リハビリテーションとは?現役理学療法士が徹底解説【予防から社会復帰まで】
2025.12.15
リハビリ
人生100年時代と言われている昨今。自立した生活を送るためには、今ある身体機能を維持することが何より大事だとされています。
その手段として、リハビリテーションが重要視されています。
「リハビリって、病院に入院している人がするものでしょ?」
「私は元気だから関係ないわ」
そう思っていませんか?
実は、リハビリテーションは全ての人に必要なものなんです。
今回は、現役理学療法士の視点から、リハビリテーションについて徹底解説していきます。
リハビリテーションってなに?
語源から理解する本当の意味
リハビリテーション(Rehabilitation)という言葉は、2つの言葉から成り立っています。
Rehabilitation の語源
Re: 再び
Habilitate: 適した、資格を与える
➡ 「再び復帰する」「社会復帰する」という意味
つまり、リハビリテーションとは、怪我や病気になった方が社会生活に戻ることを指しています。
単なる機能回復ではない
でも、リハビリテーションの本質は、単に「歩けるようになる」「手が動くようになる」といった機能回復だけではありません。
リハビリテーションの本質
✓ 人間らしく生きる権利の回復
✓ 自分らしく生きること
✓ 生活の質(QOL)の向上
✓ 社会参加の実現
これらを実現するために行われるすべての活動が、リハビリテーションなのです。
📌 重要
リハビリテーションは専門的な治療方法となるため、従事するためには国家資格が必要となります。
リハビリテーションって意味あるの?
リハビリテーションについてなんとなく理解できたけど、私は病気でもないし日常で困ることなんて無いわ。病院や施設に入院していないと受けられないのでは?介護が必要となった時に受けるものよね。
こう考えられている方、いらっしゃると思います。
確かに、リハビリテーションは社会復帰を指していますが、実は予防的な側面も重要な意味を持っているんです。
リハビリテーションの予防的側面
生活機能の3つの要素
生活機能の低下した高齢者に対しては、リハビリテーションの理念を踏まえて、以下の3つの要素にバランスよく働きかけることが重要です。
- 心身機能 – 運動機能や栄養状態など身体の基本的な機能
- 活動 – 日常生活動作(ADL)の能力
- 参加 – 家庭や社会への参加、生きがいの実現
つまり、単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すものではありません。
リハビリテーションの真の目的は、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を促し、それによって一人一人の生きがいや自己実現のための取組を支援して、生活の質(QOL)の向上を目指すことです。
こんな症状、ありませんか?
「歩くとき膝が痛いの」
「階段の上り下りで息が切れる」
「寝返りが大変なの」
「買い物に行くのが大変」
「友達と旅行に行きたいけど、行く体力がない」
このような少しの違和感や痛みがある方でも、日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)の能力は徐々に低下していきます。
そして、ゆくゆくは生活の質(QOL:Quality of Life)も低下していくんです。
⚠ 注意
いつもの姿勢や動作・運動習慣などが原因で、症状が軽症から重症へと変わる可能性もあります。少しでも気になることがある場合は、外来などに受診していただいても良いかと思います。
リハビリテーションは全ての人に必要
リハビリテーションの目的
日常生活を円滑に過ごすとともに、友達や趣味などを通じて社会参加していくことで、人生をより豊かに過ごしていくことを目的としています。
これは誰にでも当てはまることで、以下は一切関係ありません:
- 疾患や障害の有無
- 年齢
- 性別
予防の意味も含めたリハビリテーションは、全ての人にとって必要なものだと言えるでしょう。
具体的にリハビリはどうやって行うの?
自己流は危険!専門家の指導を受けましょう
自主練習ってどうやるの?私にもできるの?
ネットで見た情報で運動をしてみよう。
お隣さんがやっている体操を、私もやってみようかしら。
このような場面、ありませんか?
