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「ガムを噛むだけ」で反応速度が上がる説|理学療法士が神経賦活を徹底解説【2026年版】

2026.01.16

豆知識

「ガムを噛むだけ」で反応速度が上がる説|理学療法士が神経賦活を徹底解説【2026年版】

「ガムを噛むだけで、反応速度が上がる」

こう聞いて、あなたは信じられますか?

実は、2008年に自然科学研究機構・生理学研究所が発表した研究で、ガムを5分間噛んだ後、認知時間と反応時間が 有意に短縮 することが科学的に証明されました。

「でも、それって気のせいじゃないの?」

そう思いますよね。私も最初は半信半疑でした。

でも、理学療法士として神経科学の視点でこの現象を調べてみると、とんでもない事実が見えてきたんです。

ガムを噛むという単純な動作が、脳波(P300)の出現時間を短縮し、刺激に対する反応速度を速くする。しかも、ただ顎を動かすだけでは効果がなく、実際に「噛む」ことが重要だったんです。

「昔はもっと速く動けたのに…」
「最近、体の反応が遅くなった気がする」

そう感じていませんか?

それ、筋力の問題じゃないかもしれません。「神経」が鈍っているんです。

でも、諦める必要はありません。

今回は、神経賦活のメカニズムと、日常生活で実践できる具体的な方法を、最新の研究データとともにお伝えします。

この記事では、驚きの研究結果から始まり、神経伝達の仕組み、そして誰でも今日から始められる神経賦活法まで、理学療法士の専門的視点で徹底解説します。


目次

  1. 衝撃の研究結果:ガムを噛むと反応速度が向上
  2. 神経賦活とは何か?メカニズムを徹底解説
  3. 反応速度はなぜ重要なのか?0.1秒の差が命運を分ける
  4. 神経伝達のスピードを決める3つの要因
  5. 神経賦活トレーニング5選【理学療法士が厳選】
  6. 日常生活でできる神経賦活法
  7. 加齢による神経機能低下と対策
  8. 理学療法士が語る:神経可塑性の可能性
  9. よくあるご質問(FAQ)
  10. 注意喚起:こんな症状があれば医療機関へ
  11. まとめ:神経賦活で「体のキレ」を取り戻す

衝撃の研究結果:ガムを噛むと反応速度が向上

P300脳波の驚異的な変化

2008年、自然科学研究機構・生理学研究所の柿木隆介教授(当時)らの研究チームが、驚くべき発見を発表しました。

実験内容

  • 被験者に5分間、無味・無臭のガムを噛んでもらう
  • その直後に音刺激を与えて脳波を測定
  • P300(脳波の一種)の出現時間を計測
  • 同時に、ボタンを押すまでの反応時間も測定

結果: ガムを噛んだ後は、P300の出現時間と反応時間が 有意に短縮 しました。

しかも、この効果は繰り返すほど顕著になったんです。

驚くべき比較実験

「でも、単に顎を動かしてるだけじゃないの?」

そう思って、研究チームは比較実験も行いました。

比較条件

  1. 何もしない
  2. 噛むまねごとをする(口に何も入れずに顎だけ動かす)
  3. 手指でタッピング(机を指で叩く)

驚くべきことに、ガムを実際に噛んだときのみ、認知時間と反応時間が短縮。

それどころか、顎の運動やタッピングでは むしろ反応が遅くなり、繰り返すほどその傾向が強くなりました。

つまり、何がすごいのか?

これ、普通にすごくないですか?

「噛む」という行為には、単なる顎の運動とは異なる、特別な神経賦活効果があるということです。

実際、プロ野球選手やサッカー選手が試合中にガムを噛んでいるのは、経験的にこの効果を知っているからかもしれません。

「じゃあ、なんで噛むと反応速度が上がるの?」

そのメカニズムを、次のセクションで詳しく見ていきましょう。


神経賦活とは何か?メカニズムを徹底解説

神経賦活の定義

神経賦活(しんけいふかつ)とは、神経系の機能を高めることを指します。

具体的には

  • 神経伝達の改善 → 神経細胞間の信号伝達がスムーズになる
  • 脳の活動の増加 → 特定の脳領域が活性化する
  • 反応速度の向上 → 刺激に対する応答が速くなる

リハビリ現場でも、この神経賦活は非常に重要な概念です。

なぜ「噛む」と脳が活性化するのか?

