病み上がりに運動を始める目安は?

A. 熱が下がり、体調が落ち着いてからが目安です。まず起きて座る、家の中を歩く、と段階を踏みます。だるさが強い間は無理をせず、少しずつ量を増やすと安心とされています。

Q. 寝込んだ後のだるさはどのくらいで戻りますか?

A. 落ちた体力は、寝込んだ日数だけでは戻らないことが多いとされています。回復には、それ以上の時間がかかる場合もあります。長引くだるさや強い症状が続く場合は、受診をおすすめします。

Q. 高齢の親が寝込んだ後に気をつけることは?

A. 高齢の方は安静の影響を強く受けやすいとされています。起きて座る時間を増やし、ふらつきに配慮して見守りましょう。運動と栄養の両方を整えることが、回復の助けになります。

Q. 病み上がりの筋力低下を防ぐ食事は?

A. 筋肉の材料となるたんぱく質を、食事で欠かさないことが大切とされています。食欲が戻らないときは、少量を回数に分けてとると負担が減ります。持病がある方は主治医に相談してください。

Q. どのくらい休んだら動き始めていい?

A. 決まった日数はなく、体調の回復に合わせるのが基本です。座る、歩くと段階を踏みながら様子を見ます。必要以上の安静は体力低下を長引かせるため、動ける範囲で少しずつ動きましょう。

まとめ

数日の安静でも、筋力は思った以上に落ちてしまいます。だるいからと動かないと、悪循環に入りやすくなります。体調が戻ったら、座る・歩くと段階を踏むことが大切です。

回復のカギは、派手な運動ではなく生活動作の積み重ねです。起きる、座る、歩くといった動きは、練習で取り戻せます。専門家と一対一で、自分の体力に合わせて戻し方を確かめると安心です。無理のないペースで、少しずつ元気を取り戻していきたいですね。

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免責事項

本記事は、病後の体力回復に関する一般的な健康情報を提供することを目的としています。理学療法士の専門的視点から、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説していますが、以下の点にご注意ください。

本記事の情報は、あなた個人の症状や状態に対する診断・治療を提供するものではありません。感染症そのものの治療は医療機関にご相談ください。本記事の情報のみに基づく自己判断は、症状の悪化につながる可能性があります。

体調が回復しない場合、症状が悪化している場合、日常生活に支障が出ている場合、持病や既往歴がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

本記事は2026年8月時点の情報に基づいて作成されており、公的ガイドライン等を参照しています。医療情報は更新されるため、将来的に内容が変わる可能性があります。情報の完全性・正確性・有用性について保証するものではなく、利用により生じた損害について当施設は責任を負いかねます。

参考文献

1. 長寿科学振興財団. 廃用症候群. 健康長寿ネット.

2. 日本サルコペニア・フレイル学会. サルコペニア診療ガイドライン2017年版一部改訂. Minds, 2020.

3. 厚生労働省. インフルエンザ(総合ページ). 厚生労働省.

4. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023. e-ヘルスネット, 2024.

5. 厚生労働省. 身体活動・運動ガイド2023 成人版推奨シート. 厚生労働省, 2024.

6. 荒井秀典. サルコペニア診療ガイドライン2017を踏まえた高齢者診療. 日本老年医学会雑誌, 2019.

執筆者情報

本記事は、理学療法士をはじめとする国家資格者が監修するリペアルポ編集部が作成しました。姿勢と動作の視点から、暮らしに役立つ健康情報をお届けしています。

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