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年齢別運動機能まとめ|自分のレベルは?最高レベル・世界記録も紹介【2026年版】

2026.02.13

健康について

年齢別運動機能まとめ|自分のレベルは?最高レベル・世界記録も紹介【2026年版】

「自分の体力って、同年代と比べてどうなんだろう?」

ふとした時に、そんな疑問を感じたことはありませんか?

実は、日本では毎年、6歳から79歳までの幅広い年齢層を対象に、体力・運動能力の調査が行われています。この調査結果を見ると、年齢ごとの平均的な運動機能や、体力のピーク年齢、そして加齢による変化の傾向が分かるんです。

さらに、世の中には「この年齢でこんなにすごい記録を!」と驚くような、マスターズ陸上の世界記録保持者もたくさんいます。

本記事では、理学療法士の視点から、年齢別の運動機能について分かりやすく解説します。2024年公表の最新ガイドラインと、令和6年度の統計データをもとに、自分の体力レベルをチェックする方法や、年齢を重ねても維持・向上できる運動機能についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

年齢別運動機能の基本知識

体力・運動能力とは?

体力は大きく2つに分けられます。

行動体力は、身体を動かすために必要な能力です。筋力、持久力、瞬発力、柔軟性、調整力などが含まれ、新体力テストで測定できます。

防衛体力は、病気に対する抵抗力のことです。血圧や血糖値、免疫力などで表されます。

本記事では、主に「行動体力」に焦点を当てて解説していきます。

日本の体力測定システム

スポーツ庁では、1964年から継続的に「体力・運動能力調査」を実施しています。これは世界的に見ても非常に貴重な長期データです。

測定される主な項目は以下の通りです。

年齢区分主な測定項目
6〜11歳握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、20mシャトルラン、50m走、立ち幅とび、ソフトボール投げ
12〜19歳握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、持久走または20mシャトルラン、50m走、立ち幅とび、ハンドボール投げ
20〜64歳握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、急歩または20mシャトルラン、立ち幅とび
65〜79歳握力、上体起こし、長座体前屈、開眼片足立ち、10m障害物歩行、6分間歩行

年齢に応じて、安全かつ適切な項目が設定されているんです。

年齢別の体力変化|いつがピーク?

総合的な体力のピーク年齢

令和6年度の体力・運動能力調査によると、総合的な体力のピークは以下の年齢です。

  • 男性:17歳頃
  • 女性:14歳頃

新体力テストの合計点で見ると、男性は16歳まで著しく向上し、その後緩やかに低下します。女性は15歳まで緩やかに向上し、19歳まではその水準が維持されます。

20歳以降は、男女ともに加齢に伴って体力水準が低下する傾向を示しますが、40代後半からは著しく低下するという特徴があります。

項目別のピーク年齢

体力の要素ごとに、ピーク年齢は異なります。

筋力(握力)のピーク

  • 男性:35〜39歳
  • 女性:40〜44歳

意外かもしれませんが、筋力のピークは30代後半〜40代前半なんです。これは、社会人になってから運動を続けている方が多いことも影響していると考えられます。

柔軟性(長座体前屈)のピーク

  • 男性:17歳頃
  • 女性:18歳頃

柔軟性は、比較的若い時期にピークを迎えます。その後、緩やかに低下していきますが、ストレッチなどで維持・改善が可能です。

敏捷性(反復横とび)のピーク

  • 男性:17歳頃
  • 女性:14歳頃

素早い動きの切り替え能力は、10代にピークを迎えます。

全身持久力(20mシャトルラン)のピーク

  • 男性:14歳
  • 女性:13歳

スタミナは、意外と早い時期にピークを迎えるんです。ただし、大人になってからも、継続的なトレーニングで十分に維持・向上できます。

加齢による体力低下の目安

60〜64歳では、ピーク時と比べてこのような変化が見られます。

項目ピーク時との比較
反復横とび男性:約70%、女性:約75%
立ち幅とび男女とも:約75%
上体起こし男性:約55%、女性:約45%

75〜79歳では、さらに低下が進みます。

  • 上体起こし:男性で約35%、女性で約25%まで低下

ただし、これらはあくまで平均値です。日常的に運動を続けている方は、平均よりもはるかに高い体力を維持されています。

自分のレベルをチェックする方法

年齢別の平均値と比較しよう

ここでは、代表的な項目について、年齢別の平均値をご紹介します。

握力の平均値(kg)

年齢男性女性
20〜24歳46.8228.15
30〜34歳47.6428.73
40〜44歳47.9229.08
50〜54歳46.2528.23
60〜64歳42.5226.48

上体起こし(30秒間の回数)