⚠ 自己流のリスク
ネットで見たことや、人づてで聞いた体操や運動をそのままやる場合、以下のようなデメリットがあります:
❌ 自分の筋力・体力に合っていない
❌ もともと痛かった痛みを助長する
❌ 怪我をする危険性がある
❌ 効果が出ない、または逆効果
個人に合わせた運動処方が必要
リハビリテーションや運動は、以下の要素を考慮して個別に設計する必要があります:
- 元々の運動量
- 既往歴(過去の病気やケガ)
- 現在の疾患
- 体力レベル
- 生活環境
- 目標とする活動レベル
💡 専門家の指導を受けるメリット
✓ あなたに最適な運動プログラムを提供
✓ 正しいフォームで安全に実施できる
✓ 効果を最大化できる
✓ 定期的な評価で進捗を確認
✓ 疑問や不安をすぐに解消できる
可能であれば、専門的に詳しいリハビリスタッフから指導を受けていただいた上、自主練習を始めていただいた方が安心です。
リハビリテーション然り、運動然り、知らなくて当然なことだと思います。実際に始めるにあたっては、専門としている人から直接教わることが大切です。
リハビリテーションに関する国家資格
リハビリテーションに従事する職業は複数あり、それぞれが専門性の高い治療を行うことが可能です。
ここでは、3つの主要な国家資格をご紹介します。
🏃 理学療法士(PT: Physical Therapist)
定義
身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
主な役割
- 身体機能の改善
- 運動療法・物理療法の実施
- 基本動作の改善
対象となる動作
- 寝返り
- 起き上がり
- 座位
- 立ち上がり
- 歩行
障害に対するアプローチのみならず、予防やスポーツなどの分野にも幅広く携わることができます。
🎨 作業療法士(OT: Occupational Therapist)
定義
身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。
主な役割
- 応用的動作能力の回復
- 社会的適応能力の向上
- 日常生活・家事動作の改善
- 心身機能の改善
対象となる活動
- 食事
- 着替え
- 入浴
- 料理
- 手芸・工作
身体障害のみならず、精神障害の方に対してもアプローチができます。
🗣️ 言語聴覚士(ST: Speech Therapist)
定義
音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者をいう。
主な役割
- 発語機能の改善
- 嚥下(飲み込み)機能の改善
- 高次脳機能障害のリハビリ
- 聴覚障害への対応
対象となる機能
- 「話す」「聴く」 – 失語症、聴覚障害など
- 「食べる」「飲む」 – 嚥下障害など
脳卒中後の麻痺による障害や、小児麻痺に対してもアプローチできます。
リハビリテーションを受けるには?
医療保険でのリハビリテーション
対象
- 医師の診断により必要と認められた方
- 疾患や障害がある方
場所
- 病院・クリニックの外来
- 入院中の病院
- 介護施設(介護保険)
費用
- 医療保険適用(1〜3割負担)
自費リハビリテーション
対象
- 保険リハビリの期間が終了した方
- 予防的にリハビリを受けたい方
- スポーツパフォーマンスを向上させたい方
- より専門的・集中的なリハビリを希望される方
メリット
- 時間をかけた評価・治療が可能(60〜90分など)
- 個別プログラムの作成
- 期間制限なし
- 予防・パフォーマンス向上にも対応
まとめ
✓ リハビリテーションは「再び復帰する」「社会復帰する」という意味
✓ 単なる機能回復ではなく、「人間らしく生きる権利の回復」が本質
✓ 予防的な側面も重要で、全ての人に必要
✓ 少しの違和感や痛みでも、放置するとQOLが低下する
✓ 自己流は危険、専門家の指導を受けることが重要
✓ 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の3つの国家資格者がサポート
✓ 保険診療と自費リハビリ、目的に応じて選択可能
最後に
リハビリテーションについて解説をしました。
名前は知っていても、「自分に当てはまっているか」「どのようなことをするのか」など、調べてみても分からないことは多いと思います。
リハビリテーションは誰にとっても身近な存在です。
これを機に、リハビリテーションを知るきっかけになっていただけたら幸いです。
💡 少しでも気になることがあれば
お近くの医療機関やリハビリテーション施設にご相談ください。
専門家があなたに最適なプログラムをご提案いたします。