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病気になったらどうなる?疾患後の日常生活への影響をわかりやすく解説【2026年版】

2026.02.20

健康について

病気になったらどうなる?疾患後の日常生活への影響をわかりやすく解説【2026年版】

「もし病気になったら、生活はどう変わるんだろう?」 「今まで通りの暮らしができなくなるのかな?」

このような不安、ありますよね。

実は、病気になった後の日常生活は、疾患の種類や重症度によって大きく異なります。完全に元通りになる方もいれば、生活の工夫が必要になる方もいます。

本記事では、主要な疾患(脳卒中・心疾患・糖尿病など)になった後の日常生活への影響を、理学療法士がわかりやすく解説します。2025年までの最新データと診療ガイドラインに基づいた情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。

日本における主要疾患の現状

まず、どのくらいの方が治療を受けているのか、最新のデータを見てみましょう。

厚生労働省の令和5年(2023)患者調査によると、主要な疾患で治療を受けている方の数は以下の通りです。

疾患名患者数
高血圧性疾患1,609万2,000人
糖尿病552万3,000人
心疾患358万1,000人
脂質異常症401万人
脳血管疾患188万4,000人

これらの数字を見ると、多くの方が何らかの疾患を抱えながら生活していることが分かります。

脳卒中になったら日常生活はどう変わる?

脳卒中とは

脳卒中は、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」の総称です。令和5年の調査では、約188万人が治療を受けています。

日常生活への主な影響

脳卒中の影響は、損傷を受けた脳の部位や範囲によって異なります。

動作面での変化

  • 片側の手足が動かしにくくなる(片麻痺)
  • バランスが取りにくくなる
  • 歩行が不安定になる

日常生活動作への影響

  • 着替えに時間がかかる
  • 階段の上り下りが大変になる
  • お風呂での動作に工夫が必要

コミュニケーション

  • 言葉が出にくくなる(失語症)
  • 飲み込みが難しくなる(嚥下障害)

リハビリテーションの役割

脳卒中治療ガイドライン2021(改訂2023)では、急性期からのリハビリテーション開始が推奨されています。

2023年5月に発表された「脳卒中急性期リハビリテーションの指針」によると、早期からの適切なリハビリが回復に重要とされています。

多くの方が、リハビリを通じて日常生活動作を取り戻していきます。完全に元通りになる方もいれば、補助具や環境調整を活用しながら自立した生活を送る方もいます。

心疾患になったら日常生活はどう変わる?

心疾患とは

心疾患には、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患や、心不全などが含まれます。令和5年の調査では、約358万人が治療を受けています。

日常生活への主な影響

急性期(発症直後)

  • 安静が必要な期間がある
  • 入院期間は疾患の種類によって異なる
  • 段階的に活動量を増やしていく

回復期以降

  • 過度な負担のかかる動作を避ける
  • 階段や坂道での息切れ
  • 疲れやすさを感じることがある

日常生活での工夫

心疾患の方は、心臓に負担をかけすぎない生活が大切です。

動作のポイント

  • 急な動作を避ける
  • 重いものを持つときは無理をしない
  • 息を止めて力むような動作に注意

適度な運動 医師の指導のもと、適切な運動を続けることで、心臓の機能を維持できます。ウォーキングなどの有酸素運動が推奨されることが多いです。

糖尿病になったら日常生活はどう変わる?

糖尿病とは

糖尿病は血糖値が高い状態が続く疾患で、令和5年の調査では約552万人が治療を受けています。日本で最も患者数の多い疾患のひとつです。

日常生活への主な影響

糖尿病そのものは、初期段階では日常生活に大きな制限をもたらしません。しかし、血糖コントロールが不十分だと、さまざまな合併症が起こる可能性があります。

主な合併症

  • 神経障害(足のしびれ、痛み)
  • 網膜症(視力低下)
  • 腎症(透析が必要になることも)
  • 動脈硬化(心疾患や脳卒中のリスク増加)

日常生活での管理

食事管理

  • 適切なカロリー摂取
  • バランスの取れた食事
  • 食べる順番の工夫

運動習慣

  • 週に数回の有酸素運動
  • 筋力トレーニング
  • 日常生活での活動量を意識

服薬管理

  • 決められた時間に服薬
  • 血糖値の自己測定(必要な場合)

