お茶の種類と健康効果|緑茶・麦茶の選び方を理学療法士が解説
2026.08.02
豆知識
毎日なにげなく飲んでいるお茶。実は、種類によって体への働きが大きく異なります。
緑茶、麦茶、ほうじ茶など、選び方ひとつで水分補給や健康管理の質が変わってくるんです。理学療法士として多くの方と接する中で、「どのお茶を飲めばよいか」とよくご質問をいただきます。この記事では、お茶の種類ごとの特徴と健康効果、そして失敗しない選び方を、科学的な視点からお伝えします。
💡 この記事について:本記事はお茶に関する一般的な健康情報です。持病のある方や水分制限を受けている方は、自己判断せず主治医にご相談ください。
目次
- お茶とは?種類ごとの特徴を理学療法士が整理
- 緑茶の健康効果|カテキンとL-テアニンの働き
- 麦茶の効果|ノンカフェインが水分補給に向く理由
- お茶と水分補給|高齢者・リハビリ中に気をつけたい点
- お茶を飲むときの注意点|カフェイン・タンニン・温度
- お茶の種類別・おすすめの選び方
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
お茶とは?種類ごとの特徴を理学療法士が整理
ひとくちにお茶といっても、その種類はさまざまです。まずは大きな分類から整理してみましょう。
「茶葉のお茶」と「茶葉以外のお茶」
緑茶・ほうじ茶・ウーロン茶・紅茶は、同じ茶の木の葉から作られます。製法(発酵の度合い)の違いで色や香りが変わるんです。一方、麦茶や黒豆茶、ルイボスティーなどは茶の木とは別の原料から作られます。これらはカフェインを含まないものが多いのが特徴です。

発酵度による分類
緑茶は茶葉を発酵させない「不発酵茶」です。ウーロン茶は途中まで発酵させる「半発酵茶」にあたります。紅茶はしっかり発酵させた「発酵茶」です。発酵が進むほど、カテキンの一部が別の成分へと変化していくと考えられています。
カフェインの有無で選ぶ視点
健康管理の観点では、カフェインの有無がひとつの目安になります。緑茶・紅茶・ウーロン茶にはカフェインが含まれます。麦茶やルイボスティーはノンカフェインです。夜間や就寝前は、カフェインの少ないお茶を選ぶと良いとされています。
緑茶の健康効果|カテキンとL-テアニンの働き
緑茶は日本で最もなじみ深いお茶のひとつです。注目される成分として、カテキン、L-テアニン、カフェインなどが挙げられます。
カテキンの抗酸化作用
カテキンは緑茶の渋み成分で、ポリフェノールの一種です。体のサビつきに関わる酸化ストレスを抑える働きがあるとされています1。生活習慣の改善とあわせて、健康維持の一助になると考えられています。ただし、お茶だけで病気を防げるわけではありません。
L-テアニンとリラックス
L-テアニンは緑茶のうま味成分にあたるアミノ酸です。心身の緊張をやわらげる方向に働くと考えられています。緑茶を飲むとほっとする感覚には、この成分が関わっているのかもしれません。リハビリの合間の一服が、気分転換に役立つ場面もあります。
緑茶と認知機能・血管の研究
近年、緑茶の摂取習慣と健康状態の関連を調べた研究が報告されています。緑茶をよく飲む人で良好な傾向がみられたという報告もあります2。ただし、こうした研究は関連性を示すものです。緑茶が直接の原因とまでは言い切れない点に注意が必要です。
麦茶の効果|ノンカフェインが水分補給に向く理由

夏の定番である麦茶。実は、水分補給という観点でとても理にかなった飲み物なんです。
ノンカフェインの利点