理学療法士の視点で分析すると、3つの理由が考えられます。

理由①:脳血流量の増加

食べ物を噛むという口の中への刺激は、脳につながる動脈の血流を増加させると考えられています。

新潟医療福祉大学の研究では、ガム咀嚼中の脳活動を測定したところ、前頭前野の血流が増加することが確認されています。

前頭前野

  • 判断
  • 感情制御
  • 行動
  • 記憶
  • コミュニケーション

といった重要な機能をつかさどる部位です。

理由②:歯根膜からの情報入力

歯の根っこの周りには 「歯根膜」 という薄い膜があります。

これは、ガムのように非常に薄い食物でも鋭敏に感知できるセンサーなんです。

歯根膜からの情報 → 脳幹(脳と脊髄の中間部位)に入力 → 大脳に影響を与える

という流れで、脳を活性化させていると考えられています。

理由③:リズム運動によるセロトニン分泌

「噛む」という動作は、一定のリズムで同じ動きを繰り返す 「リズム運動」 です。

リズム運動は、幸せホルモンと呼ばれる セロトニン の分泌を促進することが知られています。

セロトニンの効果

  • 心の安定
  • 集中力向上
  • ストレス軽減
  • 目覚めの改善

これが、反応速度向上にも寄与していると考えられます。

神経伝達のメカニズム

もう少し詳しく見てみましょう。

  1. 感覚器官で刺激を受け取る
    • 目、耳、皮膚などが刺激をキャッチ
  2. 感覚神経を通じて脳へ伝達
    • 電気信号が神経線維を伝わる(伝導)
    • シナプス間隙では神経伝達物質を介する(伝達)
  3. 脳で情報を処理
    • 前頭前野などで判断・決定
  4. 運動神経を通じて筋肉へ指令
    • 「動け!」という信号が送られる
  5. 筋肉が収縮して動作が起きる

この一連の流れが速くなる。これが神経賦活の本質です。


反応速度はなぜ重要なのか?0.1秒の差が命運を分ける

反応時間の平均値

一般的な反応時間(視覚刺激に対する)

  • 若年成人:約0.15〜0.25秒
  • 高齢者:約0.3〜0.5秒

たった0.1秒の違い。

「そんなの大した差じゃないでしょ?」

ちょっと待ってください。

スポーツでの0.1秒

テニスの場合

プロのサーブ速度は時速200km以上。

0.1秒で約5.5mもボールが進みます。

この0.1秒の反応速度の差が、リターンできるかどうかを左右するんです。

卓球の場合

研究によると、卓球選手は非アスリートに比べて反応時間が 有意に速い ことが示されています。

トップ選手になるほど、この差は顕著です。

運転での0.1秒

時速60kmで走行中、0.1秒で 約1.7m 進みます。

前方の車が急ブレーキをかけたとき、この1.7mが事故を避けられるかどうかの分かれ目になることも。

日常生活での0.1秒

  • 転倒回避 → 足を滑らせたとき、即座に体勢を立て直せるか
  • 物を落としたとき → キャッチできるかどうか
  • 階段の踏み外し → とっさにつかまれるか

高齢者の転倒による骨折は、要介護の大きな原因の一つです。

反応速度の維持は、QOL(生活の質)に直結するんです。


神経伝達のスピードを決める3つの要因

理学療法士として、神経伝達速度を決める要因を解説します。

要因①:神経線維の太さ

解剖学的に説明すると

神経線維が太いほど、伝導速度は速くなります。これは、電線が太いほど電気が流れやすいのと似ています。

具体的な数値

  • 太い有髄神経:約70〜120 m/秒
  • 細い有髄神経:約10〜30 m/秒
  • 無髄神経:約0.5〜2 m/秒

なんと、最大240倍もの差があります。

要因②:髄鞘(ミエリン鞘)の有無

髄鞘(ずいしょう) とは、神経線維を取り巻く絶縁体のような構造です。

有髄神経の特徴

髄鞘は等間隔に 「ランビエ絞輪」 という隙間があります。

電気信号はこの絞輪から絞輪へと 「跳躍伝導」 するため、伝導速度が劇的に速くなります。

イメージ

  • 無髄神経 → 地道に一歩ずつ歩く
  • 有髄神経 → ポイントからポイントへジャンプして進む

どの神経が有髄?

