朝の一歩目、かかとが痛い人へ|足底腱膜炎の原因と治し方を理学療法士が解説
2026.06.10
健康について
朝起きて最初の一歩、かかとにズキッと痛みが走る。立ち仕事のあとに足裏がうずく。
そんな症状でお悩みなら、足底腱膜炎かもしれません。足底腱膜炎は、運動をする人だけでなく、立ち仕事の方や中高年にも多くみられます。理学療法士として、足や歩き方を多くの方で診てきました。正しいセルフケアで前向きになれる方も多いと感じます。この記事では、足底腱膜炎の原因と、自宅でできる対策をわかりやすくお伝えします。
💡 この記事について:本記事は足底腱膜炎に関する一般的な健康情報です。個別の診断や治療に代わるものではありません。痛みが続く場合は整形外科などにご相談ください。
足底腱膜炎とは?足裏の痛みの正体

足の裏には、腱が膜のように広がっています。これを足底腱膜と呼びます。
足底腱膜は、かかとの骨から足の指の付け根まで伸びています。土踏まずのアーチを下から支える、大切な組織です。
足底腱膜炎は、この腱膜に繰り返し負担がかかって起こります。かかとの付着部に小さな傷や変性が生じ、痛みが出る状態です。
足底腱膜の3つの役割
足底腱膜には、歩行を支える重要な働きがあります。主に次の3つです。
- 土踏まずのアーチを支え、足を安定させる
- 着地の衝撃をやわらげるクッションになる
- 蹴り出すときのバネとして推進力を生む
歩くたびに、足底腱膜は伸び縮みをくり返します。それだけ負担も受けやすい組織なのです。
こんな症状は足底腱膜炎かも|チェックポイント
足底腱膜炎には、特徴的な症状があります。次の項目に心当たりがないか確認してみましょう。
- 朝起きて、最初の一歩でかかとが痛い
- 椅子から立ち上がった瞬間に足裏が痛む
- 歩いているうちに痛みが少し和らぐ
- 長時間歩いたり立ったりすると再び痛む
- かかとの内側を押すと強い圧痛がある
朝の一歩目に痛むのが、典型的なサインです。休んだあとに動き出すと痛むのが特徴といえます。
痛む場所は、かかとの前内側が最も多いとされます。土踏まずや指の付け根に出ることもあります。
足底腱膜炎の主な原因
足のアーチの崩れ・扁平足
足のアーチが低い扁平足の方は、注意が必要です。アーチが下がると、かかとの付着部に負担が集中します。
逆に、アーチが高すぎる足も負担がかかりやすいです。クッション機能がうまく働かないためです。
ふくらはぎとアキレス腱の硬さ
足底腱膜は、アキレス腱と連動して働きます。ふくらはぎやアキレス腱が硬いと、足底腱膜が引っぱられやすくなります。
足首が硬いと、歩くときの衝撃も逃がしにくくなります。結果として、かかとへの負担が増えるのです。
靴・立ち仕事・体重の影響
合わない靴やクッション性の低い靴も原因になります。長時間の立ち仕事や歩行も、負担を積み重ねます。
体重の増加も、足裏への負担を大きくします。複数の要因が重なって発症することが多いのです。
足底腱膜炎になりやすい人

足底腱膜炎は、幅広い世代でみられます。なりやすい人には、いくつかの傾向があります。
- ランニングやジャンプの多いスポーツをする人
- 立ち仕事や長距離の歩行が多い人
- 扁平足やアーチの高い足の人
- ふくらはぎや足首が硬い人
- 中高年で運動習慣が少ない人
以前はスポーツをする人の症状という印象でした。現在は、あまり運動しない中高年でも増えています。
病院での診断と治療
整形外科では、まず痛む部位を押して確認します。かかとの付着部に圧痛があれば、足底腱膜炎が疑われます。
必要に応じてレントゲンや超音波検査を行います。かかとの骨に骨棘(こつきょく)がみられることもあります。
治療は、保存療法が基本とされています。ストレッチやインソール、生活の見直しが中心です。
難治性の場合は、体外衝撃波治療などが選ばれることもあります。治療法は症状によって異なるため、医師と相談しましょう。
足底腱膜炎のセルフケア|理学療法士のおすすめ

