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現役理学療法士が明かす! リハビリが「医療費2,800万円」を減らせる理由 「高い」と感じるリハビリが、実は最大の節約術だった

リハビリについて

こんにちは。理学療法士として患者さんやご家族と接する中で、「リハビリにどれくらいお金がかかるんでしょうか?」「保険がきかない自費リハビリは高いですよね?」という質問をよく受けます。医療費への不安、本当によく分かります。

でも、私たちがお伝えしたいのは、リハビリは「かかる費用」ではなく、将来の医療費を大幅に削減する「投資」ということです。

日本人が生涯で支払う医療費は平均約2,800万円。この数字を聞いて、驚きませんでしたか? そして、その大部分は実は高齢期に集中しているんです。でも、若いうちから、そして必要な時期に適切なリハビリを受けることで、この医療費を大きく抑えられる可能性があります。

研究では、早期に理学療法を開始することで、医療費が27%も削減されるという結果も出ています。つまり、リハビリに投資した1万円が、将来の10万円、100万円の医療費削減につながるんです。

今日は、医療費とリハビリの関係について、現場で実際に見てきた経験を踏まえて、お話ししたいと思います。


まず、この「2,800万円」という数字の中身を見ていきましょう。

生涯医療費の約半分は、実は人生の最後の数年間に使われます。そして、65歳以上の高齢者の医療費が、国全体の医療費の約6割を占めているんです。

これは何を意味するか。つまり、若い頃は医療費が少なく、高齢になってから一気に増えるということです。50代までは健康で医療費がほとんどかからなかった方が、60代、70代になって突然、毎月病院通いになる—こんなケースを数え切れないほど見てきました。

高齢になると、一つの病気だけでなく、複数の慢性疾患を抱えることが多くなります。

  • 高血圧で循環器内科
  • 糖尿病で内分泌内科
  • 膝の痛みで整形外科
  • 白内障で眼科

こんな風に、複数の診療科にかかり、それぞれの薬を飲み、定期的な検査を受ける。これが積み重なって、月に数万円、年間では数十万円の医療費になってしまうんです。

医療費だけではありません。介護が必要になれば、さらに費用がかさみます。

介護保険があっても、自己負担は発生します。施設入所となれば、月に10万円以上かかることも珍しくありません。これが何年も続くと、家計への影響は計り知れません。

ここが最もお伝えしたいポイントです。

適切なリハビリを受けることで、筋力や身体機能が維持され、介護が必要になるリスクを大幅に減らせます。

例えば、脳卒中後のリハビリ。早期から集中的にリハビリを行うことで、麻痺が残っても自立した生活を送れる可能性が高まります。逆に、リハビリが不十分だと、車椅子生活や寝たきりになり、介護が必要になってしまいます。

この差が、その後の人生の医療費・介護費用に数百万円、場合によっては1,000万円以上の違いを生むんです。

国際的な研究で、早期に理学療法を開始した患者さんは、そうでない患者さんに比べて、医療費が27%も削減されたという結果が報告されています。

仮に将来の医療費が1,000万円かかるとしたら、270万円の削減です。これは決して小さな額ではありませんよね。

最近の研究では、リハビリテーションによる機能回復が、再入院のリスクを減少させ、長期的な医療費抑制に貢献することも明らかになっています。つまり、リハビリは目先の費用ではなく、人生全体で見た時の大きな節約になるんです。

リハビリによって身体機能が改善すると、服薬量を減らせることがあります。

例えば、運動療法によって血圧が安定し、降圧薬を減量できたり、筋力がついて膝の痛みが軽減し、痛み止めが不要になったり。薬は一度飲み始めると長期間続くことが多いので、薬を減らせることの経済効果は大きいんです。

理学療法士として、日々感じることがあります。

骨折や脳卒中など、突然のアクシデントに見舞われた時。リハビリを始めるタイミングが、その後の回復を大きく左右します。

発症直後から適切なリハビリを開始した方は、入院期間も短く、元の生活に戻れる確率も高い。これは、患者さんにとっても医療費の面でも、双方にメリットがあります。

「まだそんなに痛くないから」「もう少し様子を見てから」と先延ばしにして、症状が悪化してから来られる方がいます。でも、そうすると回復に時間がかかり、結果的に医療費も増えてしまうんです。

早めに対処すれば数ヶ月で済んだものが、放置したために数年かかる—こんなケースを何度も見てきました。

リハビリの最大の目的は、自立した生活を取り戻す、または維持することです。

自分で歩ける、トイレに行ける、食事ができる—こうした当たり前に思えることが、実は医療費・介護費用を抑える最大のポイントなんです。

リハビリには様々な専門分野があり、それぞれが異なる役割を果たしています。その中でも、一部ご紹介いたします。

身体の基本的な動作—立つ、歩く、座る—を改善するのが理学療法です。

運動療法やマッサージ、物理療法などを組み合わせて、筋力や関節の動き、バランス能力を回復させます。特に、運動器の健康維持に効果的で、転倒予防や腰痛・膝痛の改善に大きく貢献します。

