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よく風邪をひく人は運動不足?運動と免疫の関係を理学療法士が解説

2026.09.11

健康について

よく風邪をひく人は運動不足?運動と免疫の関係を理学療法士が解説

「毎年、何度も風邪をひく」

もしそうなら、運動習慣が関わっているかもしれません。実は、適度な運動は免疫の働きを支えると報告されています1。運動と風邪、一見、関係が薄そうに見えて、意外なつながりがあります。理学療法士として体づくりに向き合う中で、動く習慣が体調を左右すると感じてきました。この記事では、運動と免疫の関係を、その仕組みからわかりやすくお伝えします。

💡 この記事は、運動と免疫に関する一般的な健康情報をお届けするものです。個別の診断や治療に代わるものではありません。体調不良が続く場合は、医療機関にご相談ください。

目次

  • 運動と免疫には、どんな関係があるのか?
  • 適度な運動が風邪を遠ざける仕組み
  • やりすぎは逆効果|運動と免疫の「Jカーブ」
  • 免疫を支える「適度な運動」の目安
  • 運動以外に大切な、免疫の土台
  • 風邪をひきにくい体をつくるために
  • よくある質問(FAQ)
  • まとめ

運動と免疫には、どんな関係があるのか?

免疫とは、体をウイルスや細菌から守る仕組みのことです。この働きが弱まると、風邪をひきやすくなります。実は、運動習慣は、この免疫の働きに関わっています。

毎日の適度な運動によって、風邪をひきにくくなると報告されています1。体を動かすことは、健康を支える基本の一つです。免疫の面からも、その効果が注目されています。運動不足の人ほど、感染に弱くなりやすいとも考えられています。

ただし、ここには大切な条件があります。それは「適度」であることです。運動なら何でもよい、というわけではありません。この点を、順番に見ていきましょう。実は、やりすぎがかえって逆効果になることも分かっています。

適度な運動が風邪を遠ざける仕組み

粘膜のバリアを支える

風邪などの感染は、のどや鼻の粘膜から起こります。この粘膜を守るのが、「SIgA」と呼ばれる免疫物質です1。粘膜の最前線で、病原体の侵入を防いでいます。

研究では、適度な運動によってこの免疫物質が増えたと報告されています1。つまり、運動が体のバリアを支えるのです。とくに感染しやすい季節には、心強い味方になります。

なぜ運動でこの物質が増えるのか、はっきりした仕組みはまだ研究の途上にあります。ただ、血の巡りが良くなることや、体の調子が整うことが関わると考えられています。日々の運動が、目に見えないところで体を守っているのです。

加齢による低下を抑える

この免疫物質は、加齢とともに減っていくとされています1。高齢者が感染症にかかりやすい理由の一つです。ここでも、運動が助けになると考えられています。

週2回ほどの適度な運動で、免疫物質が増えたという報告もあります1。運動は、加齢による免疫の低下を抑える助けになる可能性があります。年齢を重ねた方ほど、動く習慣の意味は大きくなります。

やりすぎは逆効果|運動と免疫の「Jカーブ」

ここで、意外な事実をお伝えします。運動は「多ければ多いほどよい」わけではありません。激しすぎる運動は、かえって免疫を下げることがあります1

ある研究では、意外な結果が示されました。激しい運動を続けるトップアスリートが、最も風邪をひきやすかったのです2。運動不足の人より、感染しやすいという報告もあります1

この関係は、アルファベットの「J」の形にたとえられます。運動不足でもリスクが高く、やりすぎてもリスクが高い。その中間の「適度」がもっとも良い、という考え方です。

ただし、これは激しい運動を続ける人の話です。一般の方が、ふつうに運動を楽しむ範囲であれば心配はいりません。むしろ、動かないことのほうが問題になりやすいのです。

激しい運動で免疫が下がる背景には、いくつかの要因が考えられています。体に強いストレスがかかることや、持久系の運動で体内に生じる負担などです。マラソンなどの後は、一時的に感染しやすくなるとも言われています。日常の運動とは、少し切り分けて考えるとよいでしょう。

免疫を支える「適度な運動」の目安

では、「適度」とはどのくらいでしょうか。厚生労働省は、成人と高齢者に週2〜3日の筋力トレーニングを勧めています3。有酸素運動と組み合わせると、さらに効果が期待できるとされています4

目安としては、軽く汗ばむ程度の運動が一つの基準になります。息が少し弾むくらいで、会話ができる強さです。この程度を、無理なく続けることが大切です。強すぎず、弱すぎず、心地よいと感じる範囲を探しましょう。

  • 軽いウォーキングを、20分ほど続ける
  • 自分の体重を使った、軽い筋トレを行う
  • ストレッチやラジオ体操から始める
  • いきなり激しい運動はせず、少しずつ慣らす
  • 体調が悪い日は、無理をせず休む

大切なのは、続けられる強さを選ぶことです。頑張りすぎると、かえって逆効果になります。まずは、体を動かすことに慣れるところから始めましょう。一度に長く続けるより、こまめに動く習慣のほうが取り入れやすいものです。

