肩でも腰でもない「肘の痛み」|テニス肘の原因と治し方を理学療法士が解説
2026.07.31
リハビリ
ものを持ち上げると肘の外側が痛い、タオルを絞るとズキッとする。
その痛みは、テニス肘かもしれません。テニス肘という名前ですが、原因がテニスであることは多くありません。理学療法士として手や腕の動作を診てきた経験からも、家事や仕事の繰り返し動作が引き金になると感じます。この記事では、テニス肘の原因と、自宅でできる対策をわかりやすくお伝えします。
💡 この記事について:本記事はテニス肘に関する一般的な健康情報です。個別の診断や治療に代わるものではありません。痛みが続く場合は整形外科にご相談ください。
テニス肘とは?肘の外側が痛む理由
テニス肘は、正式には上腕骨外側上顆炎といいます1。肘の外側から前腕にかけて痛みが出る状態です。
手首を反らす筋肉が、肘の外側についています。その付着部に負担が重なり、痛みが生じると考えられています1。
多くの場合、安静にしているときの痛みは強くありません1。手を使う動作で痛むのが特徴です。

テニス肘の症状チェック
テニス肘には、特徴的な症状があります。次の項目を確認してみましょう。
- ものをつかんで持ち上げると肘の外側が痛い
- タオルやぞうきんを絞ると痛む
- ドアノブを回す、ペットボトルを開ける動作で痛い
- 肘の外側を押すと強く痛む
- 安静時の痛みは少ない
痛みは前腕や手首まで広がることもあります。握力が落ちたように感じる方もいます。
テニス肘の原因|使いすぎと加齢
テニス肘の名前の由来は、テニスのストロークです。ただし、テニスが原因となるのは1割弱とされています1。
多くは、手首や指を使う動作のくり返しで起こります。家事・パソコン・荷物の持ち運びなどが引き金です。
加齢とともに腱がいたみやすくなることも関係します1。中年以降に多くみられるのは、このためです。
なお、肘の内側が痛む場合はゴルフ肘と呼ばれます。痛む場所によって、関わる筋肉が異なります。
テニス肘になりやすい人
テニス肘は、スポーツをしない人にも起こります。なりやすい傾向を知っておきましょう。
- 手首や指を使う作業が多い人
- パソコン作業や調理を長時間行う人
- 重い物を持つ機会が多い人
- ラケットスポーツを行う人
- 中年以降で腱がいたみやすい人
日常の何気ない動作の積み重ねが原因になります。心当たりがある方は、早めの対策が大切です。年齢に応じた体づくりは怪我を防ぐためのリハビリと体の使い方もご覧ください。
テニス肘のセルフケア|理学療法士のおすすめ
痛む動作を控えて休める
まずは、痛みの出る動作を控えることが基本です5。原因となった作業を一時的に休ませましょう。
急に痛むときは、患部を冷やすと和らぐことがあります。慢性的な場合は、温めて血行をうながします。
前腕のストレッチ
痛みが落ち着いたら、前腕のストレッチを行います。腕を前に伸ばし、手首を下に反らして伸ばします。
痛みのない範囲で、ゆっくり20秒ほど保ちます。入浴後の温まったときに行うとよいでしょう。
道具や動作を見直す
テニス肘用のバンドで負担を減らす方法もあります1。重い物は、手首をひねらず体の近くで持ちましょう。
作業の合間に休憩を入れ、同じ動作を続けすぎないことも大切です。再発予防には、日々の使い方の見直しが役立ちます。
受診を考えたほうがよい場合
多くは保存療法で改善が期待できます。次のような場合は整形外科への相談をおすすめします。
- 数週間ケアしても痛みが続く
- 安静時にも強い痛みがある
- 手や指にしびれを伴う
- 握力が大きく落ちて生活に支障がある
保存療法で改善しない場合、注射などを行うこともあります1。自己判断せず、専門家に相談すると安心です。

よくある質問(FAQ)
テニス肘はテニスをしなくてもなりますか?
はい、スポーツをしない人にも起こります。家事や仕事の繰り返し動作が原因になることが多いです。テニスが原因となるのは一部とされています。
テニス肘は自然によくなりますか?
負担を減らすことで和らぐこともあります。ただし、使い続けると長引くこともあります。早めに動作を見直すことが大切です。
テニス肘のストレッチはいつ行うとよいですか?
痛みが落ち着いてから行うのが基本です。入浴後の温まった状態がおすすめです。強い痛みがあるときは無理をしないでください。
テニス肘は冷やすべきですか温めるべきですか?
急に強く痛むときは冷やすと和らぐことがあります。慢性的な痛みには、温めて血行をうながします。状態に応じて使い分けましょう。
テニス肘は何科を受診すればよいですか?
整形外科の受診が基本です。痛みの程度や原因に応じて治療法が選ばれます。長引く場合は早めに相談しましょう。
まとめ|テニス肘は「使い方」の見直しが鍵
テニス肘は、肘の外側につく腱に負担が重なって起こります。手を使う動作での痛みが特徴です。
原因は使いすぎや加齢で、家事や仕事でも起こります。痛む動作を休め、ストレッチと動作の見直しが対策の柱です。
多くは保存療法で前向きになれます。痛みが長引くときは、一人で抱えず専門家に相談してみてください。
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免責事項
記事の目的と性質
本記事は、テニス肘に関する一般的な健康情報を提供することを目的としています。理学療法士の専門的視点から、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく解説していますが、以下の点にご注意ください。
本記事の限界
・個別診断の代替不可:本記事の情報は、あなた個人の症状や状態に対する診断・治療を提供するものではありません。
・医療行為ではない:記事内容は医療行為や医学的助言ではなく、一般的な情報提供です。
・自己判断のリスク:本記事の情報のみに基づく自己判断や自己治療は、症状の悪化や健康被害につながる可能性があります。
医療機関受診の推奨
以下の場合は、必ず医療機関を受診してください:
・痛みや不調が続いている場合 ・症状が悪化している場合
・日常生活に支障が出ている場合 ・持病や既往歴がある場合
情報の正確性について
本記事は2026年6月時点の最新情報に基づいて作成されており、信頼できる医学的根拠や公的ガイドラインを参照しています。医学・医療情報は常に更新されるため、将来的に内容が変更される可能性があります。
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参考文献
1. 日本整形外科学会. テニス肘(上腕骨外側上顆炎).
2. 日本臨床整形外科学会. 上腕骨外側上顆炎(テニス肘).
3. 福岡整形外科病院. 上腕骨外側上顆炎(テニス肘).
4. 船橋整形外科病院. テニス肘のリハビリテーション.
5. 芦屋整形外科スポーツクリニック. 上腕骨外側上顆炎(テニス肘).
6. まつもと整形外科. テニス肘の治療と予防方法.
執筆者情報
本記事は、理学療法士の専門的視点から作成しました。上肢の動作や運動療法、再発予防に関する科学的根拠に基づいた情報提供を心がけています。