年齢男性女性
20〜24歳28回23回
30〜34歳26回21回
40〜44歳24回19回
50〜54歳21回17回
60〜64歳18回14回

長座体前屈(cm)

年齢男性女性
20〜24歳45.9045.42
30〜34歳41.7843.22
40〜44歳40.3942.66
50〜54歳39.7342.38
60〜64歳37.5441.77

これらの数値と比較して、自分がどのレベルにあるか確認してみましょう。

体力年齢を知る

新体力テストでは、各項目の得点を合計して「体力年齢」を算出できます。

実年齢が50歳でも、体力年齢が40歳相当ということもあれば、その逆もあります。

もし実年齢よりも体力年齢が高い場合は、運動習慣を見直すきっかけになりますね。逆に、体力年齢が若い方は、その習慣を継続していきましょう。

驚異の記録|マスターズ陸上の世界

マスターズ陸上とは?

マスターズ陸上は、35歳以上のアスリートが5歳刻みのクラスで記録を競う競技です。

「M35」(35〜39歳)、「M40」(40〜44歳)というように、年齢別にクラスが分かれていて、同世代と競い合います。

ここで紹介する記録を見ると、「年齢は言い訳にならない」と感じられるかもしれません。

年齢別100m走の驚異の記録

マスターズ陸上100m走の年齢別記録を見てみましょう。

男子100m走(一部抜粋)

  • M40クラス:約10秒台前半
  • M50クラス:約10秒台後半
  • M60クラス:約11秒台
  • M70クラス:約13秒台
  • M80クラス:約15秒台

40代で10秒台というのは、一般のトップアスリート並みの記録です。50代でも10秒台で走る方がいるんです。

日本人では、青森県出身の田中博男さんが85歳で100mを15秒台で走り、世界記録を樹立されました。この年齢で、これだけのスピードを維持できるのは驚異的です。

マラソンの年齢別記録

マラソンでも、年齢を重ねても素晴らしい記録を出す方々がいます。

日本マスターズマラソン記録(一部)

  • M35クラス(女性):2時間36分02秒
  • M50クラス(女性):2時間53分31秒
  • M60クラス(女性):3時間06分59秒
  • M70クラス(女性):4時間16分32秒
  • M80クラス(女性):4時間11分45秒

60歳以上の女子マラソン世界記録を持つ弓削田眞理子さんは、61歳で2時間59分15秒、62歳で2時間52分13秒という記録を樹立されました。

60代でサブスリー(3時間切り)を達成されたのは、世界で初めてだったそうです。

高齢になっても記録は伸ばせる

これらの記録保持者に共通しているのは、継続的なトレーニングと、向上心を持ち続けていることです。

もちろん、誰もが世界記録を目指せるわけではありません。でも、「この年齢だから無理」と諦める必要はないんです。

適切なトレーニングを続ければ、年齢を重ねても記録を維持・向上させることは可能だと、これらの方々が証明してくれています。

2024年版|最新の運動推奨事項

健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023

2024年1月、厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。これは2013年版から10年ぶりの改訂です。

このガイドラインでは、年齢別に具体的な運動の目安が示されています。

成人(18歳以上)の推奨事項

  • 歩行等の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩に相当)
  • 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上
  • 筋力トレーニングを週2〜3日
  • 座位行動が長くなりすぎないよう注意

高齢者(65歳以上)の推奨事項

  • 歩行等の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩に相当)
  • 筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上
  • 筋力トレーニングを週2〜3日
  • 座位行動が長くなりすぎないよう注意

新たに追加された推奨項目

2023年版で新しく追加された項目が2つあります。

1. 筋力トレーニングの推奨

成人・高齢者ともに、週2〜3日の筋トレが推奨されるようになりました。

筋力は、加齢とともに低下しやすい能力です。特に40代後半からは、何もしないと年に約1%ずつ筋力が低下するといわれています。

筋トレは、ジムに通わなくても、自宅で自体重を使った運動(スクワット、腕立て伏せなど)でも十分効果があります。

2. 座位行動への注意

「座りっぱなし」の時間が長いと、運動していても健康リスクが高まることが分かってきました。

デスクワークが多い方は、1時間に1回は立ち上がって少し動く、階段を使うなど、日常生活の中で身体を動かす機会を増やすことが大切です。

年齢に応じた運動のポイント

20〜30代:基礎体力の維持・向上

この年代は、まだ体力的に余裕がある時期です。

仕事が忙しくなり、運動習慣が途切れやすい時期でもありますが、ここで運動習慣を維持できるかどうかが、将来の健康に大きく影響します。

おすすめの運動

  • ジョギング、サイクリングなどの有酸素運動
  • 筋トレ(週2〜3日)
  • スポーツ(テニス、フットサルなど)