季節の変わり目に気をつけたいこと

風邪をひきやすい時期は、季節によって変わります。とくに気温が下がり、空気が乾く時期は注意が必要です。ウイルスが活動しやすく、粘膜も乾きやすくなります。

こうした時期こそ、免疫の土台づくりが生きてきます。ふだんから運動・睡眠・食事を整えておくことが大切です。急に始めるより、日頃の習慣が体を守ります。

また、寒い時期は体を動かす機会が減りがちです。外に出るのがおっくうになり、運動不足になりやすいのです。室内でできる軽い運動を、取り入れてみるとよいでしょう。

運動が心の元気にもつながる

運動の効果は、体だけにとどまりません。心の状態にも、良い影響があるとされています。気分が晴れ、ストレスが和らぐことも少なくありません。

強いストレスは、免疫の働きを乱すこともあります。適度な運動でストレスを和らげることは、間接的に体も守ります。心と体は、つながって働いているのです。

「風邪をひきにくい体」は、心の元気とも関わります。無理なく続けられる運動は、その両方を支えます。楽しみながら動くことが、何より大切になります。

運動以外に大切な、免疫の土台

免疫を支えるのは、運動だけではありません。「栄養」「睡眠」「運動」の三つがそろって、はじめて力を発揮します。どれか一つだけでは、十分とはいえません。

とくに睡眠は、体の回復に欠かせません。質のよい眠りは、免疫の土台を支えます5。運動で体を動かし、しっかり眠り、バランスよく食べる。この三つの循環が大切です。

逆に、どれかが崩れると、免疫も揺らぎやすくなります。忙しいときほど、この土台がおろそかになりがちです。日々の生活を整えることが、風邪の予防につながります。特別なサプリメントより、まず生活習慣を見直すことが基本になります。

風邪をひきにくい体をつくるために

「よく風邪をひく」と感じる方は、生活を振り返ってみましょう。運動・睡眠・食事のどれかが、崩れているかもしれません。まずは、できるところから整えることが大切です。

運動の習慣がない方は、軽い散歩から始めてみましょう。健康寿命を支えるうえでも、動く習慣は大切です6。無理なく続けることが、丈夫な体づくりの近道になります。

体を動かす習慣づくりに不安がある方は、専門家と一緒に進めるのも一つの方法です。体力に自信がない方は、プールで行う運動まとめもあわせて参考にしてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 運動すると、本当に風邪をひきにくくなりますか?

A. 適度な運動は、免疫の働きを支えると報告されています。粘膜を守る免疫物質が増えるという研究もあります。ただし、効果には個人差があります。運動だけでなく、睡眠や食事も含めて整えることが大切です。

Q. 運動をたくさんすれば、もっと免疫が上がりますか?

A. 多ければよいわけではありません。激しすぎる運動は、かえって免疫を下げることがあります。運動不足でも、やりすぎでもリスクが上がるとされています。ほどよい強さを、無理なく続けることが大切です。

Q. どのくらいの運動が「適度」なのですか?

A. 軽く汗ばみ、会話ができる程度が一つの目安です。20分ほどのウォーキングや、軽い筋トレが該当します。厚生労働省は週2〜3日の筋力トレーニングを勧めています。まずは無理のない強さから始めましょう。

Q. 風邪をひいているときも運動していいですか?

A. 体調が悪いときは、運動を控えて休むことが基本です。無理に動くと、回復が遅れることがあります。免疫が下がっている状態では、体を休めることが優先です。回復してから、少しずつ運動を再開しましょう。

Q. 運動のほかに、免疫のために大切なことは?

A. 睡眠と食事が、運動と並んで大切です。質のよい睡眠は、免疫の土台を支えます。バランスのよい食事も欠かせません。この三つがそろってこそ、免疫の力が発揮されます。生活全体を整える視点が大切です。

まとめ|「適度」を続けることが免疫を支える

よく風邪をひく背景には、運動不足が関わっている可能性があります。適度な運動は、免疫の働きを支えると報告されています。ただし、やりすぎはかえって逆効果になります。

大切なのは、「適度」を無理なく続けることです。そして、運動・睡眠・食事の三つを、バランスよく整えること。特別なことではなく、日々の積み重ねが体を守ります。

その運動を続ける土台になるのが、日々の生活動作です。立つ・歩く・しゃがむといった動作を、専門家と一対一で、無理のないペースで整えていく。地味に見えても、その積み重ねが、疲れにくく、風邪にも負けにくい体をつくっていきます。動ける体こそが、健康を守る一番の土台なのかもしれません。

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記事の目的と性質

本記事は、運動と免疫に関する一般的な健康情報を提供することを目的としています。理学療法士の専門的視点から、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説していますが、以下の点にご注意ください。

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本記事は2026年8月時点の最新情報に基づいて作成されており、信頼できる医学的根拠や公的資料を参照しています。医学・医療情報は常に更新されるため、将来的に内容が変更される可能性があります。

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参考文献

1. JCHO九州病院 リハビリテーション室. 運動で感染症を予防しよう〜運動と免疫について〜.

2. Spence L, ほか. Incidence, etiology, and symptomatology of upper respiratory illness in elite athletes. Med Sci Sports Exerc, 2007.

3. 厚生労働省. 身体活動・運動ガイド2023 情報シート:筋力トレーニングについて. 2024.

4. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023. 2024.

5. 厚生労働省 e-ヘルスネット. 快眠と生活習慣.

6. 健康長寿ネット(長寿科学振興財団). 健康長寿を実現する運動. 2025.


執筆者情報

本記事は、理学療法士が監修・執筆しました。リハビリテーションの現場で、生活動作の回復に携わる立場から、科学的根拠に基づいた情報をお届けしています。

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