麦茶は大麦を原料とし、カフェインを含みません。そのため、就寝前や小さなお子さま、高齢の方でも飲みやすいのが特徴です。カフェインには利尿作用があるとされています。水分補給を目的とするなら、ノンカフェインの麦茶は適した選択肢のひとつです。
香ばしさの正体とミネラル
麦茶のあの香ばしさは、大麦を焙煎することで生まれます。麦茶にはミネラルがわずかに含まれるとされています。とはいえ、汗を大量にかいた場合は塩分も必要です。麦茶だけに頼らず、状況に応じて電解質も補うことが大切と考えられています。
お茶と水分補給|高齢者・リハビリ中に気をつけたい点
理学療法士の現場で特に重視しているのが、適切な水分補給です。お茶は身近な水分源ですが、いくつか知っておきたいポイントがあります。
高齢者は脱水に気づきにくい
加齢にともない、のどの渇きを感じにくくなる傾向があります。体内の水分量も若い頃より減りやすくなります。そのため、高齢の方は知らないうちに脱水へ傾くことがあります3。脱水は、ふらつきや転倒、体調不良の引き金になりかねません。
リハビリの現場でも、水分不足の日は体が動きにくいと感じることがあります。こまめな水分補給は、安全に体を動かすうえで土台になります。「のどが渇く前に少しずつ」が基本と考えられています。起床時や入浴の前後は、とくに水分が不足しやすいタイミングです。意識して一杯を取り入れる習慣が役立ちます。
カフェインの利尿作用との付き合い方
カフェインを含むお茶には、利尿作用があるとされています。とはいえ、日常的な量であれば過度に心配する必要はないとも言われています。気になる方は、日中は緑茶、夜は麦茶といった使い分けが現実的です。水分補給の中心には、水や麦茶を据えると安心です。
誤嚥(ごえん)が心配な方への配慮
飲み込みに不安のある方は、むせやすいことがあります。サラサラした水分はとくにむせを招きやすいとされています。必要に応じて、とろみをつける方法もあります。飲み込みに不安がある場合は、医師や言語聴覚士など専門家にご相談ください。
お茶を飲むときの注意点|カフェイン・タンニン・温度
体に良いイメージのお茶ですが、飲み方によっては注意したい点もあります。
鉄分の吸収とタンニン
緑茶や紅茶に含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げる方向に働くことがあるとされています。貧血気味の方は、食事の直後を避けて飲む工夫が考えられます。サプリや鉄剤を服用中の方は、医師や薬剤師に飲み合わせを確認すると安心です。
カフェインと睡眠の質
カフェインの覚醒作用は、数時間続くとされています。寝つきが気になる方は、午後の遅い時間以降のカフェインを控えるのがひとつの方法です。夕方からはノンカフェインのお茶に切り替えると、睡眠の妨げになりにくいと考えられています。
やけど・熱すぎる飲み物への注意
熱すぎる飲み物の習慣は、好ましくないとする指摘があります。お茶はおいしい温度まで少し冷ましてから飲むのがおすすめです。とくに感覚が鈍くなりがちな高齢の方は、やけどにも注意が必要です。
お茶の種類別・おすすめの選び方
シーン別に、お茶の選び方を整理してみました。あくまで一般的な目安としてご活用ください。
- 日中のリフレッシュに:緑茶(カテキン・適度なカフェイン)
- 就寝前や夜の水分補給に:麦茶(ノンカフェイン)
- 胃にやさしくほっとしたいとき:ほうじ茶(カフェイン控えめ)
- お子さま・高齢の方の常飲に:麦茶・水が中心
- 食事中に楽しむなら:飲みすぎに注意し適量を
大切なのは、特定のお茶に偏りすぎないことです。バランス良く取り入れ、水分補給の中心は水や麦茶に置くと無理がありません。お茶はあくまで健康習慣を支える脇役と考えると気が楽です。

よくある質問(FAQ)