  • 運動神経 → 有髄(素早い動きが必要)
  • 知覚神経 → 有髄(危険を即座に察知)
  • 自律神経(節後線維) → 無髄(それほどスピード不要)

要因③:シナプス伝達の効率

神経細胞と神経細胞の接合部を シナプス といいます。

ここでは、電気信号ではなく 神経伝達物質(化学物質) によって情報が伝わります。

シナプス伝達を速くするには

  • 神経伝達物質の放出量を増やす
  • 受容体の感受性を高める
  • シナプス間隙を狭くする

これが 「シナプス可塑性」 と呼ばれる現象です。

重要なポイント
適切な運動や刺激によって、シナプス伝達の効率は 改善できる んです。


神経賦活トレーニング5選【理学療法士が厳選】

ここからは、実際に神経賦活効果が期待できるトレーニングを紹介します。

すべてエビデンスに基づいた方法です。


方法1:プライオメトリクストレーニング

効果

  • 瞬発力の向上
  • 神経系の反応速度向上
  • 筋力と筋持久力の向上

エビデンスレベル

高(複数のRCTで効果確認、IOC研究でパフォーマンス5〜15%向上)

プライオメトリクスとは?

筋肉が急速に伸ばされた後、すぐに収縮することで爆発的なパワーを発揮するトレーニングです。

伸張-短縮サイクル を利用します。

代表的なエクササイズ

①アンクルホップ

やり方

  1. まっすぐ立つ
  2. 膝を曲げずに、足首だけを使って跳ぶ
  3. 着地時間を極力短くして、連続で跳ぶ
  4. 10回 × 3セット

ポイント:

  • 上半身を大きく動かす
  • 高く真上に跳ぶ
  • 接地時間を短く

②ボックスジャンプ

やり方

  1. 高さ30〜50cmのボックス(台)を用意
  2. 両足でジャンプしてボックスに飛び乗る
  3. ゆっくり降りる
  4. 5〜10回 × 3セット

注意点

  • 着地時に膝が内側に入らないよう注意
  • 高さは自分の体力に合わせて調整
  • 無理な高さに挑戦しない

メカニズム解説

プライオメトリクスは、伸張反射 を活用します。

筋肉は急に伸ばされると、損傷を防ぐために急に縮まるという特性(反射)があります。

この反射を利用して

  1. 筋肉が伸ばされる(着地時)
  2. 即座に縮まる(跳躍時)
  3. 神経-筋の連携が強化される

研究データ: プライオメトリクストレーニングを定期的に行うことで、神経系の反応速度が向上することが複数の研究で示されています。

理学療法士のアドバイス

最初は低い強度から始めましょう。

特に、普段運動していない方がいきなり高強度のプライオメトリクスを行うと、怪我のリスクが高まります。

週2〜3回、トレーニングの 最初 に行うのが効果的です(神経系が疲れていない状態で)。


方法2:バランストレーニング

効果

  • 神経-筋協調性の向上
  • 体幹の安定性向上
  • 転倒予防

エビデンスレベル

中〜高(特に高齢者の転倒予防で効果確認)

実践方法

①片足立ち

やり方

  1. 壁や椅子のそばで行う(安全確保)
  2. 片足を床から10cm程度上げる
  3. 30秒〜1分キープ
  4. 左右各3回

レベルアップ

  • 目を閉じて行う
  • クッションの上で行う
  • 両手を広げずに体側につける

②タンデム歩行(継ぎ足歩行)

やり方

  1. かかととつま先をくっつけて一直線上を歩く
  2. 10歩 × 3セット

ポイント

  • 視線は前方を見る(足元を見ない)
  • ふらついたら壁に手をつく

メカニズム解説

バランスを保つためには

  • 視覚情報
  • 前庭覚(内耳のバランス感覚)
  • 体性感覚(足裏などの感覚)

これら3つの情報を脳が統合し、瞬時に筋肉へ指令を出します。

バランストレーニングは、この 情報統合と即座の反応 を鍛えるんです。


方法3:敏捷性ドリル(アジリティトレーニング)

効果

  • 方向転換能力の向上
  • 反応速度の向上
  • 動的バランスの向上

実践方法

①ラダートレーニング

やり方

  1. ラダー(縄はしご)を床に置く
  2. さまざまなステップパターンで進む
    • 両足で1マスずつ
    • 片足ずつ交互に2マスずつ
    • サイドステップ
  3. 5往復