ふくらはぎと足裏のストレッチ
まずはふくらはぎを伸ばすストレッチが基本です。壁に手をつき、後ろ足のかかとを床につけて伸ばします。
20〜30秒を、痛みのない範囲で行いましょう。朝起きてすぐや、立ち仕事の前がおすすめです。
足底腱膜のケアには、足指を反らせる方法があります。手で足の指を上に反らし、土踏まずを軽くほぐします。
ただし、痛むかかとそのものは強く揉まないようにします。あくまで気持ちよい範囲で行うことが大切です。
足の内在筋を鍛えるタオルギャザー
足のアーチを支える筋肉を鍛えることも有効です。床にタオルを置き、足の指で手繰り寄せます。
これをタオルギャザーといいます。アーチを支える組織の維持に役立つとされています。
靴とインソールを見直す
クッション性のある、足に合った靴を選びましょう。かかとを支えるインソールも負担軽減に役立ちます。
サイズの合わない靴や、底の薄い靴は避けたいところです。日常の足元を整えることが、再発予防にもつながります。
受診を考えたほうがよい場合
セルフケアで和らぐこともありますが、無理は禁物です。次のような場合は整形外科への相談をおすすめします。
- 数週間ケアしても痛みが改善しない
- 歩けないほど強い痛みがある
- 足裏にしびれや感覚の異常を伴う
- かかとが腫れている、熱を持っている
しびれを伴う場合は、別の原因も考えられます。自己判断せず、専門家に相談すると安心です。
よくある質問(FAQ)
足底腱膜炎は自然によくなりますか?
軽症なら、負担を減らすことで和らぐこともあります。ただし放置すると慢性化することもあります。ストレッチや靴の見直しを早めに始めるとよいでしょう。
足底腱膜炎のときに歩いてもよいですか?
強い痛みがあるときは、無理な歩行は控えましょう。痛みが落ち着いたら、少しずつ動くことが大切です。クッション性のある靴で負担を減らすと安心です。
足底腱膜炎のストレッチはいつ行うのが効果的ですか?
朝起きてすぐや、立ち仕事の前がおすすめです。動き出す前に腱膜やふくらはぎをほぐすと、痛みが出にくくなります。入浴後の温まった状態でも行いやすいです。
足底腱膜炎は何科を受診すればよいですか?
整形外科の受診が基本です。足の専門外来があれば、より詳しく診てもらえます。痛みが続く場合は、早めの相談をおすすめします。
インソールは足底腱膜炎に効果がありますか?
アーチを支えるインソールは、負担軽減に役立つとされます。市販品で合わない場合は、医療機関で作る方法もあります。自分の足に合うものを選ぶことが大切です。
体重は足底腱膜炎に関係しますか?
体重が増えると、足裏への負担も大きくなります。適正な体重を保つことは、予防にもつながります。無理のない範囲で生活を整えていきましょう。
まとめ|足底腱膜炎は「足の使い方」から見直せる
足底腱膜炎は、足裏のアーチを支える腱膜に負担がかかって起こります。朝の一歩目のかかとの痛みが、典型的なサインです。
原因はアーチの崩れや、ふくらはぎの硬さ、合わない靴などです。ストレッチや足の筋トレ、靴の見直しが対策の柱になります。
多くの方は、保存療法とセルフケアで前向きになれます。痛みが長引くときは、一人で抱えず専門家に相談してみてください。
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免責事項
記事の目的と性質
本記事は、足底腱膜炎に関する一般的な健康情報を提供することを目的としています。理学療法士の専門的視点から、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説していますが、以下の点にご注意ください。
本記事の限界
・個別診断の代替不可:本記事の情報は、あなた個人の症状や状態に対する診断・治療を提供するものではありません。
・医療行為ではない:記事内容は医療行為や医学的助言ではなく、一般的な情報提供です。
・自己判断のリスク:本記事の情報のみに基づく自己判断や自己治療は、症状の悪化や健康被害につながる可能性があります。
医療機関受診の推奨
以下の場合は、必ず医療機関を受診してください:
・痛みや不調が続いている場合 ・症状が悪化している場合
・日常生活に支障が出ている場合 ・持病や既往歴がある場合
情報の正確性について
本記事は2026年6月時点の最新情報に基づいて作成されており、信頼できる医学的根拠や公的ガイドラインを参照しています。医学・医療情報は常に更新されるため、将来的に内容が変更される可能性があります。
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参考文献
1. サワイ健康推進課. 足底腱膜炎とは?症状と原因、治療法とセルフケア.
2. 原整形外科医院. 足の外科|足底腱膜炎・外反母趾・扁平足.
3. もりのみや整形外科. 足底腱膜炎.
4. 札幌中央整形外科クリニック. 足の裏が痛い|原因を整形外科医が解説.
5. 奥野クリニック. 足底腱膜炎|痛みと身体のQ&A.
6. せいそく整骨院. 足底筋膜炎の治し方|手術しない治療法.
執筆者情報
本記事は、理学療法士の専門的視点から作成しました。足部の機能や歩行、運動療法に関する科学的根拠に基づいた情報提供を心がけています。