週に2〜3回、30分以上の運動を習慣にしましょう。

40〜50代:体力低下の予防

40代後半から、体力の低下が顕著になる時期です。

特に筋力と柔軟性の低下に注意が必要です。

おすすめの運動

  • ウォーキング(1日8,000歩を目安に)
  • 筋トレ(スクワット、腕立て伏せなど)
  • ストレッチ(毎日10分程度)

無理のない範囲で、継続できる運動を選ぶことが大切です。

60代以降:転倒予防とQOL維持

この年代では、体力の維持だけでなく、転倒予防も重要な目標になります。

バランス能力や下半身の筋力を維持することが、自立した生活を続けるために欠かせません。

おすすめの運動

  • ウォーキング(1日6,000歩を目安に)
  • 片足立ち(バランス訓練)
  • スクワット(椅子につかまって)
  • ラジオ体操

無理をせず、転倒に注意しながら行いましょう。持病のある方は、必ず医師に相談してから始めてください。

よくあるご質問

Q1. 体力テストはどこで受けられますか?

多くの自治体や体育館で、定期的に体力測定会が開催されています。お住まいの地域の体育館やスポーツセンターに問い合わせてみましょう。

また、フィットネスクラブでも、入会時や定期的に体力測定を実施しているところがあります。

Q2. 運動を始めるのに遅すぎるということはありますか?

ありません。何歳から始めても、運動の効果は得られます。

実際、マスターズ陸上の記録保持者の中には、60代、70代から運動を始めた方もいらっしゃいます。

大切なのは、自分のペースで、無理なく続けることです。

Q3. 平均より体力が低い場合、どうすればいいですか?

まずは、「今より少しでも多く身体を動かす」ことから始めましょう。

いきなり激しい運動をする必要はありません。階段を使う、一駅分歩くなど、日常生活の中でできることから始めてみてください。

少しずつ運動量を増やしていけば、確実に体力は向上します。

Q4. 筋トレは毎日やった方がいいですか?

週2〜3日で十分です。

筋肉は、トレーニング後の休息中に回復・成長します。毎日同じ部位をトレーニングするよりも、週2〜3日、しっかり休息を取りながら行う方が効果的です。

Q5. 体力測定の数値が年々低下していて不安です

加齢による体力低下は自然なことです。

ただし、運動習慣を持つことで、低下のスピードを緩やかにすることはできます。

また、体力の中には、筋力のように30代後半まで維持・向上できる要素もあります。悲観的になりすぎず、今できることに取り組んでいきましょう。

まとめ

年齢別の運動機能について、ご紹介してきました。

この記事のポイント

  • 総合的な体力のピークは、男性17歳頃、女性14歳頃
  • 筋力のピークは30代後半〜40代前半
  • 40代後半から体力低下が顕著になる
  • マスターズ陸上には、年齢を感じさせない驚異的な記録がある
  • 最新ガイドラインでは筋トレと座位行動への注意が新たに推奨
  • 年齢に応じた適切な運動を継続することが大切

今日からできること

まずは、自分の体力レベルを知ることから始めてみませんか?

握力や柔軟性など、自宅で簡単にチェックできる項目もあります。

そして、「今より少しでも多く身体を動かす」ことを意識してみましょう。

エレベーターの代わりに階段を使う、いつもより少し速く歩いてみる。こうした小さな積み重ねが、将来の健康につながります。

専門家に相談するタイミング

もし運動を始めたいけれど不安がある、持病があって何をすればいいか分からない、という場合は、理学療法士などの専門家に相談してみましょう。

一人ひとりの体力レベルや目標に合わせた、適切なアドバイスを受けることができます。

年齢を重ねても、工夫次第で体力は維持・向上できます。あなたも、今日から一歩踏み出してみませんか?


📚 参考文献

  1. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023. 2024年1月.
  2. スポーツ庁. 令和6年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書. 2024年.
  3. スポーツ庁. 令和5年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書. 2023年.
  4. 公益社団法人日本マスターズ陸上競技連合. 日本マスターズ陸上競技連合記録. 2024年.
  5. WHO. WHO身体活動・座位行動ガイドライン2020(日本語版). 2020年.
  6. 東京都健康長寿医療センター研究所. 運動・身体活動の”ちょい足し”のポイント:最近のガイドラインを踏まえて. 2024年3月.

執筆者情報

理学療法士

本記事は、最新の文献・ガイドラインに基づいて作成しています。


免責事項

本記事の情報は一般的な内容です。個人の状態により適切な方法は異なります。

持病のある方、運動制限のある方は、医師にご相談ください。

症状が改善しない場合や悪化する場合は、速やかに医療機関を受診してください。

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