ポイント

  • つま先を使って素早く
  • リズムを意識する

②コーンドリル

やり方

  1. コーン(目印)を3〜5m間隔で複数配置
  2. ジグザグに走る
  3. 各コーンで素早く方向転換
  4. 3往復

メカニズム解説

方向転換には

  • 視覚情報の処理
  • 運動計画の立案
  • 体重移動のコントロール
  • 筋肉への素早い指令

これらすべてに神経系が関与します。

繰り返し練習することで、神経回路が強化され、反応が速くなります。


方法4:反応時間トレーニング

効果

  • 刺激に対する反応速度の直接的改善

実践方法

①定規キャッチ

やり方

  1. パートナーに30cmの定規を持ってもらう
  2. 定規の0cm側を親指と人差し指で挟む準備
  3. パートナーが予告なく定規を落とす
  4. できるだけ早くキャッチ
  5. つかんだ位置(cm)で反応速度を測定

目安

  • 5cm以下:とても速い
  • 10cm以下:速い
  • 15cm以下:平均的
  • 20cm以上:やや遅い

②ボールキャッチドリル

やり方

  1. 壁に向かってボールを投げる
  2. 跳ね返ってきたボールをキャッチ
  3. 20回

レベルアップ

  • 反応の前に軽く体を動かす
  • 複数のボールを順番に投げる

方法5:有酸素運動

効果

  • 脳血流の増加
  • 神経伝達物質の分泌促進
  • 認知機能の改善

エビデンスレベル

高(Frontiers in Psychology, 2019など複数の研究で確認)

実践方法

推奨運動

  • ウォーキング:20〜30分
  • ジョギング:15〜20分
  • サイクリング:20〜30分
  • 水泳:20〜30分

頻度: 週3〜5回

強度: ややきついと感じる程度(心拍数: 最大心拍数の60〜80%)

メカニズム解説

有酸素運動により

  1. 脳血流量が増加
    • 酸素と栄養が豊富に供給される
  2. BDNF(脳由来神経栄養因子)が分泌
    • 神経細胞の成長を促進
  3. ドーパミン、セロトニンが分泌
    • 神経伝達がスムーズになる

研究によると、定期的な有酸素運動は、若年成人の反応時間を 改善 することが示されています。

短時間の運動でも効果があります。


日常生活でできる神経賦活法

トレーニングだけでなく、日常生活の中でも神経を賦活できます。

①ガム咀嚼

方法

  • シュガーレスガムを1日30分以上噛む
  • 集中したいとき、眠気覚ましに活用

注意

  • 片側だけで噛まず、両側バランスよく
  • 噛みすぎで顎を痛めないよう注意

エビデンス: 5分間のガム咀嚼で、P300脳波の出現時間と反応時間が短縮することが確認されています。

②よく噛んで食事

方法

  • 1口30回を目安に
  • 食事時間を20分以上かける

効果

  • 脳血流量の増加
  • 満腹中枢の刺激(ダイエット効果も)
  • 消化促進

幼稚園児を対象とした研究では、よく噛む食事をしている児童は計算能力が高いことが示されています。

③階段の使用

方法

  • エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使う
  • 2〜3階程度なら階段で

効果

  • 下肢の筋力維持
  • バランス能力の向上
  • 有酸素運動効果

階段の上り下りは、足を正確に置く必要があるため、神経-筋協調性を鍛えられます。

④新しいことへの挑戦

方法

  • 新しい趣味を始める(楽器、外国語、ダンスなど)
  • いつもと違うルートで通勤・通学
  • 利き手と逆の手で日常動作

効果

  • 神経可塑性の促進
  • 新しい神経回路の形成
  • 認知機能の維持

脳は新しい刺激に対して適応しようとします。この過程で神経回路が強化されます。

⑤十分な睡眠

方法

  • 7〜8時間の睡眠を確保
  • 就寝前のスマホを控える
  • 規則正しい睡眠リズム

効果

  • 神経系の回復
  • 記憶の定着
  • 神経伝達物質の適正化

睡眠不足は反応時間を 遅くする ことが知られています。


加齢による神経機能低下と対策

加齢で何が起きるのか?