Q. 緑茶と麦茶はどちらが健康に良いお茶ですか?
A. どちらが優れているとは一概に言えません。緑茶はカテキンなどの成分が、麦茶はノンカフェインで水分補給に向く点が魅力です。目的やシーンで使い分けるのがおすすめです。日中は緑茶、夜は麦茶といった組み合わせが現実的と考えられています。
Q. 麦茶は水分補給の代わりになりますか?
A. 麦茶はノンカフェインで、日常の水分補給に適した飲み物のひとつです。ただし、大量に汗をかいた際は塩分などの電解質も必要になります。運動時や暑い日は、経口補水液なども状況に応じて取り入れると安心です。
Q. 高齢者がお茶で水分補給するときの注意点は?
A. 高齢の方はのどの渇きを感じにくく、脱水に傾きやすい傾向があります。のどが渇く前に、こまめに少量ずつ飲むことが大切です。飲み込みに不安がある場合は、むせに注意し、専門家に相談すると良いでしょう。
Q. お茶のカフェインは1日どのくらいまで大丈夫ですか?
A. カフェインの適量には個人差があります。妊娠中の方や敏感な方は、より少なめが望ましいとされています。気になる場合は公的機関の情報を参考にし、ノンカフェインのお茶も上手に活用してください。心配な点は医師にご相談ください。
Q. 食事中にお茶を飲むと鉄分の吸収に影響しますか?
A. お茶のタンニンは、鉄の吸収を妨げる方向に働くことがあるとされています。貧血が気になる方は、食事の直後を避ける工夫も一案です。とはいえ過度に神経質になる必要はなく、鉄剤服用中の方は医師に確認すると安心です。
Q. 子どもや就寝前におすすめのお茶の種類は?
A. ノンカフェインの麦茶が飲みやすく、就寝前やお子さまに向いています。緑茶や紅茶はカフェインを含むため、夜間は控えめが無難です。ほうじ茶はカフェインが比較的少なめとされ、選択肢のひとつになります。
まとめ|お茶の種類を知り健康的に取り入れよう
お茶は種類によって成分や向き不向きが異なります。緑茶はカテキンやL-テアニンが魅力で、日中の一服に向いています。麦茶はノンカフェインで、水分補給や就寝前に適した飲み物です。
理学療法士の視点では、こまめな水分補給が安全に体を動かす土台になります。とくに高齢の方は脱水に気づきにくいため、注意が必要です。お茶を上手に使い分けながら、水や麦茶を中心に据えると無理がありません。
体調に不安がある方や水分制限を受けている方は、自己判断を避けてください。気になる症状が続く場合は、早めに医療機関や専門家にご相談ください。日々のお茶選びが、健やかな毎日の一助になれば幸いです。
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免責事項
記事の目的と性質
本記事は、お茶(緑茶・麦茶など)に関する一般的な健康情報を提供することを目的としています。理学療法士の専門的視点から、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説していますが、以下の点にご注意ください。
本記事の限界
・個別診断の代替不可:本記事の情報は、あなた個人の症状や状態に対する診断・治療を提供するものではありません。
・医療行為ではない:記事内容は医療行為や医学的助言ではなく、一般的な情報提供です。
・自己判断のリスク:本記事の情報のみに基づく自己判断や自己治療は、症状の悪化や健康被害につながる可能性があります。
医療機関受診の推奨
以下の場合は、必ず医療機関を受診してください:
・痛みや不調が続いている場合 ・症状が悪化している場合
・日常生活に支障が出ている場合 ・持病や既往歴がある場合
情報の正確性について
本記事は2026年6月時点の最新情報に基づいて作成されており、信頼できる医学的根拠や公的ガイドラインを参照しています。医学・医療情報は常に更新されるため、将来的に内容が変更される可能性があります。
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参考文献
1. 農林水産省. 緑茶の機能性成分に関する情報. 農林水産省, 2024.
2. 医薬基盤・健康・栄養研究所. 「健康食品」の安全性・有効性情報(茶カテキン). 2024.
3. 厚生労働省. 健康のために水を飲もう推進運動. 厚生労働省, 2024.
4. 厚生労働省 e-ヘルスネット. カフェインの過剰摂取について. 2024.
5. 環境省. 熱中症予防情報サイト(水分補給). 環境省, 2024.
6. 農林水産省. お茶の種類と製法について. 農林水産省, 2024.
執筆者情報
本記事は、理学療法士(PT)の視点から監修・執筆しています。日々のリハビリ現場での経験をふまえ、公的機関の情報に基づいて、わかりやすい健康情報の発信を心がけています。