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現役理学療法士が解説! 変形性関節症リハビリの新常識 「痛いから動かない」が悪循環を生む理由

リハビリについて

こんにちは。理学療法士として膝や股関節の痛みに悩む患者さんと日々向き合う中で、「痛いから動かさないようにしています」という言葉をよく耳にします。そのお気持ち、本当によく分かります。でも実は、この「動かさない選択」が、さらなる痛みと機能低下を招いてしまうことがあるんです。

変形性関節症(OA)は、関節の軟骨がすり減って痛みや動きの制限が出る病気です。特に膝や股関節に多く、日常生活に大きな影響を与えます。「もう歳だから仕方ない」「いずれは手術しかない」と諦めていませんか?

今日は、変形性関節症のリハビリについて、現場で実際に効果を実感している立場から、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。

「変形性関節症」と聞くと、難しく感じるかもしれませんが、実はとても身近な病気なんです。

関節は、骨と骨の間でクッションの役割を果たす「軟骨」に守られています。この軟骨が長年の使用や加齢によって徐々にすり減っていくと、骨同士がこすれ合うようになり、痛みや炎症が起こります。これが変形性関節症です。

例えるなら、車のタイヤのようなもの。長く使っていれば摩耗していくのは自然なことですが、メンテナンス次第で寿命を延ばすことができますよね。関節も同じなんです。

実は、50歳以上の方の約半数が、膝の変形性関節症を持っていると言われています。決して珍しい病気ではなく、むしろ「誰にでも起こりうる」ものなのです。だからこそ、早めの対策が重要になってきます。

ここが最もお伝えしたいポイントです。

変形性関節症の痛みは、軟骨のすり減りだけが原因ではありません。実は、関節を支える筋肉が弱くなることで、関節への負担が増え、痛みが強くなっているケースが非常に多いんです。

想像してみてください。柱(筋肉)がしっかりしている家と、柱が弱った家。どちらの家の方が土台(関節)に負担がかかるでしょうか?答えは明らかですよね。

「痛いから安静にする」のは、一時的には正しい判断です。しかし、長期的に動かさないでいると、筋肉はどんどん衰え、関節も固くなってしまいます。実際、1週間寝たきりでいると、筋力は約20%も低下すると言われています。

最近の研究では、変形性膝関節症に対する運動療法の継続的な実施が、痛みの軽減と身体機能の改善に有効であることが証明されています。つまり、適切に動かすことこそが、痛みを和らげる近道なんです。

では、実際にどのような改善が期待できるのでしょうか。

関節周囲の筋肉を強化することで、関節への負担が分散され、痛みが和らぎます。多くの患者さんが「階段の上り下りが楽になった」「朝起きた時の痛みが減った」と実感されています。

ストレッチや運動を継続することで、固くなっていた関節の可動域が広がります。「しゃがめなかったのに、しゃがめるようになった」「正座ができるようになった」という喜びの声をよく聞きます。

痛みが減り、動きやすくなれば、買い物や旅行、趣味の活動など、諦めていたことにも再び挑戦できるようになります。これは単なる身体機能の改善ではなく、人生の質そのものの向上につながるんです。

適切なリハビリによって、手術を先延ばしにしたり、場合によっては回避できることもあります。手術は最後の手段であり、その前にできることはたくさんあるんです。

私たちセラピストとして、長年リハビリに携わる中で、はっきりと分かることがあります。

リハビリを始めて最初の1ヶ月は、変化を感じにくいかもしれません。でも、3ヶ月続けた方のほとんどが、何らかの改善を実感されています。体は正直で、継続すれば必ず応えてくれます。

痛みと向き合うのは、精神的にも辛いことです。でも、私たちが何度も目の当たりにしてきたのは、諦めずに続けた方ほど、想像以上の改善を見せてくれるということです。年齢は関係ありません。80代、90代の方でも、適切なリハビリで驚くほど回復される方がいらっしゃいます。

国際的なガイドラインでも、変形性関節症の第一選択の治療として運動療法が推奨されており、私たち現場のセラピストにとっても、日々の励みとなっています。

実際にどんな運動をすれば良いのか、具体的にご紹介します。

大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)の強化が特に重要です。この筋肉は膝関節を支える最も重要な筋肉で、ここを鍛えることで膝への負担が大きく減ります。

  • 椅子に座った状態で膝を伸ばす運動
  • 壁に背中をつけて行うスクワット
  • ベッドの上で仰向けになり、膝を伸ばしたまま足を持ち上げる運動

無理のない範囲から始めて、徐々に回数や強度を上げていきます。

関節の柔軟性を取り戻すことも重要です。

  • 仰向けに寝て、膝を胸に引き寄せるストレッチ
  • 椅子に座って、膝をゆっくり伸ばすストレッチ
  • お風呂上がりなど、体が温まっている時が効果的

ポイントは、痛みを感じない範囲で、じっくり時間をかけて行うことです。

  • ウォーキング:平地を無理のないペースで
  • 水中ウォーキング:膝への負担が少なく、最もおすすめ
  • 自転車こぎ:膝の曲げ伸ばしを繰り返す良い運動

週に3〜5回、20〜30分程度を目安に行うと効果的です。

  • 片足立ち:壁や手すりにつかまってOK
  • かかと歩き・つま先歩き
  • バランスボードを使った運動

バランス能力を高めることで、日常生活での転倒リスクも減少します。

「痛みが強い時はどうすれば?」という質問をよく受けますが、急性期の強い炎症がある時以外は、早めに始めることをお勧めします。

ただし、自己判断は禁物です。必ず医師や理学療法士の評価を受けてから始めましょう。

「もう何年も前から痛い」「かなり進行している」という方も、諦める必要はありません。どの段階からでも、適切なリハビリによる改善は期待できます。

保険診療では、時間や回数に制限があります。でも、自費リハビリなら、

  • あなたの症状に合わせた十分な時間の確保
  • より専門的で個別化されたプログラムの提供
  • 必要な頻度での集中的な治療

より効果的なリハビリを受けることができます。

正しい期待値を持つことが、継続のカギになります。

リハビリは、一回で劇的に変わるものではありません。地道な積み重ねが必要です。でも、その積み重ねが、確実にあなたの体を変えていきます。

リハビリ中に多少の痛みを感じることはありますが、「我慢できる程度の痛み」と「我慢できない痛み」は区別が必要です。運動後に2時間以上痛みが続く場合は、強度を下げる必要があります。

リハビリだけでなく、日常生活での姿勢や動作、体重管理なども重要です。総合的なアプローチが、最良の結果を生みます。

変形性関節症のリハビリテーションは、痛みを軽減し、機能を改善するための最も重要な治療法です。「痛いから動かない」のではなく、「痛いからこそ、正しく動かす」ことが大切なんです。

筋力トレーニング、ストレッチ、有酸素運動、バランス運動を組み合わせることで、日常生活の質を大きく向上させることができます。手術を避けたい、痛みを何とかしたい、もっと活動的になりたい、そんな思いをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

専門家の指導のもとで、あなたに最適なリハビリプログラムを一緒に作っていきましょう。

痛みに負けない、あなたらしい人生を取り戻すお手伝いをさせてください。


参考文献

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免責事項  本記事は医学的知識に基づいて作成されていますが、個別の医療相談に代わるものではありません。健康状態に不安がある場合や、持病をお持ちの方は、必ず医師や理学療法士にご相談ください。

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