骨折や脳卒中、変形性関節症など、多くの疾患で理学療法が重要な役割を果たします。

日常生活に必要な動作—着替え、食事、入浴、料理、掃除—を訓練するのが作業療法です。

ただ「動けるようになる」だけでなく、実際の生活の中で必要な動作ができるようになることを目指します。これにより、自宅での生活が可能になり、施設入所を避けられる可能性が高まります。

脳卒中後などでコミュニケーションに問題が生じた時、また嚥下(飲み込み)に障害がある時に重要なのが言語聴覚療法です。

特に嚥下機能の改善は、誤嚥性肺炎の予防につながります。高齢者の肺炎は、入院や重症化のリスクが高く、医療費も大きくなりがちです。適切な訓練で嚥下機能を維持することが、医療費削減にも貢献するんです。

これらのリハビリは、患者さん一人一人の状態に応じて個別に設計されます。

年齢、体力、生活環境、目標—すべてが異なるため、「この病気にはこのリハビリ」という画一的なものではありません。だからこそ、専門家による丁寧な評価とプログラム作成が必要なんです。

「自費リハビリは保険が使えないから高い」—これは確かに一面の真実です。でも、本当にそうでしょうか?

保険診療のリハビリには、時間や回数、期間に制限があります。

例えば、1回20分程度、週2〜3回が標準的です。また、疾患によっては「発症から150日まで」といった日数制限もあります。これでは、十分な回復が得られないまま終了してしまうケースもあるんです。

自費リハビリでは、

  • 1回60分以上の十分な時間
  • 回数や期間の制限なし
  • より専門的で個別化されたプログラム
  • 最新の治療法や機器の活用
  • 予防的なアプローチも可能

短期集中で効果を出すことで、結果的に総費用を抑えられることも多いんです。

月に3万円の自費リハビリを6ヶ月続けて、要介護状態を避けられたとします。総額18万円の投資です。

でも、もし要介護2になったら、施設利用や介護サービスで月5〜10万円、年間60〜120万円の費用がかかります。しかも、これが何年も続きます。

どちらが「高い」でしょうか? 答えは明らかですよね。

保険診療では認められていない先進的なアプローチや、予防目的のリハビリも、自費なら提供できます。病気になる前から体を整えることで、将来の大きな医療費を防げるんです。

人生100年時代と言われる今、長期的な視点が必要です。

60代で積極的にリハビリや運動に取り組むことで、80代、90代での生活の質が大きく変わります。

元気に自立した生活を送るのか、介護に頼る生活になるのか。その分岐点は、実は今、この瞬間の選択にあるんです。

医療費や介護費用の負担は、本人だけでなく家族にも及びます。

自立した生活を維持できれば、家族の身体的・精神的・経済的負担も軽くなります。リハビリへの投資は、家族全体の幸せへの投資でもあるんです。

最後になりますが、リハビリの最大の効果は、医療費削減だけではありません。

痛みなく動ける、好きなことができる、家族と旅行に行ける—こうした「生活の質(QOL)」こそが、最大のリターンです。お金では測れない価値が、そこにはあります。


生涯医療費2,800万円。この数字は変えられないように見えますが、適切なリハビリテーションによって、大幅に削減できる可能性があります。

大切なポイントをもう一度

  • 医療費の大部分は高齢期に集中する
  • 早期のリハビリが、長期的な医療費を27%削減
  • リハビリは「費用」ではなく「投資」
  • 自立した生活の維持が、最大の節約術
  • QOLの向上という、お金に代えられない価値

「高い」と感じるリハビリが、実は将来の何百万円、何千万円の節約につながる。そして何より、健康で自立した生活という、かけがえのない価値を守ってくれる。

目先の費用だけでなく、人生全体で考えた時、リハビリほどコストパフォーマンスの高い投資はないかもしれません。

痛みや不安を感じたら、様子を見て先延ばしにするのではなく、早めにご相談ください。今日の小さな一歩が、明日の大きな安心につながります。

あなたの健康な未来への投資、一緒に始めませんか?


参考文献

·  Fritz JM, Brennan GP, Hunter SJ, Magel JS. Initial management decisions after a new consultation for low back pain: Implications of the usage of physical therapy for subsequent healthcare costs and utilization. Arch Phys Med Rehabil. 2013;94(5):808-816.

·  Childs JD, Fritz JM, Wu SS, Flynn TW, Wainner RS, Robertson EK, Kim FS, George SZ. Implications of early and guideline adherent physical therapy for low back pain on utilization and costs. BMC Health Serv Res. 2015;15:150.

·  Takura T, Amano H, Oda S, Goto R, Matsuda T. Healthcare costs for the elderly in Japan: Analysis of medical care and long-term care claim records. PLoS One. 2018;13(5):e0190392.

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·  Ikegami N. Controlling spending for health care and long-term care: Japan’s experience with a rapidly aging society. Health Aff (Millwood). 2023;42(6):744-750.

·  Minemura H, Yamada H, Kimura J. Geographic variation in inpatient medical expenditure among older adults aged 75 years and above in Japan: a three-level multilevel analysis of nationwide data. Front Public Health. 2024;12:1306013.理学療法士 専門分野:予防的リハビリテーション、医療経済

免責事項  本記事は医学的知識に基づいて作成されていますが、個別の医療相談に代わるものではありません。健康状態に不安がある場合や、持病をお持ちの方は、必ず医師や理学療法士にご相談ください。

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