年齢を重ねると、

  • 神経伝達速度の低下
    • 髄鞘の変性
    • シナプス数の減少
  • 反応時間の延長
    • 若年成人:0.15〜0.25秒
    • 高齢者:0.3〜0.5秒
  • 認知機能の変化
    • 処理速度の低下
    • ただし、記憶や感情制御は向上することも

でも、諦めないでください

神経可塑性は生涯続きます。

1990年代頃までは、「成人してからは脳は変わらない」と考えられていました。

しかし、現代の神経科学では、脳は何歳になっても変化・発達できることが明らかになっています。

対策

①継続的な運動

週3回以上の有酸素運動と、週2回の筋力トレーニング。

研究によると、運動習慣のある高齢者は、そうでない高齢者に比べて認知機能テストの点数が高いことが示されています。

②認知トレーニング

  • パズル
  • 計算問題
  • 記憶ゲーム
  • 新しい技能の習得

③社会的交流

人との交流は脳を刺激します。

孤立は認知機能低下のリスク因子です。

④栄養バランス

特に重要な栄養素

  • オメガ3脂肪酸(魚)
  • ビタミンB群(全粒穀物、レバー)
  • 抗酸化物質(野菜、果物)

理学療法士が語る:神経可塑性の可能性

神経可塑性とは

神経可塑性(Neuroplasticity) とは、経験や環境に応じて神経系が柔軟に変化する性質のことです。

これは、リハビリテーションの根幹となる概念です。

脳卒中後の回復メカニズム

脳卒中などで脳がダメージを受けても、適切なリハビリにより 脳機能の再編成 が生じることが分かっています。

3つの重要要素

  1. 反復 → 何度も同じ練習をする
  2. 一貫性 → 継続して行う
  3. 挑戦 → やや難しい課題に取り組む

これにより、損傷を受けていない脳の領域が、失われた機能を 代償 するんです。

8週間で脳の構造が変わる

ハーバード・メディカルスクールの研究では、8週間のマインドフルネス実践で、

  • 海馬(記憶を司る)の体積が5%増加
  • 扁桃体(不安や恐怖)の体積が5%減少

これは、適切な介入で脳の物理的構造まで変化することを示しています。

リハビリ現場での実感

運動器リハビリテーションの現場でも、継続的なトレーニングによって、多くの方が機能改善を実感されています。

「もう年だから…」と諦めずに、少しずつでも続けることが重要です。


よくあるご質問(FAQ)

Q1. 神経賦活トレーニングは毎日やるべきですか?

A. プライオメトリクスなど高強度のものは週2〜3回が目安です。

神経系トレーニングは、疲労していない状態で行うことが重要です。

一方、バランストレーニングや有酸素運動は毎日でも問題ありません。

Q2. 何歳から始めても効果はありますか?

A. はい、何歳からでも効果があります。

神経可塑性は生涯続きます。ただし、運動強度は年齢や体力に合わせて調整してください。

特に高齢者の場合、転倒リスクに注意しながら、低強度から始めましょう。

Q3. ガムを噛む以外に、日常でできる簡単な方法は?

A. よく噛んで食事をする、階段を使う、新しいことに挑戦する、などがあります。

特に「よく噛む」ことは、毎日の食事で実践できるので継続しやすいです。

Q4. 反応速度の改善は何日くらいで実感できますか?

A. 個人差がありますが、継続的なトレーニングで2〜4週間程度で変化を感じる方が多いです。

ただし、効果を維持するには継続が必要です。

Q5. プライオメトリクスは膝に悪くないですか?

A. 正しいフォームで適切な強度で行えば、問題ありません。

むしろ、筋肉や腱を強化し、怪我の予防にもつながります。

ただし、既に膝に痛みがある場合は、医師や理学療法士に相談してください。

Q6. 運動が苦手でもできるトレーニングはありますか?

A. バランストレーニング(片足立ちなど)や、定規キャッチなどの反応時間トレーニングは、運動が苦手な方でも取り組みやすいです。

まずは簡単なものから始め、徐々にレベルアップしていきましょう。

Q7. 食事で神経機能を高めることはできますか?

A. オメガ3脂肪酸、ビタミンB群、抗酸化物質などを含む食事が推奨されます。

ただし、食事だけでなく、運動との組み合わせが重要です。

Q8. サプリメントは効果がありますか?

A. 特定のサプリメントが神経機能に与える影響については、研究が進行中です。

基本は、バランスの取れた食事と運動です。サプリメントは補助的なものと考えてください。

Q9. 1日どれくらいトレーニングすればいいですか?

A. 神経系トレーニングは、1回20〜30分程度で十分です。

重要なのは時間よりも 質と継続 です。集中して行い、週に数回継続しましょう。

Q10. 保険リハビリと自費リハビリ、どちらがいいですか?