糖尿病は、適切な管理を続けることで、合併症を予防し、健康な生活を送ることができます。

治療と仕事の両立について

労働政策研究・研修機構が2024年に発表した調査によると、病気を抱えながら働く方の実態が明らかになっています。

両立支援の現状

両立支援プランの策定率

  • 全体:14.3%
  • がん:24.4%
  • 脳血管疾患:18.4%
  • 心疾患:16.8%
  • 糖尿病:7.7%

多くの方が、職場での支援体制が十分でないと感じています。

職場への相談

勤め先への相談・報告

  • 所属長・上司:62.0%
  • 同僚:27.8%
  • 人事労務担当者:12.0%
  • 相談しなかった:28.1%

約3割の方が職場に相談していないことが分かります。

働き方の工夫

病気になっても、多くの方が何らかの形で仕事を継続しています。

よく見られる配慮

  • 通院日の確保
  • 勤務時間の調整
  • 業務内容の見直し
  • 在宅勤務の活用

医師の診断書や意見書をもとに、職場と相談しながら無理のない働き方を見つけることが大切です。

リハビリテーションが日常生活に果たす役割

生活リハビリという考え方

「リハビリ」というと、病院で専門家が行うものをイメージするかもしれません。

しかし、日常生活そのものがリハビリになるという考え方があります。これを「生活リハビリ」といいます。

生活リハビリの例

  • トイレ動作:自分でできる範囲で行う
  • 着替え:時間がかかっても自分で
  • 入浴:安全に配慮しながら自分で洗う
  • 食事:自助具を使いながら自分で食べる

できることを自分で続けることが、機能の維持につながります。

環境調整の重要性

日常生活を送りやすくするために、環境を整えることも大切です。

よく使われる工夫

  • 手すりの設置
  • 段差の解消
  • 滑りにくい床材
  • 使いやすい食器や道具
  • 椅子やベッドの高さ調整

福祉用具を上手に活用することで、自分でできることが増えます。

長期的な視点

病気の回復には時間がかかります。

回復のプロセス

  • 急性期:治療が中心
  • 回復期:集中的なリハビリ
  • 維持期:生活の中でのリハビリ

どの時期でも、「できることを続ける」「無理はしない」という姿勢が大切です。

よくあるご質問

Q1. 病気になったら、元の生活には戻れないのですか?

A. 疾患の種類や重症度によって異なります。完全に元通りになる方もいれば、生活の工夫をしながら自立した生活を送る方もいます。適切な治療とリハビリを続けることで、多くの方が日常生活を取り戻しています。

Q2. リハビリはいつまで続ければいいですか?

A. リハビリの期間は個人差があります。病院での集中的なリハビリは期限がありますが、生活の中でのリハビリは継続することが大切です。「できることを続ける」という意識を持つことが、機能維持につながります。

Q3. 仕事は続けられますか?

A. 多くの方が、何らかの形で仕事を継続しています。主治医と相談しながら、職場に自分の状態を伝え、必要な配慮をしてもらうことが大切です。無理のない働き方を見つけることで、治療と仕事の両立が可能です。

Q4. 家族はどのようにサポートすればいいですか?

A. 何でも手伝ってしまうのではなく、本人ができることは見守る姿勢が大切です。時間がかかっても、自分でできることを続けることが機能維持につながります。危険な場面や本当に必要なときにサポートしましょう。

Q5. 再発を防ぐためにできることはありますか?

A. 疾患によって異なりますが、多くの場合、適切な服薬管理、定期的な通院、生活習慣の改善(食事・運動・禁煙など)が重要です。主治医の指示を守り、定期的に検査を受けることで、再発リスクを減らすことができます。

まとめ

病気になった後の日常生活への影響について、主要な疾患を中心にご紹介しました。

この記事のポイント

✓ 疾患によって日常生活への影響は異なる ✓ 脳卒中は動作面、心疾患は活動量、糖尿病は管理が中心 ✓ 早期からのリハビリテーションが回復に重要 ✓ 日常生活そのものがリハビリになる ✓ 環境調整や福祉用具の活用で自立度が高まる ✓ 治療と仕事の両立は可能だが、支援体制の充実が課題 ✓ 適切な管理で再発予防ができる

今日からできること

病気を予防するために、今から意識できることがあります。

  • バランスの取れた食事
  • 適度な運動習慣
  • 定期的な健康診断
  • 気になる症状があれば早めに受診

もし病気になった場合でも、適切な治療とリハビリを受けることで、多くの方が日常生活を取り戻しています。

専門家に相談するタイミング

以下のような状況では、早めに医療機関を受診しましょう。

  • 突然の手足の動かしにくさ
  • 激しい胸の痛みや息切れ
  • 意識がもうろうとする
  • いつもと違う症状が続く

また、病気になった後の生活に不安がある場合は、理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職に相談することもできます。

一人ひとりの状態に合わせた適切なアドバイスを受けることで、より安心して生活を送ることができます。


📚 参考文献

  1. 日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会. 脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕. 協和企画, 2023.
  2. 日本脳卒中学会. 脳卒中急性期リハビリテーションの指針. 2023年5月.
  3. 厚生労働省. 令和5年(2023)患者調査の概況. 2024年12月.
  4. 厚生労働省. 令和4年(2022)人口動態統計(確定数)の概況. 2023年.
  5. 労働政策研究・研修機構. 調査シリーズNo.241「治療と仕事の両立に関する実態調査(患者WEB調査)」. 2024年.

執筆者情報

理学療法士

本記事は、最新の文献・ガイドラインに基づいて作成しています。


免責事項

本記事の情報は一般的な内容です。個人の状態により適切な方法は異なります。

持病のある方、治療中の方は、必ず主治医にご相談ください。

症状が改善しない場合や悪化する場合は、速やかに医療機関を受診してください。

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