A. 目的によって異なります。

保険リハビリ は費用負担が少ないですが、時間や頻度に制限があります。

自費リハビリ は、じっくり評価し、個別プログラムを作成できます。予防やパフォーマンス向上にも対応可能です。

詳しくは、専門施設にご相談ください。


注意喚起:こんな症状があれば医療機関へ

以下の症状がある場合は、自己判断せず、医療機関を受診してください。

危険信号(Red Flags)

  • 突然の激しい頭痛
  • 意識障害や混乱
  • 片側の手足のしびれや麻痺
  • 言葉がうまく出ない、理解できない
  • 視野の一部が欠ける
  • めまいやふらつきが続く
  • 急激な反応速度の低下

これらは、脳卒中や神経疾患の可能性があります。

早期発見・早期治療が重要です。

脱髄疾患について

反応速度の低下や感覚麻痺などは、脱髄疾患(髄鞘が障害される病気)の症状の可能性もあります。

  • 多発性硬化症(MS)
  • ギラン・バレー症候群(GBS)

などが知られています。

気になる症状がある場合は、神経内科を受診しましょう。


まとめ:神経賦活で「体のキレ」を取り戻す

ガムを噛むだけで反応速度が上がる。

これは単なる都市伝説ではなく、科学的に証明された事実でした。

この記事のポイント

1. 神経賦活は可能

  • ガム咀嚼で認知時間・反応時間が短縮
  • 神経伝達の改善、脳血流の増加が関与

2. 反応速度の重要性

  • 0.1秒の差がスポーツ、運転、日常生活に影響
  • 高齢者の転倒予防にも重要

3. 神経伝達を速くする要因

  • 神経線維の太さ
  • 髄鞘の有無(跳躍伝導)
  • シナプス伝達の効率

4. 効果的なトレーニング

  • プライオメトリクス → 爆発的パワーと神経系強化
  • バランストレーニング → 協調性と転倒予防
  • 敏捷性ドリル → 方向転換能力
  • 反応時間トレーニング → 直接的な改善
  • 有酸素運動 → 脳血流増加とBDNF分泌

5. 日常でできること

  • ガム咀嚼(1日30分以上)
  • よく噛んで食事(1口30回)
  • 階段の使用
  • 新しいことへの挑戦
  • 十分な睡眠

6. 年齢は関係ない

  • 神経可塑性は生涯続く
  • 適切な介入で脳の構造も変化する
  • 継続が最も重要

7. 保険リハビリと自費リハビリ

  • 目的に応じて選択
  • じっくり取り組みたい方には自費リハビリも選択肢

8. 危険信号に注意

  • 突然の神経症状は医療機関へ
  • 早期発見・早期治療が重要

今日から始められること

神経賦活は、特別な器具や場所がなくても始められます。

  • 今すぐ: シュガーレスガムを噛む
  • 今日から: 食事をよく噛む、階段を使う
  • 今週から: 片足立ちを1日1分
  • 来週から: 週2回のプライオメトリクス

小さな一歩が、1年後の大きな変化につながります。

最後に

「昔はもっと動けた」

そう思うことは自然です。

でも、神経可塑性という脳の素晴らしい能力を活かせば、何歳からでも改善は可能なんです。

筋力だけでなく、「神経」を鍛える。

このアプローチが、あなたの「体のキレ」を取り戻す鍵になるかもしれません。

諦めずに、少しずつ続けてみませんか?


📚 参考文献

  1. Sakamoto K, Nakata H, Kakigi R. The effect of mastication on human cognitive processing: A study using event-related potentials. Clinical Neurophysiology. 2009;120(1):41-50.
  2. 自然科学研究機構・生理学研究所. 噛めば噛むほど、脳は活発に. 2008.
  3. 新潟医療福祉大学. たくさん噛むことは本当に脳の活動に影響を及ぼすのか. 2020.
  4. 農畜産業振興機構. ガムを「噛むこと」によるさまざまな作用. 2023.
  5. Huertas F, et al. Relative Age Effect in Physical Fitness during the Secondary School Period. Frontiers in Psychology. 2019.
  6. 看護roo! 神経情報の伝達のしくみ|神経系の機能.
  7. 脳科学辞典. 有髄線維.
  8. 京都大学. 神経軸索の成熟と髄鞘形成のメカニズムの解明. 2009.
  9. 日本リハビリテーション医学会. 神経可塑性を誘導するリハビリテーション治療. 2024.

免責事項

本記事のトレーニング方法を実践する際は、ご自身の健康状態に合わせて無理のない範囲で行ってください。

持病のある方、運動制限のある方は、医師にご相談ください。

特に、膝や腰に痛みがある場合、プライオメトリクスなど高強度のトレーニングは控え、専門家の指導を受けてください。

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